☆うさねこ☆
2.人間の家②
(ど、どうする、、話、、かけてみるか?)
時間が経つにつれて、はじめにあった恐怖や不安が減っていき、だんだん気まずくなって来る。そして僅かに興味も湧いてくる。
そわそわ、、、そわそわ、、、
(よ、、、よし、声、かけて、、みるぞ、、、)
凍弥は覚悟を決めた。
「お、おい、、、」
「!?」ばっと振り返る。
「今、おいっ、て、言ったの?話せるの?」
恐る恐る聞いてみる。
「お、おう。」(何かまずいことしたか?)
内心ビクビクしている。
女の子は、ほっと胸をなでおろす。
「そっか、、ちょっとびっくりしたけど、良かった。あ、怪我、、、大丈夫?」
女の子は机から離れてテーブルの凍弥がいる近くまで来て座る。
「あぁ、、、これ、お前がしてくれたのか?」
「あ、うん、学校帰りに空から降ってくるし、傷だらけだったから、、、ほっとけなくて、、、」
だんだん声が小さくなり、目にはウルウルと涙をためていた。
「なっ、なぜ泣くんだ!?」
「うっぐ、泣いて無いもん。」
ぐしぐしと袖で涙を拭く。
きっと女の子は女の子なりに、不安や心配がたまっていたのだろう。
それが言葉を交わすことで多少安心に変わったようだ。
くぅぅーー、、
「?
何か鳴った?」
かぁぁぁぁ、、、
凍弥は恥ずかしくなって赤くなる。
「お腹、、、へった、、、」
「ぷっ、、、あははははっ」
女の子は緊張の糸が切れたのか、笑顔になって笑い出した。
「うっ、むぅ、、、」
凍弥はタオルを顔まで掛ける。
「くすくす、、、あー、ご、ごめんね?はいっ」
女の子はパンを掴むと、凍弥の真上に持ってきた。
すぴっすぴすぴっ
(美味しそうな匂いがする。)
ひょこっ
匂いに釣られて顔を出す。
はむっはむっはむっ
はむはむはむはむはむ、、、、
夢中で食べる。
ぴたっ
「、、、すぴぃー、、」
食べ終わった途端眠った。
「くすっ、、おやすみ。」
女の子も電気を消し寝ることにした。
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