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忍者修行は楽じゃない?!〜普通ライフを送るために修行せざるを得ませんでした〜

フユヤマ

17話 記憶改竄


俺は師匠に殴られた後、5、6時間目の授業にフラフラになりながらも出席をした。
頰がまだジンジンするんだけど……。
あんな勢いのパンチを食らっといて動ける自分に驚いていた。やっぱりこれも長年、悪魔に取り憑かれていたせいだろう。体が少し異質のようだ。でも、そのおかげで大切な人たちも守れるならそれで良いと思えた。

それから1週間、毎日欠かさずマナトレーニングをし、毎日遅れずに登校できた。帰りも同じぐらいのタイムで帰ることができた。
昼休みも屋上に行き、師匠とマナトレーニングをした。……いや、師匠は何もしてなかったな…。
そのおかげで、心なしか、体力がついたようだ。
…そのおかげで足が筋肉痛で死にそうです。
これ、皆が思ってる以上に辛いからね?足にはもちろん、股関節とか背筋にも負担かかるんだよ?
……って、皆って誰だよ。
そういえば、次のマナトレーニングに入るようだけど一体どんなのをやるんだろう。
少しワクワクしている。


そして現在、6月下旬。
何があるかというと、
「前期期末テストだぁあぁあ!ぢぐしょおお!」
朝、教室に入ると慎也(しんや)が机に突っ伏しながら叫んでいた。
そう、テストがあるのだ。
……どうしよう。俺、修行で疲れすぎて、授業とか聞いてなかったんですけど。

「おお、浩介!今日テストだぞ?!やばい!テストだ!」
「わかってるって、少し落ち着けって…」
「いや無理!」
「即答かよ……」

このやけにテンション高いやつは高杉慎也(たかすぎ  しんや)。俺の小学校からの友達だ。本当にやけにテンション高いのでクラスのムードメーカーでもある。

「お前、前回の前期中間テストは全部満点だったくせに何も言ってんだよ。」

そう、こいつめっちゃ頭良いのだ。さすが、メガネは違うわぁ。いや、ほんと俺の脳と交換してほしいぐらい。
……やっぱりキモいからいいや。
でもそんぐらいに頭が良いのだ。

「あんなのたまたまだ!」
「たまたまで全部100点とれたら苦労しねぇっつーの!」
「けどよぉ……!」

ちなみに俺は学年10位ぐらいだ!
…え?聞いてない?そうですか。すみませんでした。
俺は自分の席に着こうとすると、
「テストもそうだけどよ、浩介…お前最近大丈夫なのか?」
「……あぁ。」

慎也は俺の「不幸体質」を知ってるもう1人の人物だ。まぁ、実際は悪魔だったんだけどね。しかも、その悪魔は退治されたときた。

「そっか。それなら良かった。あの時のお前、殺気が酷かったからな。特に中学校の頃なんかな。」
「あぁ、あの時は本当に切迫つまってたからな。」
「まぁ、でも今のお前はいきいきしてる。そのままでいろよ?」
「…あぁ、そうする。」

そうだ。こいつはこういう奴だった。人の事、友達の事をいつも最優先に考えてる。お人好しって奴だな。

「それにしても、どうしよう、テスト!!もう人の前のやつの解答写そうかな……。」
「………。」

前言撤回!


〜〜〜

放課後。
テストもようやく終わり、俺は今体育館の裏にきていた。
決して告白をしたりされたりとかではない。
告白とかではない。
大事なことなので2回言いました。
……言ってて悲しくなった。
まぁ、体育館の裏に来たのは他でもない。ここから帰るためだ。
人気がないとこじゃないと飛んでるところ見られちゃうからな。
とりあえず、はやく帰って寝たい。いやでもどうせ修行かぁ……。

俺は憂鬱に思いながらも、足にマナを集中して宙を舞った。
「……ん?」
俺はふと誰かに見られたような気がし、周りを見渡す。
「気のせい…か」
俺はそう思い、そのまま帰宅した。

「………まじで…?」
その時、浩介を探していた慎也が見ていたとは知らずに……。


〜〜〜

翌日の朝。
俺は今日も遅刻せず教室に入った。
すると、慎也が俺のことを襲わんとばかりに突進してきた。俺はそれを捕まる寸前で避ける。こういう時に反射神経って使えるよなぁ。
……え、何急に…。

「やや、やぁ、浩介…!ちょっと話があるのだが……?」
メガネをカチャカチャと何度も直しながら、壁に突進した慎也が話かけてきた。

「お、おいどうした…?」
「……ここで話すのもなんだからな、ちょっとトイレについて来てもらおう。」
「あ、あぁ……。」
俺は言われるがままに慎也についていった。
何、カツアゲでもされるの?…いやこいつに限ってそんなことないか。てかもしカツアゲだったらぶん殴ってるわ。

トイレに着くと慎也はさらに手を震わせながら俺の肩を掴んできた。
「な、なぁ、慎也……?昨日のは、本当なのか……?」
「…はぁ?なんのことだよ?」

いまいち話が見えないんだが…。
「とぼけるのか…?昨日の放課後、お前体育館裏で何した……?」
「…何って……ってまさかっ!」
「そのまさかだ浩介……。俺はお前が体育館裏からビョーンって飛ぶところをこの目で確実に見たからな!」
「……まじか…。」

やばい、まじかよ?!見られたのかよ?!うわぁ!どうしよう!とりあえず、昼休み屋上に呼んで師匠にどうにかしてもらうか…?よし、そうしよう!師匠ならマナの力で記憶改竄とかできるはず…!

「……と、とりあえずここで話しててもあれだから、昼休み屋上で待ってるから来てくれるか?」
「……あぁ、わかった……。」
そう言って、慎也は教室の方に戻っていった。
あいつ、目の下に隈ができてたな…。
もしかして俺が飛んでったとこを見て、そのことが信じられずに寝れなかったとか……?
多分、俺が慎也の立場だったら寝れなかったと思う。
とりあえず、師匠に助けを求めよう!


〜〜〜

そして、昼休み。
俺は速攻で屋上に行き、師匠に状況を説明した。
すると師匠は
「任せておけ。私がなんとかしよう。」
と胸を張って、自慢気に言った。
もともとある胸がさらに強調されるなんて…!
師匠は本当に高校1年生なのだろうか。
そんなことより、慎也のことだ。
師匠はどうやって事を済ませる気なんだ……?

「大丈夫だ。マナの力さえあればなんとかなる。」
「おぉ…!」
不覚にも師匠をカッコいいと思ってしまった。
いや確かにいつもカッコいいけど。そうじゃなくて……。

ガチャリ。
屋上の扉から慎也が出てきた。俯いていて表情は伺えないが、困惑してるに違いない。

「慎也。こっちにきてくれ。」
「あ、…あぁ。」
そう言って、とぼとぼと俺のほうに向かって歩きだした。師匠はというと、手にマナを集中させていた。何をするのかちょっと怖くなってきた……。

「と、ところで……その隣の人は……?」
「あ、あぁ、この人……」

俺の師匠だ、と言おうとした瞬間。師匠の姿が消えていた。
「あ、あれ…?」

消えたと思ったら今度は慎也の後ろに立っていた。
そしてそのまま、

トンッ!

と、慎也のうなじにチョップを入れていた。
「よし、これでもう記憶は改竄された。マナで少々力を加えて、1日前の記憶まで吹っ飛ばしといたから安心しろ。」
「……まじか…。」
本日2度目のまじか。でした。
そして、それでいいのか忍者よ……。

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