忍者修行は楽じゃない?!〜普通ライフを送るために修行せざるを得ませんでした〜

フユヤマ

3話 悪魔 中編


「…んっ…!ここは……?」

どうやら俺はどこかに連れてこられたみたいだ。
誰って…?決まっている、あのくノ一に違いない…!
くそ…!俺の普通ライフがこれからって時によぉ…。
しかも、なんなんだよ悪魔って…!忍者なのに悪魔倒すってどういうことだよ…!ツッコミどころ多すぎだろ!
……違う…!これは夢だ!なんでこの可能性に気づかなかったんだ、俺は…!そういうことなら忍者が悪魔を倒すってことに納得いくぞ…!

「「夢なわけないだろう。」」

「…………おやすみ〜。」

…あっれぇぇええ…??おっかしいなぁ?あの人どっかで見たことあるぞ?しかも、俺の心を読んだぞぉ?あれ、これデジャブなんですけどぉ?

「「そうだな、さっきも同じようなことしたもんな。」」

「……くそぉぉおお!夢じゃなかったぁぁあああ!!」

まぁいい、現実を見ようではないか。とりあえず、今の現状を聞き出すんだ。

「あの〜すみま……」

「「今の現状か?あの後お前が気絶したのでな、私が君のことを担いで私の家まで連れてきた。…おっ、今でちょうど3時間ってとこだな。」」

「ちょっ、3時間もですか?!やばい!おかあ…」

「「お前の親には連絡しといた。あと、敬語はいい。同い年だからな。」」

「そ、そだよねぇ…。」

起きてから、まともに喋ってねえ……。てか、こいつ初対面ってことはないけど、馴れ馴れしくね?てか初対面の時も言ってたし!
……まて、連絡した?

「ち、ちなみに何て連絡を…」

「「すみません、少し彼氏借りますねと。」」

こいつ……!なんてことを…!

「そしたら、親はなんと…?」

「「えぇ!?浩ちゃんに彼女いたの?!今日は[彼女できたぜ!ブイブイパーティ]を開いちゃお♪、と」」

……な、なんてこった……!きっと俺は顔面蒼白しているだろう。帰ったあと親にどう説明すればいいんだよ!

「「大丈夫だ、あ…」」

「ちょっと、ストーーップ!!」

彼女は怪訝そうな顔をした。…意外とその顔怖いのでやめてください…!
さっき起こったことを含めて整理しよう。
6時頃、帰宅最中にくノ一出現。悪魔が俺に憑いてるよ宣言をされ、悪魔を倒した反動で俺気絶…。そんで3時間後に目を覚ました。親の方には嘘ではあるが、外出の了承を得ている。…得ているのか?まぁ、そこらへんは大丈夫だろう。でも、1つ、いや2つ気になることがあった。

「あの…1つ良いですか?」

「「悪魔のこと…か」」

もう心読まないでよ…!

「教えてもらえませんか……?」

俺は真剣に言った。本当は口外してはいけないことなのかもしれない。それでも、今まで憑いていたっていうのに、それに気づかないでいたっていうのが怖かった。だから知りたい。できれば、今後また憑くようであればそれを対処したい。そう思ったからだ。
 
「「……いいだろう。」」

彼女は俺の真剣さを認めてくれたのか、溜息をつきながらも、答えてくれた。

「「……悪魔は、初めて抱いた深い悲しみで生まれ、…そしてその生んだものに取り憑く。」」

彼女は躊躇うかのようにそう言った。


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