転移してのんびり異世界ライフを楽しみます。

深谷シロ

4ページ目「そして僕は感謝する」

 ダンジョンのボス部屋……そこで僕と伝説上の生物であるは対峙した。

「グワァァァア!!!!」

 竜が叫んだ。何を言っているのかは分からない。だがその心配は無い。〈翻訳〉スキルを手に入れたからだ。僕はすぐさま〈翻訳〉スキルを起動する。

「ニンゲン、よく我が迷路を抜け出せたな。賞賛に値するぞ。だが、我を倒さないことにはダンジョンクリアとは言えない。ニンゲンに我を倒せるかな!」

 この竜はダンジョンのボスで間違いなかった。恐らくこの竜は僕が〈竜言語〉を話せない前提で罵っている。そして意味の分かっていない相手を見て、楽しむのだろう。なんて外道な……!!けど僕には〈翻訳〉スキルがある。多少、通じない場面もあるが、大抵会話は出来る。

「倒せるかどうかは勝負してから決めようよ。」
「……!?ニンゲンが我らの言語竜言語を理解するだと!お前、面白いな!」
「え?」

 予想斜め上の返事が帰ってきたよ。

 * * * * *

「そうかそうか!お前は転生者か!」

 竜と僕は話をした。何故か勝負は無かった。勝負して勝利できればレアスキルやレア装備とかも手に入れれるのに。少し惜しい気もする。僕はこの竜に自分自身の事を話した。1この世界で転生者という言葉を竜に理解してもらうのに苦労した。別の世界という概念を説明するのにはさらに時間を要した。

「そのチキュウとやらには竜がいないのか?」
「僕の世界では竜は伝説上の生き物なんだよ。」
「我には理解し難いが……。まあ、ニンゲン、楽しい話を聞かせてもらった。」
「こちらこそありがとう。君の名前を聞いてもいいかな。」
「良いぞ!我の名前は氷竜王ブレイリルザードという!ニンゲン、お前の名は?」
「僕の名前は神代拓人。ブレイリルザード……って呼びにくいからリルって呼んでいい?」
「リル……リルか。良いぞ。これが渾名というやつか!お前の事もタクトと呼ぶ!」
「分かった。……それでダンジョンはどうするの?」
「もう、どうでもいい!」

 ……おい。口には出さず、心の中でツッコミを入れておいた。氷竜王か……。なんか凄い相手と仲良くなったみたいだ。そんなことを考えていると〈万能〉スキルが発動した。

『〈称号:氷竜王が認める者〉を手に入れました。これによって〈特別スキル:氷属性強化〉を手に入れました。
〈特別スキル:翻訳〉の派生スキル〈スキル:竜言語〉を手に入れました。
〈加護:氷竜王の加護〉を手に入れました。
 また、ダンジョンの保有権を確保しました。保有しますか?』

 僕はリルに聞いてみた。

「リル、ダンジョンの保有権……」
「我には要らぬからタクトに譲る。」
「そんな簡単に良いの?」
「友だからな!」

 リルは機嫌が良さそうだ。久しぶりに会話が出来たのが嬉しかったのだろう。僕はお言葉に甘えて、保有することにした。

『あなたはこのダンジョンの保有者となりました。このダンジョン名を変更しますか?』

 僕はこのダンジョンの名前は『ブレイリルザードダンジョン』とした。勝手に名前使わせてもらってごめんね。

◆◆◆◆◇ステータス◇◆◆◆◆

神代拓人

種族:人間
年齢:8歳
性別:男
職業:冒険者(赤色)

レベル:30
HP:27580/27580
MP:52950/52950

称号:
氷竜王が認める者

スキル:
情報(固有)- レベル10
万能(固有)- レベル10
翻訳(特別)- レベル10
└竜言語(通常)- レベル10
保有地管理(通常)- レベル4
収納(通常)- レベル4

加護:
転生神の加護、氷竜王の加護

保有地:
刃蟻の根城、ブレイリルザードダンジョン

◆◆◆◆◇◇◇◇◇◇◇◆◆◆◆

 因みにダンジョン情報はこうである。

◆◆◆◆◇検索情報◇◆◆◆◆

国名:リメレイド王国
領地名:グレーデルン伯爵領
詳細:ブレイリルザードダンジョン
保有:神代拓人
生息:竜1体
推定生物平均レベル:50
施設:なし

 ◆◆◆◆◇◇◇◇◇◇◆◆◆◆

 少しずつだがここでの生活も充実してきている。異世界ライフを満喫しているのだろう。嬉しい事だ。

「我はダンジョンの保有を辞めてから、ここを去る。」
「そうなんだ……じゃあ、またいつか会おうね。」
「────いや、その必要は無い。」

 リルは唐突に自分のスキルを話した。リルが持つスキルは〈スキル:変幻自在〉という。能力を教えてくれる代わりにリルは〈変幻自在〉スキルを見せてくれた。

「おぉー!」

 僕は思わずリルに拍手を贈った。リルがスキルを使うと、スキル効果でリルは姿を変えた。〈変幻自在〉スキルは対象の姿を自在に変化させるスキルだ。リルの変化後の姿はだ。

「これでタクトと共に行けるな!」
「そうだね……!」

 竜の知能をなめていた。人間の姿であれば、僕に全く迷惑を掛けずに付いていく事が出来る。ナイスアイデアだ。グッジョブ!

 リルの変わった人間は美少女だ。外見年齢は僕とあまり変わらない。この世界で言うところの7~10歳だ。髪色は銀髪。細目で眠たそうな顔をしている。実際、欠伸もしている。先程まで眠っていたからまだ眠たいみたいだ。

「じゃあ、僕の部屋に戻ろうか。」
「そうだな!」

 さっきの欠伸は何だったんだ……。リルは目を見開いている。なんとなく目がキラキラと輝いている気がする。僕達はダンジョンから出た。ダンジョンの迷路は僕達が出る時だけ、一本道に変えておいた。出た後は元通りだ。ボスは居ないけど、是非挑戦してくれたまえ。待ってるぞ!

 * * * * *

「そいつ誰だ……?」
「街の外で会ったんです。僕の友人なんです。」
「そ、そうなのか。証明書を見せてくれるか?」
「ああ、良いぞ。」

 リルは門番さんに近くで拾ったを出した。……正確には小枝を〈変幻自在〉で変化させた証明書である。本物と全く区別がつかない。載っている内容は適当に記入しておいた。流石に種族の所になんて驚かれるだろうからね。

「よし、大丈夫だ。通っていいぞ。」
「ありがとうございます。」

 門を通り、宿へ戻った。

「ヘレナさん。」
「おかえり、タクト。横にいるのは誰なの?」
「僕の友人です。」
「へー!私はこの宿を管理しているヘレナ。よろしくね。」

 リルは頷いた。話す気はないらしい。

「部屋1つ増やすの?」
「あ、そうですね。お願いします。」
「いや、我はタクトと同じで良い。」
「「……え?」」

 ちょっとリルさんや。変な噂になりそうだから辞めて……。

「……そ、そういう事ね。分かったわ。」

 顔を赤くしながらヘレナさんは何故か納得したようだ。ごめんなさい、ヘレナさん。そんな関係じゃないです。だって竜ですよ。しかも竜王って……。今だに騙されてるんじゃないかって心配ですし。

 僕は結局、リルを引っ張って逃げるように部屋に戻った。

「はぁ……。」
「ここがタクトの部屋か!広くないのが残念だが、この姿なら充分だ!」

 そう言ってリルはベッドへダイブすると、1分も経たないうちに寝てしまった。どうやら久しぶりに動いて疲れていたらしい。僕は床で寝るとしよう。

 僕は水浴びをして、部屋に再び戻ってきた。

「〈万能〉のログでも見るか。」

〈万能〉を起動した。どうやら最近使い続けて分かったことだが、〈万能〉には空中にログを表示する事が出来るらしい。メニュー画面のようなもの……だろうか。VRでの動作ボタンのようなものと考えた方が分かりやすいだろうか。兎に角、空中に表示されている。

『〈スキル:変幻自在〉を確認しました。スキルを手に入れますか?』

 ……これが全てのスキルを手に入れる事の出来る方法か。漸くこのスキルを貰った理由が分かった。解決っと。〈変幻自在〉は勿論、手に入れておく。最後にステータス画面を確認しておいた。


◆◆◆◆◇ステータス◇◆◆◆◆

神代拓人

種族:人間
年齢:8歳
性別:男
職業:冒険者(赤色)

レベル:30
HP:27580/27580
MP:52950/52950

称号:
氷竜王が認める者

スキル:
情報(固有)- レベル10
万能(固有)- レベル10
翻訳(特別)- レベル10
└竜言語(通常)- レベル10
保有地管理(通常)- レベル4
収納(通常)- レベル4
変幻自在(通常)- レベル1

加護:
転生神の加護、氷竜王の加護

パーティメンバー:
リル

保有地:
刃蟻の根城、ブレイリルザードダンジョン

◆◆◆◆◇◇◇◇◇◇◇◆◆◆◆

 パーティメンバーという欄が追加されていた。どうやら同行している事から自動追加されたのだろう。一応、パーティみたいなものだし、無視しておいて良いだろう。

「それにしても今日は疲れたな……。」

 ベットにはリルがいるが、寝ているため独り言だ。誰かと話すのは当然楽しいが、1人でいる方が心は落ち着く。まだリルに内心怯えているのだ。友好関係を少しずつでも築いていきたいな。まあ、今日は寝よう。

 この時の神代拓人は先に襲い掛かる困難の事を知らなかった。

「転移してのんびり異世界ライフを楽しみます。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く