妖怪狩人

千紘

第3話 9年前の山姥①


ー9年前ー森原総合病院 裏庭


8歳の里見少年が、パジャマで裏庭の花壇の花を黙々と抜いていた。

この病院の裏庭は入院患者の散歩やリハビリ用に解放されていて、自由に出入りができた。ただこの時は夕暮れの風が冷たく、里見少年以外は誰もいなかった。

下を向き、花を睨みつけていた里見の足元が急に揺れだした。ぎょっとして顔をあげると、今度は突然頭上から人が降ってきた。

 ーザザンッ!!!ー

「おいガキ!どいてな!」

降ってきた人物は里見をガキと言ったが、彼自身もまだ少年のようだった。

里見「・・な、なに?・・・え」

驚き動けず戸惑っていると、里見の目の前の土がいきなり大きく盛り上がり爆発した。

里見「えええぇぇーッ!?!?」

少年「来なすった。」

爆発と共に飛び出したのはなんと、巨大な顔面だった。

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