異世界で魔法兵になったら、素質がありすぎた。
全ての成り行き
「ここは? ってわかんねぇーのか」
歩きながら、カザトが疑問を口にする。
「────? ここは、私の故郷だよ」
すると、返ってきた答えは、先程の話ととても矛盾したものだった。
「はぁ? さっき、どこに繋がってるかわかんねぇって……」
「あぁ、それはね。私が、この場所が地図とかのどこに位置するかわからないってだけで」
「なんで、それを先に言わねーんだよ!」
魔道門をくぐる前に、言い合いをしたことが全て無意味となる発言に、カザトが半ギレする。
当然、アカリにも悪気が無かったというのも承知の上での半ギレだった。
「だいたい……はぁ、やっぱいいや。早くことを進めてくれ」
これ以上の言葉は、もはや無意味と察したカザトが、展開を進めることを提案する。
「なんだい。カザトが勝手にキレて、勝手に諦めちゃって! はぁ、ま、取り敢えず、おばあちゃんとこに行こっか。うん、それがいい!」
現在、二人のいる場所は、魔道門から少し離れ、外に出ていた。
歩く足をいつの間にか止め、広場のような場所で二人向かい合っていた。
「そういや、ここって村なのか?」
そう言って、カザトが改めて周りを見渡す。
「うん。ま、建造物は、でかいのばっかだけどね」
少し恥ずかしそうに笑いながらアカリが答える。
よく見れば、周りには、村と言うには、あまりに発達しているように見える。しかし、そんなことよりも気になることがカザトにあった。
「おっ、おい。あれは、なんだよ?」
カザトが、少し遠くの建物を指さす。
アカリがそれに反応し、カザトの指が射す方へ視線を向ける。
「あー、あれ? あれはね、なんて言ったけな……あっ! そう! 『ごじゅーのとう』だったけ」
そこにあったのは、日本の奈良県に存在する、五重塔そのものだった。
「まじかよ……」
「早くおばあちゃんとこ行くよ!」
「あ、あぁ」
多少、困惑が残っているが、カザトには考えている暇もなかった。
そして、再び歩き出したアカリのあとをカザトが、早走でついて行く。
暫くすると、他のより、少し大きな家の前に着いた。
「ここか? その、おばあちゃんの家は」
「そ。おばあちゃんに聞いてみたらなんかわかるかもしれないし、第一、カザトを紹介しないと」
「────?」
アカリが、家の扉を開け、中に入る。カザトがそれに続いて足を踏み入れる。
中は、窓が小さいせいか薄暗く、照明の明かりも乏しい。 
タンスや椅子、机といった、基本的な家具は置いてあるものの、肝心な人の気配がしない。
留守……か?
人の気配を感じられないカザトが、アカリに声をかけようとすると、
「誰じゃ? ん? あぁ、なんじゃ、アカリか。おかえり。連れがいるのか?」
奥から声が聞こえてきた。当然、声の主の姿は見えず、女性ということしかわからない。
「うん。ただいま、おばあちゃん。ほら、話をしたいから、『ステルス魔法』を解いて」
見えない相手と平然と会話をするアカリにも驚かされたが、カザトはそれ以上に、おばあちゃんに対しての驚きが隠せなかった。
なにせ、さっきまで、何もなかったところから急に、人、老婆が現れたのだから。
「なっ!」
「ほほほほっ! やはり、何も知らぬ客人には分からぬものか。どうじゃ? ワシの『ステルス魔法』は? そこそこのものじゃろ」
出てきた老婆が、笑い声をあげながら、カザト立ちに近づく。
「ステレス? 隠密? ってことは、入った時からいたのかよ?! なんか、一番まともな魔法見た気がする……」
カザトが、老婆の『ステルス魔法』に感動していると、アカリが間に割って入る。
「それは、もういいでしょ。それより、おばあちゃん、カザトの話を聞いてくれない? もしかしたら……なの」
アカリと老婆が、互いの目を見合い、老婆が口を開く。
「ふぅん、ま、いいじゃろ。ワシも暇しとったしな」
「ちょっ、俺抜きで話を進めんなよ!」
除け者にされていたカザトが、勝手に決められていく物事に声を上げると、アカリが「あのねぇ」と言って、カザトの後ろに周り、肩に手を置く。
「カザトに拒否権はない! はい、今は、大人しく言うこと聞いて!」
アカリに肩を持たれたカザトが、肩を抑えられ、強引に椅子に座らせられる。
「まぁ、まてまて。それで、ワシをのけもんにするな。話は聞く。ほら、アカリに捕まった成り行きを話してみぃ」
そう言って、老婆とアカリも椅子に腰をかける。
「捕まったって……」
不満なところがありまくりなのだが、これ以上とやかく言っても、話が一向に進まないということが嫌でもカザトには、分かっていた。
カザトが口を開き、話し出したのは、異世界に転移されてから、アカリと出会ったところからだった。
歩きながら、カザトが疑問を口にする。
「────? ここは、私の故郷だよ」
すると、返ってきた答えは、先程の話ととても矛盾したものだった。
「はぁ? さっき、どこに繋がってるかわかんねぇって……」
「あぁ、それはね。私が、この場所が地図とかのどこに位置するかわからないってだけで」
「なんで、それを先に言わねーんだよ!」
魔道門をくぐる前に、言い合いをしたことが全て無意味となる発言に、カザトが半ギレする。
当然、アカリにも悪気が無かったというのも承知の上での半ギレだった。
「だいたい……はぁ、やっぱいいや。早くことを進めてくれ」
これ以上の言葉は、もはや無意味と察したカザトが、展開を進めることを提案する。
「なんだい。カザトが勝手にキレて、勝手に諦めちゃって! はぁ、ま、取り敢えず、おばあちゃんとこに行こっか。うん、それがいい!」
現在、二人のいる場所は、魔道門から少し離れ、外に出ていた。
歩く足をいつの間にか止め、広場のような場所で二人向かい合っていた。
「そういや、ここって村なのか?」
そう言って、カザトが改めて周りを見渡す。
「うん。ま、建造物は、でかいのばっかだけどね」
少し恥ずかしそうに笑いながらアカリが答える。
よく見れば、周りには、村と言うには、あまりに発達しているように見える。しかし、そんなことよりも気になることがカザトにあった。
「おっ、おい。あれは、なんだよ?」
カザトが、少し遠くの建物を指さす。
アカリがそれに反応し、カザトの指が射す方へ視線を向ける。
「あー、あれ? あれはね、なんて言ったけな……あっ! そう! 『ごじゅーのとう』だったけ」
そこにあったのは、日本の奈良県に存在する、五重塔そのものだった。
「まじかよ……」
「早くおばあちゃんとこ行くよ!」
「あ、あぁ」
多少、困惑が残っているが、カザトには考えている暇もなかった。
そして、再び歩き出したアカリのあとをカザトが、早走でついて行く。
暫くすると、他のより、少し大きな家の前に着いた。
「ここか? その、おばあちゃんの家は」
「そ。おばあちゃんに聞いてみたらなんかわかるかもしれないし、第一、カザトを紹介しないと」
「────?」
アカリが、家の扉を開け、中に入る。カザトがそれに続いて足を踏み入れる。
中は、窓が小さいせいか薄暗く、照明の明かりも乏しい。 
タンスや椅子、机といった、基本的な家具は置いてあるものの、肝心な人の気配がしない。
留守……か?
人の気配を感じられないカザトが、アカリに声をかけようとすると、
「誰じゃ? ん? あぁ、なんじゃ、アカリか。おかえり。連れがいるのか?」
奥から声が聞こえてきた。当然、声の主の姿は見えず、女性ということしかわからない。
「うん。ただいま、おばあちゃん。ほら、話をしたいから、『ステルス魔法』を解いて」
見えない相手と平然と会話をするアカリにも驚かされたが、カザトはそれ以上に、おばあちゃんに対しての驚きが隠せなかった。
なにせ、さっきまで、何もなかったところから急に、人、老婆が現れたのだから。
「なっ!」
「ほほほほっ! やはり、何も知らぬ客人には分からぬものか。どうじゃ? ワシの『ステルス魔法』は? そこそこのものじゃろ」
出てきた老婆が、笑い声をあげながら、カザト立ちに近づく。
「ステレス? 隠密? ってことは、入った時からいたのかよ?! なんか、一番まともな魔法見た気がする……」
カザトが、老婆の『ステルス魔法』に感動していると、アカリが間に割って入る。
「それは、もういいでしょ。それより、おばあちゃん、カザトの話を聞いてくれない? もしかしたら……なの」
アカリと老婆が、互いの目を見合い、老婆が口を開く。
「ふぅん、ま、いいじゃろ。ワシも暇しとったしな」
「ちょっ、俺抜きで話を進めんなよ!」
除け者にされていたカザトが、勝手に決められていく物事に声を上げると、アカリが「あのねぇ」と言って、カザトの後ろに周り、肩に手を置く。
「カザトに拒否権はない! はい、今は、大人しく言うこと聞いて!」
アカリに肩を持たれたカザトが、肩を抑えられ、強引に椅子に座らせられる。
「まぁ、まてまて。それで、ワシをのけもんにするな。話は聞く。ほら、アカリに捕まった成り行きを話してみぃ」
そう言って、老婆とアカリも椅子に腰をかける。
「捕まったって……」
不満なところがありまくりなのだが、これ以上とやかく言っても、話が一向に進まないということが嫌でもカザトには、分かっていた。
カザトが口を開き、話し出したのは、異世界に転移されてから、アカリと出会ったところからだった。
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