異世界行き来自由なので恩恵をフル活用して現実でリア充目指します。

コモレビ

② 世界は謎に満ちているとよく言われるけど異世界の方が謎に満ちてるぞ多分



「ただいまぁ〜。」
疲弊しきった声を誰もいない自室へとかける。 
あのウキウキワクワクの入学式からはや一週間。

僕は見事なまでにクラスで孤立していた。

周りの奴らは大抵「体験入部一緒に行かない?」などとほざき合っては友達づくりに励み、今となってはもうクラス内ヒエラルキー、カーストが決定している。
勿論僕は最下層ですよ?ぼっちに発言権などないし。

 

つまり、高校デビューは大失敗に終わったということだ。 


全く世知辛い。
こんな風に世の中のせい、社会のせいにしてみるといくらか楽に感じられるが何も現状は変わらない。  


「今日の夕飯は、、カレーをつくってみようかな。」


基本的自炊を条件に、一人暮らしの許しが出たので嫌でも料理しなければならない。
大体は食◯のソーマの真似をして「お上がりよ!」とか言って料理してる。
これが意外と楽しい。
だから、という訳ではないが別に自炊は嫌いじゃないし、寧ろ好む方だ。


そういやこのアパートについての話を忘れていた。
二階建て。一階二階に三つずつの計六つの部屋。ちなみに僕の部屋は二階の真ん中の部屋だ。
僕の通う私立御光坂学園まで徒歩十分という近さ。
最寄り駅までは徒歩では二十分ほどかかるらしい。家賃は秘密。
あとは、大家さんの頭がちょっとイってるのと、僕と大家さんとあと一人の計三人の住人しかいないことを除けば何の変哲もない、至って普通のアパートである。


「うん、、これでよし。、、おいしいなぁ。」
独り言が止まらない。
いやでもすごく美味しい。味見したら止まらなくなって気付いたら完食してましたってなるくらいの美味しさ。
流石にそれは言い過ぎてるけどほんとに美味しいのよ。
美味しいしか言ってないな僕。語彙力が死ねる。


あとは米が炊けるの待つだけだ。



この持て余した時間をどう過ごすか考える。



、、、そういえばご近所挨拶を済ませてなかったな。
しまった。忘れていた。まあでも一人にだけでいいのか。
下の階に住んでいる大家さんには引っ越し初日に済ませちゃったし。
一人分だし、今行ってきちゃおう。
えーっと、手土産の石鹸はーっと。
あ、あった。


右隣の部屋へしゅっぱーつ。



自室から出て曲がってすぐにあった扉を軽くコンコン、とノックする。


中から返事はない。


もう一度、コンコン。
 

あれ?この部屋であってるはずなんだけどなぁ。
もしかして留守なのかな?いやでも明かりついてるしな、、。人の気配もしない訳では無いし。 



不審に思い、ドアノブに手を掛けると本来ならば鍵がかかっているはずがいとも簡単に回った。
なんでなんでなんでだ。僕的不審度メーターがマックスに近いですよよ。


「大丈夫ですか。入りますよ。」


僕はそう早口で告げながらもドアノブはゆっくりと引いた。






















扉の向こう。
そこには雄大な自然が広がっていた。
右手の方には川底がみえるほど透明で小さな川が流れていて、その周りには緑色の短草草原がいっぱいに染め上げ、左手には見たことも聞いたこともない花が沢山の種類が寄り添い咲いている。
上空にはシラサギのような鳥が優雅に悠々と飛び回っていて、遠くでは鳴き声が聞こえている。
言葉では説明できないような、圧倒的風景。




まるで地球ではないみたい・・・・・・・・・だ。

 




でもその地球離れした景色を眺められたのも束の間、耳をつんざくような轟音と花吹雪のようなものやクラッカーの中身の紙みたいなのが一斉に降り注いできて、僕の視覚や聴力を奪った。

、、、、、、ん?花吹雪?クラッカー?











「「「異世界からのお客様!!こちらの世界にようこそ!!貴方様は記念すべき十人目のお客様になります!!!」」」

やったぜ異世界。こんにちは非日常。












 




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