魔術学園に響かせよ
5話 成人の儀⑤
家に帰りイドラは、まず一つ一つ能力を確認することにした。
「まずは音の周波数の操作ですか...。えっと、周波数っていうのは...?」
イドラは本を開き目的のページを開くと、
・周波数
→音の波が一秒間に何回振動するかを示したもの。周波数が変動することによって音の高さが変わる。また、ヒトの場合、20Hz~20000Hzの音が聞こえるが、それ以上またはそれ以下の音は聞こえない。20Hz以下の音を超低周波、20000Hz以上の音を超音波と呼ぶ。
「なるほど、つまり音の高さを操れるのですね。あと...音を聞こえなくさせることもできる、と。案外便利かもしれませんね。」
そう言うとイドラは剣で剣を叩いた。
キーン、と言う音を聞く同時にこの音を低くするよう意識した。
すると、ギィーン、という先程よりほんの少し低い音がした。
「おぉ!こういうことですか。しかし、あまり変わった気がしませんね...。どうしたものか...。」
と、イドラが唸っていると家から出てきたイルトが息子に助言をした。
「イドラ、能力を使うときは必ず、能力を使った後どうなるのが好ましいかをよく想像してから使ってみなさい。」
「なるほど...。」
父の助言を受け、イドラはもう一度剣で剣を叩いた。
今度はよくイメージして、コーン、という音を鳴らそうとすると、それに近しいただし、まだ少し遠いようなそんな音がした。
「おぉ!さっきより変わってる!父上、ありがとうございます。」
「おう、その調子で練習してみろ。」
「はい!」
その後、何回かやってみて何となく感覚がつかめたところで次に移った。
「次は...指向性...ですか。要は方向ですね。父上!」
「どうした?」
「僕の後ろの方に立って頂いて宜しいですか?」
「おう、良いぞ。」
まず、何もせずに頭上で剣で音を鳴らしてみる。
すると当たり前だが、キーンという音が周りに均等に広がっていった。
次に音を前にだけ飛ばすイメージで音を鳴らしてみると...
「お?音は聞こえるが随分小さくなったな。」
イルトは先程より随分小さくなった音に少し驚いていた。
最後に音を後ろにだけ飛ばすイメージで音を鳴らすと...
「お?今度は大きくなった。イドラ、お前、中々筋が良いんじゃないか?初日でこれだけ扱えていれば練習すればもっと色々出来そうだな。」
「はい!」
どうやら、音の広がる範囲を絞ると音がより大きくなるようだ。
「さてさて、次は...大きさですか。なるほど。」
同じように音を鳴らしてみると...
ギィィィイーーン!
思わぬ爆音にイドラもイルトも思わず身を強張らせた。
何事かと思った村人達が寄ってきて、ちょっとした騒動になってしまった。
「ハハハ...これは驚きましたね...よく気を付けないと...」
「そ、そうだな...」
そうして、親子揃って苦笑いを浮かべていると
「そろそろ晩が出来ますよ。」
と、キシャラが2人を呼びにきた。
「今日のところはこれくらいにしておこうか。」
「そうですね。また、明日にしましょう。」
こうして、家に入っていき、1日は終わった。
イドラの今までの13年で最も長いと感じる1日は幕を下ろした。
「まずは音の周波数の操作ですか...。えっと、周波数っていうのは...?」
イドラは本を開き目的のページを開くと、
・周波数
→音の波が一秒間に何回振動するかを示したもの。周波数が変動することによって音の高さが変わる。また、ヒトの場合、20Hz~20000Hzの音が聞こえるが、それ以上またはそれ以下の音は聞こえない。20Hz以下の音を超低周波、20000Hz以上の音を超音波と呼ぶ。
「なるほど、つまり音の高さを操れるのですね。あと...音を聞こえなくさせることもできる、と。案外便利かもしれませんね。」
そう言うとイドラは剣で剣を叩いた。
キーン、と言う音を聞く同時にこの音を低くするよう意識した。
すると、ギィーン、という先程よりほんの少し低い音がした。
「おぉ!こういうことですか。しかし、あまり変わった気がしませんね...。どうしたものか...。」
と、イドラが唸っていると家から出てきたイルトが息子に助言をした。
「イドラ、能力を使うときは必ず、能力を使った後どうなるのが好ましいかをよく想像してから使ってみなさい。」
「なるほど...。」
父の助言を受け、イドラはもう一度剣で剣を叩いた。
今度はよくイメージして、コーン、という音を鳴らそうとすると、それに近しいただし、まだ少し遠いようなそんな音がした。
「おぉ!さっきより変わってる!父上、ありがとうございます。」
「おう、その調子で練習してみろ。」
「はい!」
その後、何回かやってみて何となく感覚がつかめたところで次に移った。
「次は...指向性...ですか。要は方向ですね。父上!」
「どうした?」
「僕の後ろの方に立って頂いて宜しいですか?」
「おう、良いぞ。」
まず、何もせずに頭上で剣で音を鳴らしてみる。
すると当たり前だが、キーンという音が周りに均等に広がっていった。
次に音を前にだけ飛ばすイメージで音を鳴らしてみると...
「お?音は聞こえるが随分小さくなったな。」
イルトは先程より随分小さくなった音に少し驚いていた。
最後に音を後ろにだけ飛ばすイメージで音を鳴らすと...
「お?今度は大きくなった。イドラ、お前、中々筋が良いんじゃないか?初日でこれだけ扱えていれば練習すればもっと色々出来そうだな。」
「はい!」
どうやら、音の広がる範囲を絞ると音がより大きくなるようだ。
「さてさて、次は...大きさですか。なるほど。」
同じように音を鳴らしてみると...
ギィィィイーーン!
思わぬ爆音にイドラもイルトも思わず身を強張らせた。
何事かと思った村人達が寄ってきて、ちょっとした騒動になってしまった。
「ハハハ...これは驚きましたね...よく気を付けないと...」
「そ、そうだな...」
そうして、親子揃って苦笑いを浮かべていると
「そろそろ晩が出来ますよ。」
と、キシャラが2人を呼びにきた。
「今日のところはこれくらいにしておこうか。」
「そうですね。また、明日にしましょう。」
こうして、家に入っていき、1日は終わった。
イドラの今までの13年で最も長いと感じる1日は幕を下ろした。
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