序列16位の魔法教師
16位様は性格最悪?
「チッ……まぁ16位なんて嘘つくくれぇだ。それなりの実力はあるんだろうよ……土煙で見えなかったが、シールドでアレが防げるわけねぇ。もっと位の高い防御魔法を使ったんだろ?」
レッドの指摘にも興味がないようにスカルは答える
「じゃあ……あらかじめ使っておいてやるよ。打ってこい……【防御】」
(本気で言ってるのか?さっきは見えなかったが、今あいつが発動したのはどうみても【防御】だ。【衝撃波】なんてくらったら死ぬぞ……まさかさっきのも……いやそんなわけない。こいつは俺のことを舐めてるだけだ!全力でぶっ倒す!)
「魔なる力をこの身に宿し、我が敵を砕かん……」
「おっ、上位詠唱まで使えんのか…クリム少将は本当に親バカなんだな」
レッドが詠唱を終えるとその紅く光る拳をスカルに向けて放つ
「【破砕】」
上位魔法の中でも破壊することに特化した魔法。効果範囲が狭い代わりに、その威力は【衝撃波】を一点に凝縮したような物だ。だが、レッドは切り札であるこれを使っても勝利を確信出来なかった。もしかしたら……またこいつは何もなかったかのように立っているのではないか…そんな不安が頭をよぎる
事実……
「今の……私じゃなかったら死んでたぞ?」
そうなってしまった
「あ、ありえねぇ!な、なんでなんだよ!」
驚愕を口にしたその瞬間、視界が反転する。どうやら地面に叩きつけられたようだ
「遅い。今のは魔法無しの格闘だぞ」
(……速すぎて反応出来なかった。【身体強化】発動してる俺が……今のが魔法無し……こんなの、勝てるわけねぇ)
レッドは自分がどんな相手に喧嘩を売ったのか、理解した。こいつは……紛れも無い16位なんだと……
そう頭の中で整理がつくと、自然と言葉が出てきた
「参りました……」
◇◇◇
「あっはははは!どうだ?どんな気持ちだ?これで分かっただろう私が真の16位だって!」
「あんた本当に性格悪いな!だから疑われるんだよ!」
そんなやりとりをするスカルとレッドを見てクラスメイトたちは呆然とする……
(何が起こったか……よく分からなかったけど、あの人が圧倒的だったのは素人の俺にも分かった。多分あの人は全然本気じゃなかった……性格がまともなら完璧だったのに…)
そんな事を思いながら、内心でがっかりしているとチャイムが鳴り響く
「よし!これで授業終わりだよね?私は帰るぞぉ!」
「ちょ、ちょっと待ってくださいスカルさん!これからB組の授業がありますし、A組のみんなに何かアドバイスとか課題とか……とにかく何か一言を!」
即座に帰宅しようとするスカルを全力で止めるケイ先生の株が生徒たちの中で急上昇してる
「あー?まだ授業あるんですか……アドバイス……はめんどくさいな。じゃあ、お前らに課題を…次の授業までに初級魔法の【弾丸】を覚えておいて……話はそっからだから…多分レッドが教えてくれるよ」
そう言うと訓練場から出て行ってしまう
「あ…あはは……みなさん!頑張りましょう!私は歴史の教師だから教えることは出来ませんが、レッド君が教えてくれます!あと放課後に上級生担当の先生を連れてきます!」 
(それなら行けるか?初級魔法らしいし、同い年のレッドがあれだけ魔法を使えてるんだ。初級くらいなら出来そうだ)
カイトはそう思っていたが……
「先生、俺の経験ですけど【弾丸】はまともに発動出来るまで1週間かかりました。次の魔法実技の授業はいつなんですか?」
レッドのその問いにケイ先生が震えるように答える
「え、えーと……これからは魔法関連の授業がほぼ毎日入ってるので…あ、明日です…」
「出来るわけないだろぉお!!」
普段は物静かなカイトも、これには叫ばずにはいられなかった
◇◇◇
「よし、じゃあ基礎からやっていこう。まずは俺がさっき書いた魔法陣の上に乗って教えた詠唱を言ってくれ。そしたら体が熱くなるからその感覚を思い出しながら自分の意思でその感覚を再現出来るまで反復練習だ」
 
放課後、レッドと上級生担当の教師3名が俺たちに魔法を教えてくれる事になった。俺はレッドのグループだ
(まぁ、俺は半分諦めてるけどな……でも、せっかく魔法が使えるかもしれないんだ。やるだけやろう)
「我が身に眠る魔なる力よ、我の呼び掛けに応え、その力を現せ」
確かに、レッドが言った通り体が少し熱くなったような気がした。これが魔力なのだろうか?
(まぁ考えてても仕方ないか……反復練習だな)
「で、出来た!出来たよ!【弾丸】」
その声を上げたのは……エルザだった
「はぁ?魔力同調してすぐに魔法が……マジかよ……」
レッドまでもが驚いている。それもそうだろうレッド本人でさえ1週間かかった芸当をエルザは30分もしないでしてみせたのだから
「……俺も負けてらんないな」
魔法をいち早く完成させたエルザの存在に焦りを感じ、カイトも練習に戻るのだった
◇◇◇
そんな時、生徒たちが魔法の練習をしてる訓練場を外から覗く人影が2つ
「ほれ、生徒たちは本気でやってるんだ。それに応えてやるのが師匠だろう?いや、お前の場合は先生か……」
1人は無精髭を生やした筋肉質な初老の男性。その身体から放たれるオーラは只者ではない雰囲気だ
「…………チッ、私が悪かったよ。師匠」
もう1人は悪態を吐く……オーラなど全く感じられない白髪の女性だった
レッドの指摘にも興味がないようにスカルは答える
「じゃあ……あらかじめ使っておいてやるよ。打ってこい……【防御】」
(本気で言ってるのか?さっきは見えなかったが、今あいつが発動したのはどうみても【防御】だ。【衝撃波】なんてくらったら死ぬぞ……まさかさっきのも……いやそんなわけない。こいつは俺のことを舐めてるだけだ!全力でぶっ倒す!)
「魔なる力をこの身に宿し、我が敵を砕かん……」
「おっ、上位詠唱まで使えんのか…クリム少将は本当に親バカなんだな」
レッドが詠唱を終えるとその紅く光る拳をスカルに向けて放つ
「【破砕】」
上位魔法の中でも破壊することに特化した魔法。効果範囲が狭い代わりに、その威力は【衝撃波】を一点に凝縮したような物だ。だが、レッドは切り札であるこれを使っても勝利を確信出来なかった。もしかしたら……またこいつは何もなかったかのように立っているのではないか…そんな不安が頭をよぎる
事実……
「今の……私じゃなかったら死んでたぞ?」
そうなってしまった
「あ、ありえねぇ!な、なんでなんだよ!」
驚愕を口にしたその瞬間、視界が反転する。どうやら地面に叩きつけられたようだ
「遅い。今のは魔法無しの格闘だぞ」
(……速すぎて反応出来なかった。【身体強化】発動してる俺が……今のが魔法無し……こんなの、勝てるわけねぇ)
レッドは自分がどんな相手に喧嘩を売ったのか、理解した。こいつは……紛れも無い16位なんだと……
そう頭の中で整理がつくと、自然と言葉が出てきた
「参りました……」
◇◇◇
「あっはははは!どうだ?どんな気持ちだ?これで分かっただろう私が真の16位だって!」
「あんた本当に性格悪いな!だから疑われるんだよ!」
そんなやりとりをするスカルとレッドを見てクラスメイトたちは呆然とする……
(何が起こったか……よく分からなかったけど、あの人が圧倒的だったのは素人の俺にも分かった。多分あの人は全然本気じゃなかった……性格がまともなら完璧だったのに…)
そんな事を思いながら、内心でがっかりしているとチャイムが鳴り響く
「よし!これで授業終わりだよね?私は帰るぞぉ!」
「ちょ、ちょっと待ってくださいスカルさん!これからB組の授業がありますし、A組のみんなに何かアドバイスとか課題とか……とにかく何か一言を!」
即座に帰宅しようとするスカルを全力で止めるケイ先生の株が生徒たちの中で急上昇してる
「あー?まだ授業あるんですか……アドバイス……はめんどくさいな。じゃあ、お前らに課題を…次の授業までに初級魔法の【弾丸】を覚えておいて……話はそっからだから…多分レッドが教えてくれるよ」
そう言うと訓練場から出て行ってしまう
「あ…あはは……みなさん!頑張りましょう!私は歴史の教師だから教えることは出来ませんが、レッド君が教えてくれます!あと放課後に上級生担当の先生を連れてきます!」 
(それなら行けるか?初級魔法らしいし、同い年のレッドがあれだけ魔法を使えてるんだ。初級くらいなら出来そうだ)
カイトはそう思っていたが……
「先生、俺の経験ですけど【弾丸】はまともに発動出来るまで1週間かかりました。次の魔法実技の授業はいつなんですか?」
レッドのその問いにケイ先生が震えるように答える
「え、えーと……これからは魔法関連の授業がほぼ毎日入ってるので…あ、明日です…」
「出来るわけないだろぉお!!」
普段は物静かなカイトも、これには叫ばずにはいられなかった
◇◇◇
「よし、じゃあ基礎からやっていこう。まずは俺がさっき書いた魔法陣の上に乗って教えた詠唱を言ってくれ。そしたら体が熱くなるからその感覚を思い出しながら自分の意思でその感覚を再現出来るまで反復練習だ」
 
放課後、レッドと上級生担当の教師3名が俺たちに魔法を教えてくれる事になった。俺はレッドのグループだ
(まぁ、俺は半分諦めてるけどな……でも、せっかく魔法が使えるかもしれないんだ。やるだけやろう)
「我が身に眠る魔なる力よ、我の呼び掛けに応え、その力を現せ」
確かに、レッドが言った通り体が少し熱くなったような気がした。これが魔力なのだろうか?
(まぁ考えてても仕方ないか……反復練習だな)
「で、出来た!出来たよ!【弾丸】」
その声を上げたのは……エルザだった
「はぁ?魔力同調してすぐに魔法が……マジかよ……」
レッドまでもが驚いている。それもそうだろうレッド本人でさえ1週間かかった芸当をエルザは30分もしないでしてみせたのだから
「……俺も負けてらんないな」
魔法をいち早く完成させたエルザの存在に焦りを感じ、カイトも練習に戻るのだった
◇◇◇
そんな時、生徒たちが魔法の練習をしてる訓練場を外から覗く人影が2つ
「ほれ、生徒たちは本気でやってるんだ。それに応えてやるのが師匠だろう?いや、お前の場合は先生か……」
1人は無精髭を生やした筋肉質な初老の男性。その身体から放たれるオーラは只者ではない雰囲気だ
「…………チッ、私が悪かったよ。師匠」
もう1人は悪態を吐く……オーラなど全く感じられない白髪の女性だった
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