Traveる
2-18 割れる意見、別々の思考
全員が風呂に入り終わったあと、一行はリビングのようなところに集まっていた。もちろんアオイはモニター越しでの参加だ。アツシとヒナは思いっきり俯きながら何かを考えている。今日一日の出来事で色々あったので仕方がないのかもしれないが、それにしてもいつもうるさいヒナがここまでどんよりとしていると、部屋全体の空気もどんよりとしてくる。だが、それよりもお風呂上りで頬の火照った穂乃香がべらぼうに可愛い。その感想だけで感想文でレポート二千五百字くらいは余裕で書ける。
「さて、これからについてだけど」
ハルカが議題を発表する。そして周りを見て、皆の雰囲気を確認する。
「やっぱり、この流れは私も最終手段を使う時が来たようね。アオイ……分かっているわよね?」
ハルカは何やら思わせ気味な態度でアオイに言う。それに対してアオイはいつもなら絶対に見せないような動揺をしている。
「おい……団長!まさか……」
正直何をするのかさっぱりだがこの二人の会話を察するに相当やばいことだろう。王国の王女と国一の発明家が手を組めば建国だってできるかもしれない。……流石に無理かもしれないが。だが、見たところ俺や穂乃香、友恵だけでなくハルキとヒナ、それだけでなくアツシまでもがキョトン?としている。
「アオイ……ごめんね……!私たちは……これからっ、これからー」
「海に遊びに行きまああああーす!!!!」
「は?」
その場の空気が凍りついた。
「団長?今なんて?」
ヒナが聞き返すと、ハルカは歯を食いしばってもう一度叫ぶ。
「う、海に遊びにぃぃぃ」
「あーごめん。聞き間違えじゃなかったみたい。もういいよ」
「冷たい……」
何故海に遊びに行くだけでこんなにも覚悟がいるのだろうか……まさかおっそろしく強い魔物が出現する可能性があるからとか……
「くそ……団長め。俺様が船から出れねぇって時に海に行くなんてずりぃーぞ!!」
あーね。そういう感じか……つまり、アオイは海で遊ぶのが凄く好きだがこの城の留守番をしなければならないという使命がある。迂闊に遊んでなどいられないのだろう。え、アオイのキャラが壊れる。
「ごめん……でも、今のこの雰囲気を変えるためには……もう……もう海しかないのよっ!!」
「そんなこと……そんなこと俺様だって分かっている……だが……お前らだけで……そんなの……だが……くっ、仕方がないのか……っ!!」
なんかよく分からない寸劇を見せられているように感じる。よく見れば他の奴らもそんな呆れた目をしていた。
「……くそ!!もう知らねぇ!!……行けよ。行ってこいよっ!」
「ごめん。アオイっ!ってことで皆、アオイの屍を超えて、私たちは海で……遊ぶわよ」
なんか勝手に殺されてて可哀想だが……
「まって、団長。全く意味が分からない」
それに対してヒナが全力で突っかかる。いつもならハルカの意見にイエーイって乗ってくる奴なのに……
「団長……ふざけてるの?もしそうなら私は降りるわ」
「ヒナ、今回この作戦をした理由はそこよ」
「えっ」
さっきまで面白おかしく茶番をしていた、ハルカだったが、今は恐ろしく真面目な表情だ。
「そうやって勝てる勝算もなく突っ込もうとしているからよ。正直、今のこの雰囲気は最悪ね。皆それぞれ違う悩みを持ちすぎている。こんなバラバラの状態で戦いを挑んでも結果なんて知れてるわ。だから、もう一度みんなの気持ちを一つにする、そのための海よ。トモちんなんて出会ったばっかりだし」
「……」
まさかハルカがここまで考えて言っていたとか考えにくいが……流石に一応王国の第二王女様ってだけはあるのかもしれない。
「……ごめん、団長。確かに目的を見失ってたかもしれない……」
「いいのよ。あなたの気持ちは私も痛いほど分かるから。それに戦力も大体整ってきたし、もうそろそろ反撃の時は近いから。それまでお互い頑張りましょう!!」
「うん……そうだよね!こんなとこでくよくよしてちゃあたしらしくないよね……」
ヒナが久しぶりに笑った。なんだか無理をしているような笑みだったが、それでもなんだか嬉しかった。
「さて、この意見に対して他のみんなの意見とかある?」
このハルカの問いかけに対し、反論するものは居なかった。
「よーし。それじゃ、行きますか!!海に!!!!」
「さて、これからについてだけど」
ハルカが議題を発表する。そして周りを見て、皆の雰囲気を確認する。
「やっぱり、この流れは私も最終手段を使う時が来たようね。アオイ……分かっているわよね?」
ハルカは何やら思わせ気味な態度でアオイに言う。それに対してアオイはいつもなら絶対に見せないような動揺をしている。
「おい……団長!まさか……」
正直何をするのかさっぱりだがこの二人の会話を察するに相当やばいことだろう。王国の王女と国一の発明家が手を組めば建国だってできるかもしれない。……流石に無理かもしれないが。だが、見たところ俺や穂乃香、友恵だけでなくハルキとヒナ、それだけでなくアツシまでもがキョトン?としている。
「アオイ……ごめんね……!私たちは……これからっ、これからー」
「海に遊びに行きまああああーす!!!!」
「は?」
その場の空気が凍りついた。
「団長?今なんて?」
ヒナが聞き返すと、ハルカは歯を食いしばってもう一度叫ぶ。
「う、海に遊びにぃぃぃ」
「あーごめん。聞き間違えじゃなかったみたい。もういいよ」
「冷たい……」
何故海に遊びに行くだけでこんなにも覚悟がいるのだろうか……まさかおっそろしく強い魔物が出現する可能性があるからとか……
「くそ……団長め。俺様が船から出れねぇって時に海に行くなんてずりぃーぞ!!」
あーね。そういう感じか……つまり、アオイは海で遊ぶのが凄く好きだがこの城の留守番をしなければならないという使命がある。迂闊に遊んでなどいられないのだろう。え、アオイのキャラが壊れる。
「ごめん……でも、今のこの雰囲気を変えるためには……もう……もう海しかないのよっ!!」
「そんなこと……そんなこと俺様だって分かっている……だが……お前らだけで……そんなの……だが……くっ、仕方がないのか……っ!!」
なんかよく分からない寸劇を見せられているように感じる。よく見れば他の奴らもそんな呆れた目をしていた。
「……くそ!!もう知らねぇ!!……行けよ。行ってこいよっ!」
「ごめん。アオイっ!ってことで皆、アオイの屍を超えて、私たちは海で……遊ぶわよ」
なんか勝手に殺されてて可哀想だが……
「まって、団長。全く意味が分からない」
それに対してヒナが全力で突っかかる。いつもならハルカの意見にイエーイって乗ってくる奴なのに……
「団長……ふざけてるの?もしそうなら私は降りるわ」
「ヒナ、今回この作戦をした理由はそこよ」
「えっ」
さっきまで面白おかしく茶番をしていた、ハルカだったが、今は恐ろしく真面目な表情だ。
「そうやって勝てる勝算もなく突っ込もうとしているからよ。正直、今のこの雰囲気は最悪ね。皆それぞれ違う悩みを持ちすぎている。こんなバラバラの状態で戦いを挑んでも結果なんて知れてるわ。だから、もう一度みんなの気持ちを一つにする、そのための海よ。トモちんなんて出会ったばっかりだし」
「……」
まさかハルカがここまで考えて言っていたとか考えにくいが……流石に一応王国の第二王女様ってだけはあるのかもしれない。
「……ごめん、団長。確かに目的を見失ってたかもしれない……」
「いいのよ。あなたの気持ちは私も痛いほど分かるから。それに戦力も大体整ってきたし、もうそろそろ反撃の時は近いから。それまでお互い頑張りましょう!!」
「うん……そうだよね!こんなとこでくよくよしてちゃあたしらしくないよね……」
ヒナが久しぶりに笑った。なんだか無理をしているような笑みだったが、それでもなんだか嬉しかった。
「さて、この意見に対して他のみんなの意見とかある?」
このハルカの問いかけに対し、反論するものは居なかった。
「よーし。それじゃ、行きますか!!海に!!!!」
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