かてきょらいふ

りゅう

ケーキ














「すばるさん、本当にこんなのでいいんですか?」

「うん。僕1人だけじゃ上手くできないからね。いつきちゃんが作りかたを知ってて助かったよ」

夜ご飯を食べ終えた後、僕はいつきちゃんと一緒にケーキを作っていた。

「さて、と、こんな感じかな…」

完成した苺がたくさん乗ったショートケーキを見て僕が呟く。

「上手くできましたね」

「うん。じゃあ、いつきちゃん、さっそく食べようか」

「え?もう食べちゃうんですか?」

いつきちゃんが驚いた顔をして言う。

「だって今日食べないと作った意味ないじゃん」

「え?」

「いつきちゃん、誕生日おめでとう。ごめんね。本当なら咲やみゆぅちゃん、はなちゃんとも一緒に祝いたかったんだけど…知ったのがさっきだったからさ…」

今朝、家で2人きりになった頃に親がメールで今日いつきちゃんのお誕生日だから祝ってあげてねぇ、と連絡があったのだ。そして僕は慌ててプレゼントを用意したのだがケーキを用意するのを忘れていたのでいつきちゃんと作ることにした。ケーキの作り方を教えてといつきちゃんにお願いする形で…

「いつきちゃん、これプレゼント」

僕はいつきちゃんに今朝慌てて用意したプレゼントを渡す。あまりいいものではないがかなり悩んで選んだので気に入ってもらいたい…

「ありがとうございます。すばるさん、すごく嬉しいです。あの、似合いますか?」

「うん。すごく似合ってるよ。かわいい」

僕がプレゼントしたカチューシャを嬉しそうに着けているいつきちゃん、ああ、かわいい…

「一生大事にします!」

「うん。気に入ってもらえて嬉しいよ。さあ、ケーキを食べよう」

「はい!」

その後僕といつきちゃんは2人でケーキを食べた。さすがに2人でケーキをまるごと食べるのはきつかった…















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