かてきょらいふ
うちのチーム勝てるんじゃね?
「すばるにぃ、ぼーるおいてぇ」
みゆぅちゃんが両手でボールを重たそうに持ちながら言う。うわあ、めっちゃかわいいよこれ…
みゆぅちゃんが滑り台の上に設置されたボールを押し出す。ボールはふらつきながらレーンの上をさまよう。みゆぅちゃんの時だけガーターレーンを上げてもらっているのでそうそうガーターになることはない。みゆぅちゃんが押し出したボールはふらふらとガーターレーンに当たりながら進んでいき全てのピンを倒す。
「すばるにぃ、ぜんぶたおしたぉ、ほめて〜」
みゆぅちゃんが嬉しそうに僕に言う。僕に抱きついてくるみゆぅちゃんの頭をそっと撫でてあげて次もストライクを取れるように頑張ってと僕が言うとみゆぅちゃんは嬉しそうにつぎもがんばりゅと言い滑り台の前に立つ。
みゆぅちゃんが再びボールを押し出す。ボールはさまよいながら全てのピンを倒した。みゆぅちゃんつえー
現在みゆぅちゃんが2連続でストライクを取り我がチームが1位だ。これはもしかしたら…ワンチャンいけるんじゃ…
みゆぅちゃんの次はいつきちゃんの番だ。今思ったけどみんな浴衣姿じゃん。これ無理だろ…ちなみに他のチームの方々はガチなスポーツ着だ。ボールを押し出すだけのみゆぅちゃんは特に支障がなかったが他のみんなは…
僕がそうこう考えている間にいつきちゃんがボールを投げてあっさりとストライクを取る。さすがっすね…
「すばるさん、ストライク取りましたよ」
いつきちゃんがそう言いながら頭を突き出してくる。
「さすがだね。いつきちゃん、次も頑張って」
「えへへ〜頑張ります〜」
僕がそう言いながらいつきちゃんの頭を撫でてあげるといつきちゃんは嬉しそうにそう答えた。
「すばるさん、またストライクでしたよ」
これ、勝てるんじゃね?今のところうちのチーム4連続ストライクのフォースですよ。ぶっちぎりの1位ですわ。これ勝てるだろ……
僕の思いはやる気満々でボールを持つ咲を見てあっさりと崩壊した。……選手交代!咲に変わっていつきちゃん…
当然そのような選手交代が認められる訳がなく咲の番になってしまった。頼むから、ストライクじゃなくていい、スペアじゃなくてもいい…だけど頼むからせめて5本…いや、7本は倒してくれ……咲さん、お願いします!
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