かてきょらいふ

りゅう

くじ屋














「すばるさん、あれは何のお店ですか?」

いつきちゃんがすごい人集りの店を指差して尋ねる。

「ん、あれはくじ屋だよ。くじを引いていい番号がでたらいい景品が貰えるんだ」

はっきり言おう。世の中にあるくじ屋の大半は当たりの入っていない詐欺店だ。だがこの祭りの主催は商店街、屋台もほとんど商店街の人が開いている。その屋台の中に当たりが入っていないくじ屋があるという噂が広まれば商店街のイメージが悪くなる。よってこの祭りのくじ屋にはちゃんと当たりが入っている。ほぼ毎年当たりを引いてる人がいるしな…せまい商店街だから当たりが出たという噂はあっという間に広まる。そして当たりが出たくじ屋からはあっという間に人がいなくなる。当たりがないくじ屋なんて誰もこないからね…仕方ない…

「今年はまだ当たりが出てないみたいだな…くじ引いてみる?」

「引いてみたいです!」
「みゆぅもひてみたい」

2人の返事を聞き僕達はくじ屋の行列に並ぶ。今年の大当たりは家庭用ゲーム機が2つか…まだどっちも引かれてないな…

さて、いよいよ僕達の番が回って来た。僕達はくじ屋の屋台を出しているおもちゃ屋のおじさんに4人分のお金を渡す。先程お小遣いを全部使った咲は見学だ。どうでもいいけどこの商店街老人多くない?

「あーはずれか…」
「私も…はずれ…」

僕とはなちゃんははずれのくじをおじさんに渡して景品をもらう。

「あの…すばるさん、当たりました」
「みゆぅもあたたよ」

………まじですか…あっ、本当に2人とも当たってる。祭りはまだ始まったばかりよってくじ屋のくじもかなり残っていた。くじ屋のおじさん涙目だぞ……すみません。

「すばるさん、帰ったらこれで遊びましょう」
「あそぶ〜」

いつきちゃんとみゆぅちゃんは満面の笑みを浮かべて僕達に言う。その頃にはくじ屋の前から人がいなくなった。あっ、おもちゃ屋のおじさんが店じまいの準備してる。すみません、本当にすみません。一番くじでまだ全部残ってる状態でA賞を引いてしまった時のような罪悪感だ。いや、こっちは何も悪くないんだけどね…

僕は心の中でおじさんに何度も謝りながらその場からさっさと逃げ出す。















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