かてきょらいふ

りゅう

浴衣













「……どう、似合う?」

咲のおやつ製作事件が起こった日の夕方、自分が作った料理を食べて気を失っていた馬鹿が僕に尋ねる。

「馬子にも衣装かな…」

「………馬鹿にしてるわよね。絶対馬鹿にしてるでしょう」

ご名答でございます。まあ、ぶっちゃけ浴衣を着た咲はかなり可愛かった。

「あの…すばるさん…私はどうですか?」

「咲とは違ってすごく似合ってるよ」

僕は浴衣を着たはなちゃんにそう答える。

「をい、今なんて言った…」

あっ、やばい結構怒ってるみたいだしこれ以上咲を刺激するのはやめておこう。

「すばるさん…私たちはどうですか?」

「いつきちゃんもみゆぅちゃんもすごくかわいいよ。よく似合ってる」

「う…嬉しいです。すばるさんにかわいいって言ってもらえて…」

いつきちゃんが顔を赤くしながら言う。

「みゆぅもすばるにぃにほめてもらえてうれしいお〜」

「さて、そろそろ時間だし私は会社に戻るわね。みんな、夏祭り楽しんでらっしゃい…あっ、これみんなにお小遣い…これで祭りを楽しみなさい」

みんなに浴衣を着せた母さんはそう言いながら全員にお小遣いを配り去って行った。慌ただしい人だな…

そう、今日は年に1度の夏祭りだ。これが楽しみで今日の模試を頑張れたと言っても過言ではない。

「じゃあ行こうか」

僕はそう言いながら家を出た。みんなも僕に続いて家を出る。しっかりと家の鍵をかけて祭り会場の商店街に向かう。















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