かてきょらいふ

りゅう

怖い…












「いつきちゃん、頑張って〜」

「はい!頑張ります」

僕が椅子に座っていつきちゃんに声をかけるといつきちゃんは嬉しそうに僕の方を振り向いて言う。そして走りながらボールを放り投げた。

「「え!?」」

いつきちゃんがボールを投げたのをみて僕と咲は驚いた。いつきちゃんが投げたボールは放物線を描きながら隣のレーンに侵入、そして隣のレーンのピンを全て倒した。

「すばるさん!やりました!全部倒しましたよ!」

いつきちゃんが嬉しそうにはしゃぎながら僕の元へやってくる。隣のレーンでボーリングをしていた人はぽかーんとした表情でこちらを見つめていた。すみません。

僕は隣のレーンの人達に謝りいつきちゃんに隣のレーンのピンを倒しちゃダメだと説明する。

「まさか隣のレーンのピンを倒すとは思わなかったわ…」

いつきちゃんが再びボールを持ってレーンの前に立ったのを見て咲が僕に言う。

「すばるさん!今度はちゃんとやりますから見ててくださいね!」

「うん。見てるから頑張って!」

僕の返事を聞いていつきちゃんは走りだしてボールを放り投げた……のだが…いつきちゃんが投げたボールはピンとは正反対の方向…つまりいつきちゃんの後ろに座っていた僕達の方目掛けて飛んで来た。

「あぶな……」

ボールは咲の目の前を通り過ぎて後ろの壁に直撃した。

「ねえ、すばる…この子をボーリングに連れて来たのは失敗だと思うんだけど…」

咲が顔を真っ青にして言う。いつきちゃんは咲に大丈夫ですか?と聞きながら咲の周りをチョロチョロしてる。かわいい…けど怖い……

「いつきちゃん、僕が投げ方教えてあげるからもう一回やろうか…」

ちなみに一回目は隣のレーン二回目は後ろにボールを飛ばしたためいつきちゃんのボールを投げる回数は一度も減っていない。僕がいつきちゃんと一緒にレーンの前に立つと咲が後ろから「あんた、自殺でもしたいの?危険だから今すぐその子から離れなさい」と失礼なことを言っていた。

たしかにかなり怖いです……















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