かてきょらいふ

りゅう

眠いです…













「あっ…すばるさん…おはよう…ございます……」

僕が昨日いつきちゃんとした朝ごはんを一緒に作ろうという約束を守るために早起きして台所に向かうとすでにいつきちゃんが冷蔵庫から食材を出して料理の準備をしていた。いつきちゃんの目の下にはクマができていてすごく眠そうだった。

「お、おはよう…昨日はよく寝れた?」

「咲さんのいびきがうるさすぎて寝れませんでした……」

あっ、そういうことか……たしかに咲のいびきは昔からうるさい。幼稚園でお泊りした時なんか咲のいびきがうるさすぎて周りの園児が寝れなかったため一人先生に連れられて別室で寝たくらいだ…あと、小学生の時、授業中に寝た咲のいびきがあまりにもうるさくて先生が注意したのだがそれでも咲は眠るのを辞めずにいたせいで咲の母親が学校に呼び出しをくらったこともあった…

「大変だったね…お疲れ様…」

「すばるさん…お願いですから今晩はすばるさんの部屋に……」

いつきちゃんが目に涙を浮かべながら僕に言う。こんなことを言ってしまってはいつきちゃんに悪いがすごくかわいい…僕のパジャマの袖を掴んで目に涙を浮かべて僕をじっと見つめるいつきちゃんはまさに天使のようだった。

「とりあえず後で咲を説得しないとね…でもあいつ自分のいびきがうるさいって自覚がないんだよな……」

「迷惑な人ですね…」

いつきちゃんが引きつった笑みを浮かべて言う。小学生に迷惑な人と言われる高校生って……ちょっと可哀想だな…

「とりあえず、朝ごはんを作ろうか…ちょっと待ってて着替えてくるから…」

「わかりました。じゃあ、軽く準備だけしときますね」

「うん。任せた」

僕はいつきちゃんにそう言い部屋に戻る。さすがにパジャマで料理をするのはあれだしな……

着替えを終えた僕は再び台所に向かう。途中、客室の前を通ったら咲のいびきが聞こえてきた。どうやらまだ寝ているみたいだ…















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