かてきょらいふ
む、むずかしい…です。
「さて、夜ご飯も食べたし、少し遊ぼうか…」
「遊ぶんですか?でも何をして…」
「うーん、とりあえず何かやってみたいゲームとかある?」
僕はそう言いながら押入れの戸を開き中からいくつかボードゲームを出して尋ねる。最近友達と学校でよくボードゲームをしているので結構な数のボードゲームを所持していた。
「たくさんあるんですね…あっ、これこの前テレビでやっていたのを見たことあります…」
いつきちゃんが9マス将棋の箱を指差しながら言う。
「じゃあ、それにする?」
「はい!」
さっそく箱の中から9マス将棋用のボードと駒を取り出していつきちゃんにルールを説明する。まずは初心者用の配置で始めることにした。
9マス将棋のルールは普通の将棋とあまり変わらない先に王を詰ませた方が勝ちだ。
今回の配置は自分から見て一番左のマスに王を置き真ん中に銀、右に歩を置く型だ。持ち駒はない。
「じゃあ、始めようか、僕から打つね」
「わかりました」
僕は歩を一つ前のマスに置いた。いつきちゃんは僕が置いた歩の駒を銀でとる。僕はいつきちゃんが置いた銀を銀でとる。いつきちゃんは僕が置いた銀を王でとった。僕は自分の王の横に銀を置くといつきちゃんは王を1つ後ろに下げた。僕が銀を1つ前にだすといつきちゃんは王を前に進める。僕は銀で歩をとるといつきちゃんは銀と王の間に歩を置いた。僕は歩を王でとりいつきちゃんは僕側の真ん中列に銀を置いた。僕が王を1つさげるといつきちゃんも王を1つさげる。僕が銀を王でとって詰みだ。
「負けました……」
「初めてのわりにはかなり上手かったよ」
「そうですか?あの、もう一回やっていただけませんか?」
どうやら9マス将棋がかなり楽しかったみたいでいつきちゃんは僕に再戦を申し込んできた。
「いいよ。じゃあ次は駒を変えてやってみる?」
「はい。そうしたいです」
僕といつきちゃんは銀の駒を角に変えて再び9マス将棋を始めた。その後数時間ずっといつきちゃんと9マス将棋をやることになるとは思わなかった。
「また負けましたね……すばるさん強すぎです…あの、もう一回」
「うーん、今日はもう遅いしまた明日にしよう」
もう時刻は10時になっていた。良い子はすでに寝る時間だな…
「そうですね。今から明日が楽しみです!」
いつきちゃんが満面の笑みで僕にそう言う。かわいいなぁ…
ちなみに今日の戦績は24戦24勝だった。いつきちゃんは筋はいいんだけど取った駒を上手く使うのが苦手みたいだった。
「恋愛」の人気作品
書籍化作品
-
-
969
-
-
17
-
-
1978
-
-
6
-
-
20
-
-
4405
-
-
141
-
-
125
-
-
15254
コメント