最強の魔術師とヘタレ主人公の波乱の日常

白馬優

第六章 地獄の補修特訓と学園に潜む暗殺者

僕達は再び学園に戻るため。転移門を潜ってルミアと僕は故郷に別れを告げた。
そして僕達は東京にある私立魔科学未来学園に戻ってきたのだった。無事に戻って
来られて一安心といった状況の中で僕達はそのまま歓喜の声を上げていると。
そこから反響するデカイスピーカーの音が校内に響き渡り、耳が悪くなりそうなノイズ
混じりの音を聞くと、すぐさま補修室に集まるようにとの伝言だった。僕達はすぐさま
事の状況を理解して、補修室に移動を開始して、たどり着くとそこには鬼教官である。
白石玲子先生が鬼の形相をして僕達を待ち受けていた。
「やぁどうやら私の声が脳髄まで響き渡ってようやくここまでたどり着いたようだな」
「はぁ~それはどうも」
「うん。何だ?その間抜け面は。お前らは学園のクズいわば底辺のクソ野郎だ
 それを理解しているのか?」
「それはどうかと僕はともかくルミアは」
「あぁこのお嬢様気取りの奴か。こいつは一見優等生っぽく見られがちだが、授業を
何回も欠席している。挙句成績は落ちる一方だ」
「えっそんなルミアがそんなわけ」
「いや残念だが白石先生の言うとおりだ」
「そんなルミアまで」
「ふん。お前もだぞ成績が悪いのは二人共底辺のクズ野郎ってわけだ。這い上がりたいのなら
 この豚小屋からさっさと地獄の特訓を潜り抜けることだな。そうでないと一生私のパシリだぞ!分かったなお前達」
「はい分かりました」
「了解した。私もこの地獄の特訓に参加させてもらう」
「ならいけお前たちの豚小屋にほらさっさとしろ!」

俺達は先生に足蹴にされながらも補修室の豚小屋に案内されるのであった。
だがそこからはもう地獄の特訓の前に先生からの長い愚痴と暴言の連発に
僕達は喪失し。そのままきつい筋トレの数々。魔法とは一切関係なく体力
強化のそれはもう厳しい修行の連続で、僕達は体力が赤ゲージに突破する程
に痛めつけられるように全身の筋肉痛による悲鳴に悶え苦しんでいた。
そして勿論それだけではない。夏休み明けの学力テストに向けての頭脳テスト
60問を答える筆記試験が行われた。だが誰もがほとんど答えられない状態で
先生からの熱い地獄の指導が待っていることは目に見えていて、僕達は居眠り
しつつも先生からの暴言暴力に耐えしのぎ。なんとかこの地獄の特訓プラス。
筆記試験と講習を乗り越えたのであった。

「いや白石先生マジきつすぎるわ。将来ずっと独身だろうなあいつ」
「もう琢磨くん。先生をあまり小馬鹿にすると怒られるわよ」
「なぁ颯真お前はどう思った今回の補修。俺は正直飽き飽きなんだけどさ」
「俺はまぁこういうの。初めてだしあれだけど、きついよやっぱり」
「だろうだからさ。今度俺たちで二人でさ。作戦組んで逃亡を図らないか」
「もう琢磨くん!」
「なんだよ。綾瀬。お前だって補修嫌いなんだろう」
「私は。私はただ。白石先生からは逃れられないって忠告したいだけ。琢磨くんさ一人で
逃亡図ろうとした時。すぐにとっ捕まえられて、散々白石先生に殴る蹴るの暴力振るわ
せられたばかりじゃない」
「あれはあれ。今は今だろうだからさ」
「むぅーもう知らない琢磨くんのこと嫌いになった」
「おい待てって綾瀬。颯真またな。おい待てって綾瀬!」
はぁ~先が思いやられるような。けどあれだけのことを受けていたら流石に皆しんどいだろうな。
でもこの補修には意味があるのだろうか。僕は白石先生の授業を受けていた時。流石に地獄の特訓であるが故に息が詰まる思いをしていたけど、異界の脅威に比べれば怖いとは感じなくなって
いた。だがあの時の恐怖心は拭いきれないほどだった。辛かった歯がゆかった。そんな苛立ちが
脳裏をよぎった。現実は甘くはない。たまたま助けがあったから乗り越えられた。じゃなきゃあの場で僕とルミアは死んでいた。もうあんな思い二度としたくない。だから俺は強くなろうと決心したのだ。それと学園に戻った時の俺は前の時とは違って沢山コミュニケーションを取れるように成長していった。どんなことがあってもチームワークよくなれるように。だけど、あんなに
独りよがりだった僕が積極的に他人への関わっていきたって感じるようになれた。けどだけどその先に待っていたのは大きな不運の連続だった。地獄の補修は毎回のようにやってきた。辛かったけれどそれ以上に怖い恐怖は放課後にやってきた。

「ねぇ颯真くん。琢磨くん見てない。一緒に校門の前で集合して一緒に帰るはずだったんだけど」
「琢磨くんがそれって、あの綾瀬さん琢磨くんに連絡は」
「それが電波の届かないところにいるらしくて繋がらないの」

誰かが電波を妨害して、彼を危ない目に遭わせていると悟った僕は綾瀬さんに。今すぐルミアを
呼んでと言い残し。その場を立ち去りクラスメイトであり親友の琢磨の姿を追うのだった。けれど校内の外のグラウンドを探し回るにもどこにも姿はなく。校内を探し回ってもいなく。最後は
屋上にたどり着くのだった。すると暗い公園がある地点から少しだけライトの明かり救難信号を送る合図のように見て取れた。僕はすぐさま行動を再開した。だがその地点まで徒歩で向かうにも時間がかかるどうにかあそこまで転移できないものかと考えた矢先ルミアが屋上に姿を現すのだった。

第一話 迫りくる刺客。狙われたクラスメイト

「遅れてすまない。今現在の状況は綾瀬から聞いている。それでだ琢磨の居場所は分かったか。
「あぁ多分恐らくだけど学園近くの公園にいるかもしれない」
「では急ごう。颯真私の手を取れ。そこまで飛ぶ」
「大空を使いし守り手よ。我に力を貸せ。ウィングトルネード」

突然周囲に竜巻が発生し。散らばる木の葉が舞うように僕達を上空へと引きずり込み。
そのまま公園まで僕達は爆風に巻き込まれ公園の地面にそのまま着地するのだった。
それにしてもその衝撃ときたら体のあちこちが痛くて、痛くてたまらないほどで
もうちょい上手い移動手段はなかったものかと思い知らされたのだった。

「ルミア。公園まで来られたのは良いんだけどさ。もうちょっとマシな移動手段
なんてなかったのかな」
「颯真今はそんなこと言っていられる場合か人名救助が最優先のはずだ」
「それはそうだけどどうやって探すの」
「簡単だ。もし相手が魔女の類ならば探知魔術を使って痕跡を探ればいいのだが、
今回の場合はそれがなくていいようだな」
「どういうこと」
「颯真何か臭わないか」
「いや別に」
「そうか。そういえば魔獣の匂いを嗅いだことは颯真にはまだなかったのだな」
「あぁ」
「これは魔獣の残り香だ。だとすると近いな。ここの辺りか。
しかししまったな。どうやら私達はもうすでに囲まれているようだ」
「周辺に魔獣の気配がしかも囲まれているだと」

魔獣との戦闘経験が少ない颯真にとってこの危機的状況を打開する狗肉の策はただ目に見えない敵に対して剣術で切り抜けるしかないだが、この暗闇に相手の気配を読み取り、突破口を開くなどという技量があるだろうか、ないといえよう。だがルミアには長い間に培ってきた。魔獣
狩りで得た経験もあり気配なども感じ取れるほどに敏感になっている。だが目に見えない敵は
厄介と見るべきだ。

「暗くてよく見えない。どうすればいいんだ」
「颯真安心しろ。私がなんとかする。聖なる光よ。私達の道を照らせ。ライトフローラ」

すると僕達のところに光が宿るかのように周辺が眩い光に覆われるのだった。
そして颯真でも魔獣が僕達に獰猛な牙と赤い鋭くも醜い眼光を見せつけて威嚇している
ことにようやく気づくのだった。

「気をつけろ。魔獣は獰猛で手ごわい。それに一度あの牙に喰われればお前は猛毒を浴びて
 痺れが全身に周り動けなくなるだろう」
「魔獣はそんなに恐ろしいものなのか」
「あぁそれにこの数。まるで私たちを最初からおびき寄せるためのものではないか。どうやら適さんはよっぽど私達を殺したいのだろう」
「ルミア下界は大丈夫じゃなかったのかよ」
「いやそうではない。すまん颯真また迷惑をかけるな。私がこのペンダントが消されるか私が殺されない限り、魔女からは逃れられない。だから怖いなら逃げろ。そうすればお前だけは助かる」
「そうはいかねぇよだってさ。俺はお前の契約者だし。乗りかかった船だからさ」
「ふん。言うようになったな。颯真では行くぞ。死ぬなよ」
「あぁ」

どんなに残酷な道が僕達を阻もうとも僕は恐れずに立ち向かう決心をした。俺がルミアの支えになると決めてから僕は後ろを向かなくなっていた。例えその先に僕達の死が待ち受けていたとしても僕は命に変えても抗い諦めないということを誓った。
魔獣は僕達に容赦なく襲いかかった。僕は剣術でばっさりと多くの魔獣の骨の髄まで切り裂く
ように血を浴びながらもまるで戦国武将のように目の前の敵を一網打尽に潰していった。
一方ルミアも僕を援護するように魔獣を一匹残らず。膨大な火炎魔法を打っ放し。魔獣を
消し去っていった。だが二人の消耗も激しくあっという間に体力もマナも費やしてしまい。
もう戦い気力すら尽きそうになっていた時だった。

「ルミア。颯真さん私が助太刀に来ましてよ」
「ルミアお前」
「あぁ念のため助太刀してくれる仲間を呼んだのさ。こんなことも。
あろかと思って」
「ルミアさん颯真さん今助けます。待っていてください」
「呼んだってどうやって」
「この呼び笛だよ。それにあの子はああ見えて直感が鋭くてな。
 どこかで騒ぎが起こっていることを嗅ぎつけたのだろう」
ルミアの意見は的を射ていた。
実は学園内でも同じように騒ぎが起こっていた。それを颯真とルミアは知らないが、
そこで戦っていたのは兄。矢島藤五郎の弟矢島藤吉郎とその相棒でもある。魔術師。
東郷未来が頑張って魔獣と思しき。大型のゾウに思しき魔獣と戦っていた。
だが気配から察するに二人も正気の沙汰ではないほどに困窮を極めていたのは確かだった。
けれど二人とも実戦は初めてながらも。チームワークよく回っていた。頭が回らない
矢島藤吉郎のサポートに頭の冴えが切れる東郷未来の的確な指示伝達により撃破に成功。
魔獣はたちまち消え去った。その様子を陰ながら見ていた。
綾瀬ははっと我に返り琢磨のことを思い出し。探すのに協力を得ようと矢島藤吉郎と
東郷未来に訪ねてみることにしようとしたその時だった。遠くからキーンと耳鳴りの
ように冴え渡る笛の音色が耳元につんざくように響き渡った。そしてその音に見覚えが
あった綾瀬は直様その音の方角へと全身の魔力を放出し頭の中で思い描いた方角へと
転移魔法を放ち。公園へと転移を成功させたのだった。
「綾瀬はあぁ見えて頭が切れるそして私の居場所などこの呼び笛があれば十分過ぎる
くらいだ」
「そんなルミア様に褒められるほど私は優秀ではありません。たまたま笛が鳴る
方角を予想できたのは近い範囲に音が反響していたからです」
「いやそんなことはない。お前が私の呼び笛の場所の範囲を特定出来ただけでも十分
な成果だ。あとはここを突破するのみ。綾瀬すまないがお前の突破口を開いてくれないか
この魔獣共を蹴散らしてやれ」
「でもそんなことしたら」
「大丈夫だ。あとは私と颯真に任せるがいい。必ず琢磨を連れ戻す」
「綾瀬ありがとう。本当はこんな危険に君を巻き込ませたくはなかったけど、今は
 俺たちの助けには君の力が必要だ。すまないが力を貸してくれないか」
「私の力など微々たるものですが、琢磨さんを命懸けで助けてくれるのなら。私も
 貴方達のために命を懸けても全力でサポートします!
「私にできるのはそれだけですから。後は頼みます!」
「あぁ」
「おう!」
この世の中というものはやはり不穏な現実に満ちている。だがそれを打開することが、
今は最優先だ。どんな運命だって乗り越えてみせるって変えてやるって決めたあの日から
僕はルミアの支えになるって決めた。でも今は違うルミアだけじゃなく皆と繋がりたい。
もっと多くの皆の支えになりたい。そう俺は今初めて思うのだった。
「待っていろよ。琢磨俺とルミアが絶対助けてやるから」
そう自分の心の奥底に言い聞かせながら。綾瀬が道を作ってくれた先に
琢磨が生きていると信じてただ真っ直ぐに本体である敵を討つことだけに
神経を尖らせるのであった。
だがそこで僕達は待っていたのは現実で重く。
そして酷く残酷なものだった。
「あら遅かったわね。もう友達の余命は残りわずか。もうじき死ぬわよ」
「貴様。貴様は己がやっていることに慈悲を思う気持ちなどないのか」
「ふん。たかが一人の人間が屍となったところで、世の中が変わったりは
しないのだよ。現実は何一つね。そうでしょルミア」
「異教徒目私が殺す」
「そうでしょうね。貴様はあのロザリアにそっくりだ。けれどもう限界なのだよ
君はその呪いがある限り。私達には逆らうことも出来ない」
少なくとも下界なら異教徒に襲われることもない。そんなはずはなかった
やはりあの時僕はペンタンドを無理矢理でも彼女の手から引きちぎってでも
投げ捨てるべきだった。けれど僕はルミアが大事にしていた母親の形見である
そのペンダントを投げ捨てる資格などないのだと思い諦めてしまったのだ。
だからやはりまだ僕は無力だということの現実をただ受け入れるしかないのだと
思うしかなく。ただルミアに泣き叫び敵に猛進するしかなく。それでも勝てないと
わかったとき僕はあの時と同じように絶望に悲鳴を上げるしかなくなっていた。
「どうして、どうしてこうなるんだよ。俺は変わる覚悟を決めたはずなのに
 何で変化すらしない。俺は運命を変えるために強くなったはずなのに」
「うん君は確かに強い力を得たようだけど力の力量は私には及ばない程度だし。頭も
私よりか回らない。すぐに先が読めてしまう。だから君は無力なのだよ」
「俺には誰も救えないのか。俺には、俺には何も」
「そうだよ。颯真君だから君はここで」
「そうはさせません」
その時僕の前に現れたのは命懸けで僕達の道を作ってくれた。綾瀬だった。
彼女は目に大粒の涙を流しながらも鋭い眼光で相手を見つめていた。
勝機すらないと見えていたとしても・・・・
「君はどうしたいのかい。彼らの身代わりにでもなりたいのかい」
「私は誰かが死ぬのなんて見たくもないし。死んでしまったら私も死ぬかも知れないくらい
落ち込んでしまう。そんな気持ちを貴方は知っていますか?」
「きっと知らないでしょうね。きっとなんとも思わず人を殺してしまうのでしょうね
 けど私達は知っています。だから貴方を許せない。」
「本当は人である貴方もそう思ったことがあるのでしょう」
「うるさい。うるさいな。小娘。こうなったら皆皆殺しにしてやる」
「そこまでだ」
とその時だった。首筋に鋭い槍が突き刺さったのは。敵はその首筋を見るなり
膠着したまま。身動きがとれない状態になり深い眠りにつくのだった。
駆けつけてくれたのは学園の先生方ではなく。特殊部隊である新鋭部隊だった。
僕達は見たことのない人達にただ手当をしてもらいながら。なんとか解放された
気分だった。だが問題はもう一人捕縛され衰弱死もままならないほどに追い詰められ
ていた琢磨の容態だった。救護班の手でなんとか最大限の緊急手当が直様行われ。
なんとか意識を保つことは出来たものの。回復までには一日はかかると診断された。
それを聞いて安心していられなかったのは綾瀬本人だった。彼女は琢磨に抱きつくように
涙を流しながら救護班の人たちに頼みます。どうか助けてあげて下さい。琢磨は私にとって
も彼らにとっても大切な人なんです。と強く何度も言っていた。
結局僕達は何もできないままだった。親友の無念を晴らすことすらも。あんなに頑張って
立ち向かおうとしたのに。抗うことすら出来ず。敵に致命傷を負わせることなど、出来も
しなかった。これが現実というものなのだろうか。僕とルミアはそして綾瀬もその絶望感
に喘ぐしかなく。その日の一夜を過ごすのだった。ただもっと早く救い出すことが出来れば
こんなに誰かが苦しまずに済んだのにと後悔の思いを馳せながら・・・・

回想 戦いのあとの僕らは・・・・
琢磨は無事になんとか学園まで送られて緊急治療室でなんとか意識を保ったまま。
一命を取り留めることができた。綾瀬はそんな彼に付き添って、涙を流しながら
ずっと過ごしていた。そして琢磨が目を覚ます頃には綾瀬も寝ていて、自分が
まだ生きている実感を保てない。琢磨はただそばに寝そべっている綾瀬を起こさない
よう起き上がり、こういった。
「お前が俺を助けてくれたのか」
とただ一言だけ呟くのだった。その言葉を聞いた綾瀬は何かを感じとったのか
起き上がり、いつもの琢磨がそこにいるのを感じて抱きつくのだった。
「おいお前どうしたんだよ。急に」
「だって・・・だって私・・・琢磨君が死んじゃうかもって・・・すごく・・・
 すごく心配だったんだよ」
「俺が死んでしまうって。そうか長い間心配かけちまったんだな。お前にも」
「もう他人事じゃないよ」
「分かったって。分かったからさ。もう泣くなよ」
無事に生還して命を取り留めることが出来た。琢磨だったが、その頃僕達は元気な姿
を取り戻していた琢磨の様子を見てほっとしたのか、僕達もその場を後にして、
人気のいない屋上に行くのだった。
「良かったっていうべきなのだろうか」
「とにかく助かったのだからいいではないか」
「俺は無力だった。あの時の僕は何の役にも立てなくて」
「それは私も同じだ。颯真この呪いがある限り私も無力なのだ」
僕達は琢磨が助かったことに喜びを感じることすら感じられないままだった。
それは無力な自分達を思えば思うほど深く。心が引き裂かれるくらいに
惨めなもので、僕達はあの時助けになる努力はしたもののそれが報われる
ことなどないという現実を突きつけられたことに僕とルミアはただ呆然と
この空虚で静寂な空間でただ空を見上げていることしかなかった。そして
ただ届かないあの太陽に手を伸ばすことすらも出来ないまま。僕達は嘆くだけ
しか出来ないのであった。そしてただ時間は過ぎていき。地獄の補修に終わりは
なく。僕達はまた同じ日々を繰り返すことに違和感を覚えずには居られなく
なっていたのである。

第2話 問いただされる現実と先生の思惑は
僕達はまた地獄の補修が始まって以来。鬼教官白石玲子先生の
厳しいトレーニングと講義があり、僕達はまた齷齪しながらも
どうにか10日間それに付き合わされることとなり、精神ともに
体力も尽き果てるくらいに。全身が痺れるような筋肉痛が迸ったり
又知識を頭に叩き込む余りに。それがストレス状態にまでなり精神を追い詰められ
パンクしていった。僕達はまるでハイエナのように餌に食らいつくかのように。
呆然と前を見据えながら。とにかく覇気のない声で頑張ろうと気合を込めながら。
スパルタ補修を乗り越えるのだった。クラスメイトと何食わない愚痴をこぼしながら。
「全く玲子先生ってさ。厳しすぎるんだよな。全く美人で巨乳なのに台無しだよ」
「お前さそういうこと玲子先生の前で言えるのかよ。確かに厳しすぎて、もう
 精神的にも体力的にも耐えられない部分はあるんだけどさ」
「ならよ。颯真俺と一緒に逃亡しないか。こんな腐ったような補修授業続けられるかよ。
 大体さ。こんなスパスタ補修は教育上問題があるだろ」
「確かに俺もそう思った。かえって問題が明るみになれば大変なことが起こるんじゃないかって」
「あぁだよなけど何で問題にならないんだろうな。全くよ」
「綾瀬もルミアもそう思うだろう」
「私は先生にも考えがあってと思うな。ルミアさんは」
「私も綾瀬と同意見だ。だがしかし教育上これは問題になりかねないものだと
 私も思う」
生徒の大半が先生への講義も辞さない考えであることは明確だった。
何故ならば玲子先生は生徒の反発の声など聞く耳をもたないかのように
暴言。暴力をふるっては。大半の生徒はついていけなくないり。落ち込み
ながら大声で涙を流し嘆く生徒もいた。教育問題にならないわけがない。
きっと理事会かなんかで問題になるだろうということが頭に入っても仕方の
ない自体だ。だが玲子先生は悠々としながら、いつもと同じように。生徒達
に厳しく接することを厭わず。生徒が涙を零すも甘えた言い方など一切しない
そんな先生だった。
だがその裏では玲子先生を冷たく冷ややかな目で見る教員も多数いた。問題が
教育上良くないとされ批判反発の声すらも上がろうとしていた。そこである時。
教育審議会の審判を務める理事長が白石玲子先生と面談する場が設けられるの
であった。

「玲子先生いい加減にしてはどうですかな。この教員が問題となったら
学園の評判はガタ落ちですぞ」
「そうであろうな。私がこの学園にいるせいで評判もガタ落ちであることは
 分かるっている。辞任も辞さないつもりだ」
「どうしてそこまで自分勝手な教育方針で生徒たちにそこまでして厳しいのですか」
「それは私が幼い頃に受けた屈辱があったからだ。理事長は生徒には優しくて甘い面
がある。だが私は違う。甘えた教育など現実では無意味なことだと知っているからだ」
「どうしてそこまで」
「教育委員会の審議会で私が処罰を受けようとも構いません。辞任に追い込まれても
仕方なのないことかもしれないです。ですが、私は自分の教育方針を変えるつもりも
ありません。そのことだけはどうかご理解下さい」
「ですが白石先生貴方がしていることは生徒達の身に」
「分かっています。責任は全て私が背負いますから。そのつもりで
 お願いします」
「ちょっと待ちなさい。白井先生!白石先生。まだ話しは終わっていません」

白石玲子先生の過去にあった出来事それは。両親を無差別にも殺めた魔女との遭遇が
あったからだった。幼い頃の白石先生は。その時抵抗することも出来ないまま。影で
蹲りただ自分だけが必死で生き残り見守るしかできなかった。そんな無力で何も出来ない
自分に嫌気がさして、日本を襲撃し多数の犠牲者を生み出したアーロンとして謎の生物に
立ち向かうべく。白石先生も私立魔科学未来学園に通い始めるようになる。そして優等生
でありながらSクラスに入れるようになり、卒業後は特殊部隊に配属されることとなり、
エリート魔導師として日々活躍していた。だが、いつしか特殊部隊を辞任して、信頼できる
仲間に別れを告げた後。そのまままた学園へと戻ってきた。理由はただ一つ。自分の身勝手
な考えだが、現実は甘くないということを未来背負う若者に警告するためだった。アーロン
という謎の生物は不可思議なことばかりで謎に包まれている部分が多い。だが一つだけ分かって
いることがある。それはヘタをすれば死の直前まで追い詰められ死んでしまうということ。それを白石玲子先生は部隊に所属していた最中に思い知った。仲間意識が高く誰からも好かれていた
若い男の兵士がアーロンに食われ死んでしまった。それは酷く哀れな最後の姿だった。その人を
守れなかった屈辱は白石玲子先生には身にしみて分かっていた。何故ならば先生はその人をこよなく愛していたからだ。彼がいなくなってから白石先生は震えて特殊部隊での活動に貢献すら
出来ずにいた。そして最後に引退を決意した時に私のようになってはいけないと自分に言い聞かせて、教師になることを決めたのだった。
だがそれでも現実はそう甘くはない。自分のしていることはただのスパルタ教育であって、
生徒自身をせめている虐待行為そのものに及んでいることは目に見えた事実であって、それを
拒否することを断定も出来ない。だが自分がしていた過ちがこうやって学園内を揺るがしている
自体に白石先生は深く落ち込んでいた。勿論それは生徒達も一緒だった。ごく少ない
生徒は別な考えを持っていたようだが・・・・

「ルミア急に俺たちを部屋に入れて良かったのかよ。ここ女子寮だろう」
「大丈夫だ。用が済めばばれずにお前たちを男子寮に返すことだって可能だ。
それよりも白石先生が少し心配でな」
「はい私もそれが気がかりで仕方ありません。抗議行動が加速して生徒達が暴動
を起こすのも時間の問題かと」
「あぁそうだ綾瀬の推測も一理ある。だが問題はそれを防ぐためにどう私達が
 働きかけるかだ」
「良いんじゃねぇのかよ。別に放っておいても俺は白石先生のこと今でも嫌っているし。
 学園からいなくなればいいと思っているからさ」
「ちょっと琢磨くんそれはあんまりなんじゃない」
「綾瀬はいいようなそうやって優等生ぶっていられてさ」
「もうなによ。私だって好きでこうしているわけじゃ。ともかくきっと白石先生も先生の
考えがあって私達に厳しく指導しているんじゃないかな」

だがこのまま先生の独断のスパルタ教育が加速していくと、生徒達の不平不満をかうように
なって暴動が起こるのも時間の問題なのかもしれない。だがなぜ白石先生は自分に責任追及が
向けられるのを敢えて受けいれているかのように。生徒達の不平不満をかってでも。自分の教育
方針すらも変えずに補修授業を受け続けていられるか。それが疑問点の一つでもある。確かに
生徒達に厳しく接するということ自体別に間違っている行為ではない。だが白石先生は厳しい
というよりは度が過ぎている行為自体が問題なのだ。先生のプライドもあるのかもしれないが、
普通は節度を弁えての行動をするのが鉄則であろうに。あえて先生という立場を利用して、自分
の考えて敢えて厳しすぎるスパルタ教育指導をしているのが妙に引っかかって仕方がない。
先生の心が読めるのなら一度その真相を知りたいくらいだ。

「なぁ颯真お前はさっきから私達の言っていることに否定も批判もしていないが、お前は
 この問題をどう推理する」
「確かに白石先生の教育方針には反論すべき点もあるが、なぜ先生は自分の教育が悪い見本で
あるのにそれを実力支配しようとしているところが妙に疑問に思うところで、僕達は肯定も否定
も出来ないんじゃないかって。例え僕達が白石先生に反論しようが多分。先生が教員免許を剥奪され辞任させられるまで追い込まれなければ続いていくのだしさ。これはあくまでも僕の
推論にしか過ぎないんだけど」
「颯真の言うとおりだと私も同意する。だが確かに先生の意向が気になるところであるが、
これは先生の口から直接カミングアウトして頂くか。直接問い詰めるしかないようだな」
「だがそんなことをすれば」
「あぁだが時は一刻を争う私達はひとまず先生の補修授業を受けながら意向をただ伺うことにしよう。そうすれば自ずと見えなかった何かが見えてくるはずだ」
「あぁ俺もそう思う」
「私も賛成です」
「あぁもう分かったよ。俺ももう少しだけ付き合ってやるよ」

こうして俺達は共に結束して、これから先どう結末を迎えるか目に見えている部分も
あるけど、とにかく補修授業には出ることにして、あとは白石先生がどのように自分
の過ちであることにケリをつけるのかそして、先生がなぜ僕達をここまで追い詰めなくて
はならなくなったのか、その意向の真相を知るために耐えることにしたのだった。
それが思いもよらぬ現実を知ることになろうとも知らずに・・・・

第3話 白石先生の最初で最後の告白
その日の翌日は暴動が起こるのは目に見えていた。
白石先生に歯向かう生徒達が体育館に爪寄せた。
けれど先生それをマイク一本で制して、先生独断
のスピーチが行われたのであった。

「私に不平不満を言う輩はお前達だけで良いのか」
「あぁ俺たちはもう怒り心頭なんだよ。なんでこのクソみたいな
 補修に付き合わされなきゃならないのか分かんねぇんだよ」
「そうだろうなお前達全員そう思っているのだろうと思った」
「これから話す話しをしてもそう答えられる自信があるのか
 は分からないのだがな」

その言葉を最後に先生はいままで経験して来た。自分の経験を
もとにした出来事を。順を追って話すのだった。
白石玲子先生は昔から両親と妹と4人暮らしで普通の
純分満帆で幸せな家庭で育ったそうだ。
だがそんな幸せな生活そのものはある日不幸の
どん底にまで落ちるのだった。
最初はこんな現実はありえないとまで思っていた
魔女なんかこの世に存在するはずなんかないと、
だが両親とその愛すべき妹すらその魔女による邪悪な
力に掌握されるようにその尊い命を落とすのだった。
幼かった白石先生はとの当時にことを克明に覚えていて
その時のことがトラウマように夢に出てきたりすることが
今現在でも度々あるのだという。
そして先生はその後孤立して、養子娘として育てられてから
数年の月日が流れた後。学校に通うようになり勿論捨て子だと
馬鹿にされたりして偏見の目で見られたりもした。けれどそれでも
めげずに学校に通うようになり、ある日突然田舎から東京に引っ越す
ことになり、私は慣れない環境でありながら、そこの学校でも有数の
規模を誇る有名校に通うことになるが、ある日突然東京全土を揺るがす
大事態が発生した。それが謎の生物である。アーロンの出現だった。
両親と私はどうにかなんを逃れることができたがまるで大規模なテロ組織が
引き起こした大事件のように地獄絵図とかして東京都心は多くの建造物が
破壊されまたもや尊い命が失われてしまうのだった。
またも不幸が相次いだその時先生の目に飛び込んだのは悲惨すぎる残虐な
現状。それは正しく悪が世界を支配するかのようなものだった。だがある日
日本と海外の合同特殊組織が生まれ総出でアーロンの捜索に辺り殲滅活動を
開始し。東京は安全地帯へと変貌を向かるのだった。そしてその時と同じく
新たな人員を育てるための学園が生まれた。それが今の私立魔科学未来学園
という学園だ。彼女はアーロンの脅威を取り除いた。特殊部隊に感銘を受け。
その学園に通うことにしたのだが、勿論両親は反対した。何故ならば命を掛けて
養子であるが我が子のように育ててきた娘をそのような組織を育成する学園に
行かせて、もし特殊部隊に配属されることがあって、危険と隣り合わせだとしたら
いつしか愛する娘が白骨遺体で発見されるなんてことになったら。と思ったら。
とても耐えられないことだと感じたからだ。
両親の反発にどう答えたのかというと
「お母さんお父さん。今まで私を本当の我が子のように育ててくれて
 本当にありがとう。今までのことすごく感謝してもしきれないくらい
 感謝している」
「だけどこれだけは許して私のわがままなのかもしれない。でもこれで
 やっと私にも救える日本未来があるのなら。それに貢献したいの」
そう子供ながらに両親を説得したそうだ。両親は最後には涙を流していた
けれども最後の最後で承諾してくれた。その気持ちに答えるべく彼女は
特殊部隊で活躍できる未来へ向けて羽ばたいていくのだった。勿論それまで
の道のりは辛く厳しい道のりだった。けれども彼女は最高ランクであるSクラス
へ階段を上り詰めて晴れて、特殊部隊入隊を勝ち取ることができた。
頼れる仲間もできて、更に信頼も勝ち取れるようになり、事は全て順調に進んでいるように
見えた。だが彼女に待ち受けていたのは過酷な運命と隣り合わせであることと同じだった。
特殊部隊の主な仕事はアーロンの撃退とそれを生み出す主を捕縛又は殺害することを任務としている。詳細は極秘などで知らされてはいない部分ではあるのだが、それが主に特殊部隊である
活動の一環であると見ていい。尚任務中ではあるが、仲間同士絆を深め合って、恋人同士に
近くなることさえあった。だが皆極限状態の中戦っているのも覚悟の上で挑んでいるのは間違いない。浮かれている余裕などエリートの中のエリートである者の位置に達していないと体現
できないものだ。彼女はエリート中のエリートで女子からも男子からもモテのだが、任務に私情
を挟むのは良くないと上司からの忠告もあってか任務に励むことが主だった。しかし時は流れ。
エリートである彼女はある日。任務中に援護してくれた仲間と恋に落ちてしまうのだった。それが最初で最後である初恋の相手だった。勿論任務に私情を挟むのは厳禁であると忠告を今まで
無視してこなかった彼女だったが、彼のことが頭から離れず。軽々と任務をこなしつつ。周りを見渡しては陰ながら度々彼との会話を楽しむのが日課となっていた。だがそんな幸せは束の間で
エリート中将である私を庇うのに夢中となって、アーロンの餌食となった。私の目には大粒の涙が溢れていた。大好きだった彼の死に顔はとても痛ましいものだった。私はそれを見て怒り狂い
アローンの撃滅に力を費やした。けれどその深い悲しみを拭い去ることも出来ないまま。エリートだった私はその日から任務を遠ざけることが多くなり、いつの日か辞任に追い込まれ耐えられなくなり、退職するのであった。それから早1年半が経過していた。私にもう居場所など何処にもないと諦めかけていた。
「その時だ。私がこの学園で教師になろうと決めたのは。確かに私の教育方針に生徒が暴動を
 起こすのも時間の問題だった。私のしている教育は度が過ぎている。だけど分かってくれ。
現実はそう甘くないのだと・・・分かってくれ」
「だけど先生のやっていることは教師としてどうなんだよ。ただ俺たちを見下したり
 したいだけじゃないのかよ。口から出任せ言っているだけじゃねぇのかよ」
「そうではない。私が言っていることは本当だ。信じてくれ」
「信じるも信じないも俺たちはもうあんたの身勝手な補修に」
「付き合えないって言いたいのだろう。ならばここから去ればいい」
「あぁなんだ。テメェ」
「ルミアさん今は」
「分かっている綾瀬。だけどここでこの私が言わなければこいつらは容赦なく先生を
罵り、甚振ろうとするだけであろう。察してくれ」
「でも・・・・分かりました」
ルミアが先生との間に入り。状況は一層険悪なムードにまでもつれ込もうしていた。
だが彼女の鋭く切れたような眼光には一瞬の瞬きも許されないような。険悪の憎悪
という怒りそのものというには言葉に仕切れないそんな雰囲気を漂わせていた。
俺もその場に入ろうとするが今僕があの場で出来ることなどないのだと、結局尻込み
するしかなく。ルミアを祈るように見つめるのだった。
「長話もなんだ。私がお前達に問いたいのはただ一つ。白石先生の補修をこの場で身を
屈めて受け入れるのか否かだ」
「はぁ!そんなのもう嫌に決まっているだろう」
「ならばここから去れ。抵抗するならいいが私は本気だぞ。下手したらお前たちは」
「分かった。分かりました親分ここは一旦引きましょう。彼女はもう」
「あぁもう辛気臭い。疲れたぜ。おいお前たち一旦引くぞ。こんな茶番なんて、もう
やっていられるか」
「ルミアさんどうして」
「私はただやれることをやっただけですよ。白石先生後は貴方に委ねますよ」
「はい分かりました」
先生と生徒の間を取り持つなんて、流石にやろうと思って出来ることなんてきっと
ひと握りの人間だけだろう。ルミアはそれをやってのけたのだ。数十名以上の暴動
を起こしていたやつら全員を体育館から追放した。僕自身はその様子を陰ながらただ
息を呑むようにして傍観しているだけでしか出来ないくらいだった。だがこの収まりを
迎えた直後多くの生徒達がフゥーと張り詰めた空気が一変したのを見届けて、やっと一息
つけるようであった。
だが問題のほとぼりは冷めたように思えたもののまだそれに関心を寄せる声は上がって
いない。それはまだ生徒が先生に信頼を寄せていないに等しい答えそのものだった。
だから白石先生は生徒達に向けてこう言った。
「私のせいで多くの生徒達に多大なる迷惑をかけてしまったことをお詫びする」
その言葉と同時に
少数だが今更かよ~最低~などという言葉が投げかけられたがそれでも先生
ひと呼吸おいてこう言った。
「お前達に最後のチャンスを与える。私と挑んで勝てた数名の生徒をこの補修から
解放させてやる。ただし決して、手加減するなよ」
わーいと歓声の声が上がる声とともにどうせ勝ってこないと逃げる生徒も複数いた中
やっと白石先生は立派な先生らしいことをしようとするのであった。

第4話 白石先生との最後の授業

体育館に残っていたのは綾瀬。琢磨。綾瀬。ルミア。東郷。矢島。の6名と残る24名が
勢ぞろいしていた。全30名。中には毛嫌いしながらも結局補修を受けるものばかりだが
それでも白石先生の意を汲んだのだろう。そして白石先生との攻防戦が始まりを向えるの
であった。

「それでは私が相手だ。手始めに一人ずつ私に挑んでくるがいい
 2ペアでも構わんぞ」
「それに踊らされたのか。二人一組で組んだチームが積極的に挑むこと
となった」

俺とルミアはその様子を固唾を呑んで見守ることにしたのだった。序盤に
先生は手加減するつもりなのだろうと俺は予測していたのだが、その予測
とは正反対に先生は一切手加減をするつもりもなく挑んでいた。

「卑怯だぞ」
「こんなにしなくても」
「もういい。引き返すぞ」
「また出直しだ」
そう言い残す者をおりながら最初の10名はあっという間に白石先生に完敗を喫して
しまっていのだった。それが引き金となり、残る20名にプレッシャーがかかる。
勿論俺とルミアと他数名もまだ挑むことをせず傍観しようとするが、鍛錬に鍛錬を重ねて
きた。手前の10名が二人ひと組となり戦いに挑むのであった。まさに一進一退というべき
戦い。両者ともほぼ互角のような戦況の様子だった。白石先生が隙を突かれて追い込まれる
場面も幾度か見られたが、采配は白石先生の勝利で終わった。

「ちっ。まさかあそこで隙を突かれてしまうとは」
「なんという屈辱後でまた見返してやる」
「どうして私の魔術が効かないの」
「こうなったら死ぬ気で挑むしかないわね」
「次巻き返すわよ」

そう言って多くのものがリタイアしていった。この戦いに多くのもが敗れ去った。
その現状を見るやいなや僕はただ思いプレッシャーがかかるっていることにようやく
気づくのだった。

「白石先生ミーティング会議の時間を設けたいのだがよろしいか」
「いいでしょう制限時間10分間の間だけ時間をあげます」
「了解したそれだけで十分作戦を練られる」
「けどルミアさん俺たちの声このままだと」
「大丈夫だ。お前たち今から私の手を上から順番重ねてくれ
 それだけでいい」

その後俺も含め。10人はルミアの指示に従って、輪になった状態で手のひらを
上に重ねていくのだった。そしてルミアは一瞬だけ目を瞑ってそのまま。深く息を
吸い吐くと同時に呪文を唱えた。

「共鳴し。開けよ。不思議の扉」
「アナザーフィールド・テレポーテーション」

するとその共鳴するルミア呪文の声ともに俺たちはいつの間にか
体育館ではなく別次元にワープするのだった。全員が驚くような目をしていたが、
僕はこの感覚に何度も覚えがあり、それほど驚きもしなかった顔だった。

「これなら安心だろお前たち」
「これは空間移動魔術というやつか」
「あぁ嫌大体は合ってはいるが、私がこれは作った仮想空間そのものだ
 体育館の空間そのものから別次元の仮想空間を作り出しお前たちを
 強制ワープさせた」
「強制ワープだと俺達ちゃんと戻れるのか」
「大丈夫だ。マナの制御には慣れている。だがお前たちのマナを共有させて
もらったそれは仕方なく思ってくれ」

ルミアが使った魔術。それは高度な魔術で並大抵の魔術師でも扱うのには
そうとうな年月がかかる。ルミアが使った体育館から仮想空間に瞬間移動
出来たのには理由がある。それは彼女瞑想しイメージを固める間に。皆が
輪になり、ルミアの手に手のひらを添えたことにより、マナの反動速度を倍
にして過剰運動させたことにより、仮想空間の扉そのものが開き。そのまま
強制的に空間移動を可能にしたのだ。
無論体育館との空間は完全に断絶されているため。この仮想空間自体に潜り
こむことおも覗き見ることも出来ない。まさに作戦会議にうってつけの場所
というわけだ。

「それはともかくだ。それぞれ別れて作戦会議といこう時間がない」
「あぁそうだなそうしよう」
「制限時間は残り短い手短にお願いする」
「あぁ了解した」

そしてその作戦会議の間の時間白石先生はというと
さっきの魔術現象について深く関心を持っておられる
様子だった。

「良いのかい。作戦会議の時間をくれてやって」
「良いのだよ。それに彼らなら合格点を挙げられるやもしれない」
「しかし面白い発想に出たものだ。実に興味深い」
「そう思うだろうルナ」
「私はお前の召使ではない。お前の監視の任を解かれるまでの間傍に
いるだけだ」
「分かりましたわ。では最後までその干渉に浸っていなさい」
「言われなくともそうします」

作戦会議はあっという間過ぎようとしていた。皆点でばらばらだが、
チームワークは良いように思えた。だが二人ひと組全員が団結しあい
先生に挑むことは出来ない。二人一組というハンデだけで大きいものなのだ。
だが二人一組だけで先生と対等に戦えるようにするという課題は少なくとも
大きいものなのだ。
そしてタイムリミット10分間が終わりを告げ。僕達はもう一度体育館へと
瞬間転移するのだった。

「戻ったぞ」
「ようやく集まったようだな。お前達の覚悟とくと見せて
 もらうぞ」

「ファイヤートルネードハリケーン!」
「トワイライトフルバースト」
「魔神双空斬撃・空破滅殺斬」
「イイコンビネーションだ。だが私の魔法障壁は砕けやしない」
「なんだとこれでも駄目なのか」
「くそーまた出直しか」
「いい感じだったのにな。」
「ねぇー」
残るは6名に絞られた緊張の鼓動は増すばかり、先生もまだ
十分な余力がありそうで、凄まじい覇気を感じる。
だが僕達6名で何が出来るというのだろうか、勝目のない戦いに
勝ちを見いだせるはずがないと心なしか不安感が募り始めた。
そんな時。先生は僕達に向かってこう言い放った。
「可能性は0ではない。私は不死身ではないのだからお前達なら私はやれる
 と信じている。だから全員でかかって来なさい。その覚悟があるのなら」
「分かりました全力で私達全員がお相手をさせて頂きます」
「おいちょっと待てよ。俺たちにやれるわけ」
「諦めるのかここで」
「それは出来ません」
「ならやるぞ。例え結果勝てなくてもそれで良いではないか。
 ここで戦いを放棄して負けを認めるよりかな」
「おーう!」
ルミアの意見に全員が賛同した。そして俺たちは決死の覚悟で
白石玲子先生とのガチバトルに参加することを決意するのだった。

「まずは俺たちが先にいく。未来援護を頼む」
「言われなくともそのつもりよ」
「行くぞ。掌空破。砕刃撃。魔王帝神絶波竜王斬」
「今だ。未来」
「ターゲットロックオン完了。質力最大火力。システムオールグリーン発射
 スタンバイOK」
「エクストリーム・ゼロ・フルバースト!」
「こっちだぜ。よそ見するなよ。独流波剣芯乱れ桜・波動拳」
「システムオールグリーン 出力最大火力。発射スタンバイOK」
「ゼログラビティーフルバースト!」

矢島藤吉郎と東郷未来のペアは。藤吉郎がまず囮となり、先生を引きつけながら
の攻撃。ターゲットを自分だと認識させるが余り、相手が先生だといえ共。二人
同時攻撃は不可能とみた。東郷未来のスタンバイの待ち時間の間を取り持っている
間に。東郷未来は持っている魔動銃撃砲のスタンバイを完了させ。最大火力で放出
させ白石玲子先生を一網打尽にする戦略だった。のだが、硝煙の煙の中先生の精神
は息絶えておらずまだ活動状態にあることが判明した。

「くそこれでも駄目か」
「二人共深追いしてはなりません。下がっていて下さい」
「今度は私達二人がお相手します」

ここでペアの交代。東郷未来と矢島藤吉郎は一旦戦力回復のため
一線を離脱し次のペアへと交代するのだった。
だがこれほどまでに戦力を先生が維持していられるのは妙に違和感を
覚えることばかりだ。もしかしたらこれは勝てないかもしれないと
いう不安感が直様よぎるのだった。だがしかしそれでも前を向いて
戦闘に挑む二人の勇士が現れるのだった

「綾瀬俺たち二人で本当に大丈夫か」
「やるしかないのよ。もう前に出た以上戦うしかないわ。琢磨君」
「あぁそうだな」

こうして二人の戦闘はスタートを切るのだったが、
白石玲子先生は迎え撃とうとはせずにただ沈黙を貫いたまま
ただ迫り来る様子はあったもののそれは容赦ないものではなく
結局は陽動で防御障壁でひたすら防ぐという形となった。
一体に何がしたいのか
生徒達を弄ぶのがそんなに好きなのかやはり違和感は拭いきれない
でいるのだった。

「先手必勝行きますわよ」
「動かないで」
「パラライズホルード」
「ストームロック」

綾瀬の使う技は主にデバブ効果を持つアンチ魔法を使い。
身動きがとれない状態にして、状態異常を引き起こす
系の魔法を得意とする。

「よしこれで行けるぞ」
「サンキューな綾瀬」
「独流奥義。天空に使えし弐つの刃よ。我に力を与え給え」
「天神双砕斬。天真乱れ裂き。烈風破断斬撃」
「喰らえーっ」

琢磨の攻撃は勿論オリジナルを極めし技で、彼の発想は
いつも驚くべき方向性へと技を転換させる。
だがその攻撃が相手に直に効いているのかさえ
見極められないほどだった。
がしかし目の前に映った光景を目の当たりにした彼ら
は安心感を覚えるのだった。
だがそれは一瞬の沈黙とともに変わるのだった。

「やはり私の予感は的中しているようだ」
「そこにいるのだろうさっさと姿を現せ」
「ふぅやれやれバレてしまってはしょうがない」
「お前か」
「私は白石玲子が操りし守護精霊であるルナだよ。
 正体が明らかになってしまってはその記憶ごと
消すしかないかの」
「その必要はない我がお前もろとも
 燃やし尽くす。残骸がないようにな」
「ほう怖いのう。小娘」
「業火の炎よ。我に力をエクスプロージョンゼノ」
「まさかその力は!貴様!!!!!」

その強大すぎる力を放出したルミアのおかげもあってか。
体育館の損害は魔法障壁によって守られたが、その衝撃
は凄まじいものだった。魔法障壁がなければ体育館もろとも
崩壊寸前まで追い込まれるようなものであった。
が精霊を倒したとて、問題はもう一つある。それは精霊である
主である白石玲子先生の姿がどこにも見当たらない。
だが俺にはそれを知覚する力を持っていて、その正体の居所など
容易に掴めるものであった。

「むっそこだな」
「ぐっ何だと」

正体を判別すら出来ない相手を知覚するには。まず脳内にありとあらゆる
プロセス一時遮断した状態を生み出した後。聴覚による音のノイズの痕跡を
辿ることにより見つけ出す。それが僕にできたのはアルフレッドのあの修練が
あったからだ。目に見えない敵を斬るのに相手を知覚できないというのは無力
であると知らしめられたからだ。

「アルフレッドより隠せていなかったぞ。先生」
「貴様が颯真か流石だな。がしかし私を捕えたところで何が出来る」
「黒鍵〈ダークホールド〉発動」
「これなら先生の魔力を使えないでしょう」
「それは」
「俺は魔法が使えないがこれだけは使える何故なら無能力者であるからだ」
「これは一体」
「俺にはマナを使えないだが、身体的アビリティ能力をフルに活用することが
出来る」
「これが所謂」
「アビリティスキルそのものだ」
「そうか強くなったな。颯真。お前とあいつなら私をと思っていたよ」

それから僕達と白石玲子先生との壮絶なるバトルは終了した。
そして採点の結果全員合格点を貰い受け。地獄の補修授業から
ようやく解放されるのだった。
けれどもこれで良かったのか、やはり違和感は拭えない先生の過去での
執念たる思い。憎しみへの感情。未来への若者へ向けての言葉それをとった
として白石玲子先生はなぜこれほどまでに周りの生徒達をどん底へと落とし
 込むようなことをしなければならなかったのか・・・・
「お前たちだけは残ってくれ颯真ルミア綾瀬琢磨。お前達四人と
 未来藤吉郎お前たち私に隠していることがあるだろう」
「やはり気づいていましたか先生も」
「ルミアお前」
「あぁあの時の悲惨な出来事をなぜに異教徒と魔獣という恐ろしいものが
この学園いや生徒を襲わなくてはならないのか。意味深ではあるのだが」
「白石先生俺たちは」
「お前たちならもう大丈夫だ。ただ少し心配でな現実はそう甘くはない
 私は手加減したつもりだが、実戦ではこうも簡単ではないぞ」
「はい」
「それとこれだけは言える。絶対に生きるのだぞ。もう私はこの学園には
 いられなくなるのだがな」
「先生ありがとうございました。先生の最後の言葉絶対に忘れたりは
 しません」

こうして俺たちは先生に別れを告げて、これから何をしようか
考えつつもまずは体力をマナ回復に寮に戻って休むことと
するのであった。

「疲れたな」
「あぁけど良かったよ」
「もう補修もないんだって思うとな」
「またそれかよ」

「ルミアさんありがとうございました」
「いやお前もよくやった綾瀬感謝する」
「私もルミアさんとは何だかいい友達になれそうな
 気がします」
「同意だ。私もそう思う」

「藤吉郎今日もかっこよかった」
「お前もな未来」
「俺とお前案外いいチームなのかもな」
「むぅそれは同意し兼ねる」
「なぜだ」
「それは・・・もういい。聞かないでくれ」
「ちっまたそれかよ」

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