最強の魔術師とヘタレ主人公の波乱の日常

白馬優

第三章 謎の少女とルミアの過去

第一話 明かされし過去と呪い

その瞳はまるで、自分の全てを見透かされているような気がして、僕はただ
呆然としているだけで、ただ虚ろで怪しげに笑いを浮かべるその人形みたいな
少女に。目と心を奪われてしまっていた。

「おやどうしたのかえ。その顔は」
「君は一体。どうしてここに。この学園の生徒じゃないよな。」
「気を感じるのかえ。そう私はこの学園の生徒でも人間でもない。
いわば魔女の霊体そのもの。」
「じゃあ元々は生きていたってことなのに何故」

何故この学園へ。それに魔女の霊体ってことは。魔獣アーロンとも何か
関係があるのか、それとも彼女とも。しかしこの学園でも生徒でもないと
いうことは。元々この世界とは違う次元の違う世界から来たということ。
なのだろうか、よく分からないが、気になるので聞いてみることにした。

「君は何故この学園に。それとなぜ僕には君が見えるの」
「それはお前がルミアの契約者だからだ」
「じゃあルミアと深い因縁か何かあるってこと・・・」
「そうそれとここに来た理由も通じている」

これはつまりルミアとこの霊体とは何か特別な因縁があることを物語っている。
それにその深い真相には今僕の契約者である彼女の心の因果の悩みを解き明かす
ことでもあるのかもしれない。だがその奥底には深い闇があるのかもしれない。
けれど、僕はただその答えを知りたかった。彼女が僕に唯一言えない。秘密のいや
禁忌の扉を開いてみたかったのだ

「そう。私はルミア。いやお前の契約者ルミアの母親。ロザリエに火炙りの刑に
処され死んだ。に殺されたのだ。そして我はあの娘の監視を今も続けている」

「それはどうして、だってルミアは何も」
「ルミアは最後にその母親から強大な力を受け継いだ。そして二人目の最強の
魔術師が生まれた。それがルミア・スカーレット・バーンズ。お前の契約者だ
そしてあいつは不老不死だ。だから若く生きながらえている」
「ルミアは歳を・・・・」

「そこまでだ。ローレンス。お前が監視することは我とて見過ごしていたわけでは
ない。ただお前の存在が我とて不可思議で判断しようがないのだ。それに何を企ん
でおるローレンス。また死霊復活祭でもあげるつもりか、この死霊使い。ネクロ
マンサーが!」

「何を根拠にそんなことを言う。小娘。お前の母は何千。いや何十万の人々を火炙り
にしたんだぞ。その断罪は高くつくぞ!だから私は死ぬ間際お前の母親に禁術の呪い
をかけた。そしてお前の母は無様に生き血を晒し死んだ。
大勢の死人の血潮を浴びながらな」

「その恨み今でも忘れてはいまい。だがお前は残念ながら私の手では殺せない。
だがお前が何か仕掛ければ。こちらも動く。」
「いいのかい態勢を保つのに精一杯だが、これ以上私に近づけばお前の命は」
「ぐはっぼへっぐわぁああああ。くそこれは悪魔の呪いか。呪いなのか」
「ルミア。しっかりしろ。ルミア。おい!」

まただ。だけどどうしてローレンスとかいう死霊は手を出せないはず。いやそうか
これは呪いなんだ。だとしたら一旦解呪する必要がある。

この学園の専門医とったらあの医務室の先生だが、しかしその医務室まで行くのには
どうすれば。そうだ確か瞬間転移装置。ワープゲートがこのほど近い庭にそこなら。
僕は思考を巡らせながら。その庭まで瀕死の重傷を負った。か弱い美少女を抱き抱えながら。
庭園へとたどり着くのだった。

するとそこには青白く光る。瞬間転移装置が待ち構えていた。起動もされていて、
マナの活動性が活発になっている。今ならこの装置は使える。ただこの装置はマナ
の限界値を迎えると使えない仕組みになっている。

だとしても今は満タンにマナも消費されていない。状態にあり、現在稼働中だ。
おそらくこの庭園そのもののマナダイトには特殊な何かが施されているからか、
それともマナを浪費しないのはここに人が大勢集まることも少ないからだろうと、
僕は勝手に推測した。

まぁそんなことは今となっては関係ない。この装置が使えるなら今がチャンスだ。そう
信じて僕は転移装置を起動させる。すると眩いほどの青白き光が二人を包み込み。その
まま。眼前が見えなくなり白い光に包まれ。あっという間に医務室の前へと誘導さえた。
そこには偶然なのだろうか。たまたま医務室の先生とばったりと遭遇した。

「先生ルミアをこの子の手当をお願いします。瀕死の重体なんです
 助けてあげてください!」

「これはまさか呪い。いけないこのままだと。この子死んじゃうわ。
 早く輸血と解呪魔法とあと精神回復魔法の全てを注ぎ込まないと、
 今すぐ緊急手当をとるわ。誰かこの子を緊急治療室へ」

 第ニ話 故郷の夢。ルミアとの約束

あれから1。2時間は経過しただろうか、その後も治療は再開して、
なんとか意識を取り戻し。呪いの解呪や精神も正常値に安定したものの。
呪いの副作用なのか、未だ昏睡状態を維持したままの状態が続いた。
早く目覚めて欲しい。僕はその一心だった。けれどあの時の俺は無力で
誰かを頼ることしかできなかった。魔法が使えない僕にとってそれは
デメリットでしかない。

その時僕は初めて僕じゃ彼女を庇うことも助けてあげることすら不可能
なんだと思い知った。そして顔には大粒の涙が流れていた。そして僕は
呆然と座り込み。ベッドから起きようとはしないルミアの横で僕は祈るように。
僕はまた眠りについた。か細い彼女の手を取りながら・・・・

「起きろ。待ってルミアここは一体」

「ここが私の故郷だ。ここが異界だ。現実世界の狭間にあるもう一つの世界。私は
 この国マールシアという国で育った。そして私の家はこのマールシアでもっとも
 田舎のアイヌという村にある薪小屋で捨てられていたところを。拾われ養子として
 アイヌの村から遠く離れた。イグニアという町で魔法使いの養子として厳しく
 育てられた」

「ここが君の・・・・生まれ故郷・・・」

「そうここが私の母との出会いの始まりだ。さぁ目覚めよ。もう朝だぞ」

あれ僕はいつの間に眠りについてしまったんだ。しかも途中で夢から覚めてしまうとは
もっと見ていたかったのにな。それと今ルミアに起こされた気がしたんだが・・・
気のせいかまた眠ってしまおう。とまた虚ろに目を閉じようとしたその時。彼女は
目を覚まし。いつもどおりの元気な姿で僕にこう言った。

「おい起きろ。このガキ」
「へっはっ?あれここは」
「何寝ぼけている。それとどこを触っておる」
「ルミア。ルミアなのか?良かった無事だ。無事なんだな」

僕はルミアのいつもどおりの顔を見れて嬉しさのあまり、無防備であった
彼女に抱きついた。それを彼女は嫌がる素振りを見せず。唖然とした
表情でむしろ照れくさそうに僕の方を見ていた。

「もういいか。いい加減。苦しいのだが」
「あぁごめん。つい」
「それと昨日のこと覚えているか、さっきも夢でうなされているようだったが」
「あぁそのこと。うん君の故郷の夢を見てたんだ。勿論昨日のこともはっきり
 覚えている」

「じゃあ無駄な詮索はしないが、我の過去について誰にも喋るなよ。
 じゃなきゃお前との契約は破棄する」

「私のトラウマの全てがそこにある。そして私は強くなるために必死に
足掻いた。そして最強の魔術師になっていつか復讐する。とまで言っていた。
けれどそれは私の過去の一旦に過ぎない。いいかすぐに忘れろとは言わない。
だがこのことには今後一切触れないでくれ。それからありがとな。助けてくれて」

「いや僕は別に君を治したわけでもないし」

「でもお前は私を担ぎ上げ。ここまで連れてきてくれた。感謝する。
 そして休暇がもらえたら久しぶりに故郷に戻るとするかな。その時はお前も
 来い。素晴らしい景色が見えるだろうしな」

こうして僕はルミアともう一度友情を分かち合うのだった。
けれどルミアには一体何故。そこまでして過去にこだわるのだろうか。
きっとそこには触れられたくない。でもそうだよな。
そういうことって人間誰しも抱くものだよな。でもなんだろうこの気持ち。
一層彼女のことを知りたくなったし。それに守りたくなった。
彼女が一人で過去のトラウマを背負ってるなら。僕もその少しを分けてもらいたい。
そして支えになりたい。もう足で纏いにはならない。そう決意したから・・・・

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