【DEEP・BLOOD】

六道 屍

第9話

 今回は長めデス
  説明回挟むのが面倒だったのである程度
 設定公開デス


         過去



 なんだかんだと色々あったが、妹と数日実家で能力を実験しながら過ごした。

 今現在は移動中だ。というのも、ある程度実験が終わった時に、今後の行動について話し合ったのだ。

 その結果、取り敢えず俺の通っていた大学に行くことになった。ま、俺が提案したからなのだが…。

 理由は幾つかある。

 まず1つ、現状把握の為に情報が欲しい。学院等の公的機関は緊急避難場所に指定されている事が多い為、情報が集まり易い。余り期待していないが無いよりマシだ。

 そして2つ、1箇所に留まり続けるのが危険な為だ。外は未だに地獄絵図でしかも順調に拡大中だ。国の対応も余りに遅く期待出来ない。

 今はまだ強力な個体がいない為、個人レベルでも対応出来るがその内そうもいかなくなる。立て籠ることも難しくなってくるかもしれない。それ以外にも理由はあるが…。

 3つ、妹の事だ。これが1番の理由だ。妹には『アレ・・』がある。『アレ』とはつまるところ『トラウマ』だ。

 妹はある理由によってトラウマを抱えている。それもかなり重症なやつだ。

 妹はトラウマによって人間不信になっている。それも、極度なやつで、殆ど信じられる人間が居ない。他にも、激しい物音や怒号なんかも完全にダメだ。

 生活に支障がでるレベルで、常に信じられる人間が側に居ないと一歩も動けなくなり、精神を病んで衰弱する。その為、殆ど外にもでられない。

 反対に一度信じた者に対しては盲目的な所があったりする。因みに、一応俺を含めて極少数いる。普段は俺の側から殆ど離れない。そして俺の言う事にはほぼ必ず従う。というより俺からのある種命令・・が無いと1人で行動出来ない。

 まぁ、大凡この3つ、特に3つ目の理由から即時移動する事にした。

 今の所は、俺の側だからか問題無い様だが、妹にとって実家は悪夢の象徴でしか無い。何がストレスになるか分かったものではないのだ。

 妹が人間不信になった理由は両親が原因だ。

 俺が中学に入った辺りで俺の実父と離婚。その後、俺が15になって少しした頃に子連れの男と付き合い始めた(一応再婚)。妹の人間不信の大部分の理由がコイツ、妹の実父・・だ。

 よくある事? なのかもしれないが、実の娘にアレコレ・・・・していた。挙句助けを求められない様散々脅し、暴力を振るった。性的なものも含めて…。

 何故知っているかは、偶々その現場を見て介入したからだ。

 母親が2人目と付き合い始めて2年目のある日の事だ。俺は、学校が面倒になり仮病で早退した。家に帰って玄関を開けて直ぐに異常が在った。仕事に出ている筈の父親が学校にいる筈の妹に跨っていた。父親は全裸、妹は千切れた布切れを僅かに残してほぼ全裸だった。

 混乱している俺に気付いた妹が俺に助けを求めようとして抵抗したが、それにキレて殴られたのを見て反射的に介入した。

 結果、俺は妹の父親を制圧した。両腕と両膝を便利な自由関節にした。手の骨を全て砕き、足は後ろ歩きに便利になり、頭を叩き付けた衝撃で左耳を失聴、睾丸の片方を“戴きます”させてやった。その後、何事も無かったかの如く警察に連絡した。

 俺と父親は連行、妹は保護された。明らかに俺は過剰攻撃だったが、妹の証言や状況証拠等を含めた調査によって俺は1年の猶予期間、父親は見事に逮捕、更生機関にぶち込まれた。妹は取り敢えずケガだけで、事には至って無かった。とはいえ、その前までは何度もさせられたという。

 俺と妹は実家に帰る事となり、母親に捨てられた。それはもう見事に“あんた達さえ居なければ”と…。

 完全に育児を放棄し、俺は大学に入るなり実家から叩きだされ、妹は※   欲しさに手元に残された。

 こんな感じで妹はトラウマを抱え人間不信に、俺もかなり人間不信になっている。

 母親は俺が大学に入る前に3人目と付き合い始めた。因みに、俺を大学に入れ、部屋を与えてくれた人でもある。

 俺が独り暮らしを始めて直ぐに、妹は俺の部屋に通う様になった。

 最初は不安とトラウマだった。毎日震えながら泣きつき暴れて疲れて眠るを繰り返し、俺はひたすら宥めて甘やかした。

 その内、俺には心を許してくれた。それどころか色々行き過ぎた言動を取るようになった。

 きっかけは俺がキスをした時からだ。腕の中で震える妹を安心させる為に首筋にした。1年半位経った時の事だ。

 それまでは毎日割と大変な目に遭っていた。どうしたら良いかと悩み、毎日抱き締め安心させる為に色んな言葉を掛けていた。

 ある時、泣き疲れて落ち着いた妹を少し強く抱き締めて色々話した。(要約すると“ずっと側に居る”的な事)そして、暴れられるのを覚悟で首筋にキスをした。それ以降大人しくなったのだ。

 その後も暫くの間は震えて泣いていたが、俺は毎日同じ様に抱き締めキスをした。

 そんな事が続いたある日、大学から帰ると何時もと様子が違う妹が抱き着いてきた。何時もは突撃されるがその日はぴったりとくっ付き腕を抱かれた。

 妹は半泣きの顔で“何時もの御礼”と言いベッドに誘った。俺は“安易に身体の関係に頼るな”と少し叱りその日は終わった。

 その後からだった。妹が矢鱈と献身的になった。

 まず、部屋入り浸る様になった。平日は帰るが週末は帰らなくなり、平日も日をまたぐギリギリまで居る。

 家事全てを熟す様になり、完全に嫁ポジになった。更には、ベッドには誘わないが俺の世話をする様になったのだ。そこからは早かった。毎日俺を献身的に慰め、更に俺を慰めながら自分を慰める様になり、互いに慰め合う様になった。そして最終的に身体を重ねた。

 身体の関係を持ってからは最早ベッタリだ。余り言いたくは無いが取り憑かれたと言ってもいい。

 心を開くまでに1年半程、そこから献身的になり3年目で身体の関係を持った。

 勿論、全ての段階でしっかりと話し合った。俺を慰める時、自分にもして欲しいと言った時、そして身体を求められた時。都合3度、妹からお願いされる形で始まった関係だ。

 身体の関係は特に話し合い、結果妹は「自分の気持ちの確認と処女である証明」を強く望み俺の反論の一切を認めず、俺は「縋り過ぎず自らの意思で歩く事」を条件に身体の関係を認めた。

 以来、嫁ポジに収まりベッタリだ。初めて身体の関係を持ってから1年、今も関係は続いたままである。

 一応、約束は守りしっかり自分で歩いている。ちゃんと進展があり、極少数だが俺以外にも付き合いのある人が居る。

 今向かっている大学には、そんな極少数の1人である俺の1つ上の先輩が居り、無事だった為会いに行く予定である。





※ 金欲しさとは=社会的控除である

 父子家庭よりも母子家庭の方が割と簡単に控除が受けられる。また、受けられる控除の範囲や金額も母子家庭の方が広く高めな金額になる。

〈例として挙げられるもの〉
児童手当(子供手当)、母子扶養手当(児童扶養手当)、医療補助、生活支援給付金etc

 心無い親は此等の制度を自身の娯楽に注ぎ込んだり、子供をダシに心優しい他人に金を貢がせ、やはり娯楽に注ぎ込んだりして、育児を放棄するそうです。所謂、ネグレクト・DV等といわれます。

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