君に私を○○してほしい

しげぞうじいさん

デカケル

 翌日の朝。僕たちは街に行くところだった。
 家を出て遠くに行くのは初めてだ。何だか体がざわついている。ムズムズすると言うか、何と言うか……よくわからない気持ちが溢れてくる。
 綺麗な服を着て、僕の準備は終わった。後はお母さんの準備を待つだけなのだが、中々終わらない。何をしているのかと聞いても曖昧な返事が返って来るだけ。部屋にも入れてもらえない。
 部屋の前に座り込んで、お母さんが出てくるのを待つ。
「おまたせー」
 やっと準備が整ったようだ。
 扉が開かれて出てきたお母さんは……
「……どちら様ですか?」
 お母さんのようだったけど、お母さんじゃなかった。髪はお母さんだけど、顔がちょっと違う。いつの間に他人と入れ替わったのだろうか。これも手品の一種か?
「いやいやいや。お母さんですけど。ノアのお母さんですけど?」
 声も似ている。でも、騙されないぞ。これはお母さんを騙る偽物だ。
「いやいやいや。何で構えてるの? なに、私と戦う気? せっかく化粧したのに、台無しになるじゃないか」
「……化粧?」
「そう、化粧。女は外出する時、顔に色んなものを塗って綺麗に見せるんだ。その気になれば、別人みたいになることも可能だよ。どう?」
 どう、と聞かれても……
 その質問に答えるべき答えは一つしかない。
「神様みたいです」
 素直にそう答えた。
「神様、か。悪くないけど、せめて傾国の美女と言って欲しかったな。そっちの方が語呂的に良い」
「あれって本当に国が傾くほど綺麗なんですか?」
「正直な話、国を治めている権力者のタイプだったらそれは傾国の美女になる。太っている人が好きならその人は傾国の美女と呼ばれる。顔が整っていない、所謂不細工と呼ばれる人でも、権力者がそれを気に入ればそう呼ばれる。曖昧なものなんだよ。と言うか、話を逸らそうとしているな?」
 バレた。目を逸らして出来もしない口笛を吹く。
「まあ、いいさ。街に行ったら散々こき使ってやる。それこそ荷物持ちから食事の世話まで一通りに。まるで執事のように」
「僕は騎士じゃないんですか?」
「それはそれ。これはこれ。じゃあ出発だ」
 はぐらかされた。話を逸らしたのはどっちだろう。
 家の外に出て、お母さんが扉の鍵を閉める。普段は閉めたことがないけど、三年前のある日を境にして鍵を閉めるようになった。その理由は聞いていない。聞いても無駄だからだ。
 お母さんと一緒に石と砂、土だらけの道を歩く。いつも畑仕事をする時に通っている道だけど、今日だけは違う道のように思えた。
 歩きながら話をする。
「どんな街に行くんですか?」
「どんなって言われても……そうだなぁ。人通りが絶えない、活気に満ち溢れている街としか言いようがないね。皆幸せそうにしている、と言った方がいいかもしれないけど、光があればもちろん影もある。皆が皆幸せじゃない」
「皆が幸せで平和な街は無いんですかね」
「無いね。幸せって言うのは何かを犠牲にして生まれる感情だ。それがどの程度の幸せかによるけど、物凄く幸せな人がいれば、その逆に物凄く不幸な人がいる。要はバランスだね。幸せと不幸が同じぐらいになっているのが世界だ。人間の皆が皆幸せだったら、その不幸は何処に行く? 恐らく、動物、植物たちだ。だから、世界って言うのは難しいんだよ」
 悲しい現実だな。誰かを犠牲にして、その分誰かが幸せになる。まるで弱肉強食の世界だ。
 本の中に出てくるヒーローも、伝説に出てくる英雄も、幸せだったんだろうか。自分を犠牲にして皆を救う。一見、素晴らしい話だけど、裏では悲しい物語なんだろうな。
 歩きながらお母さんの授業を受け、しばらく歩いていると街に出た。
 いや、文字通り『突然街に出た』のだ。さっきまで見渡す限り地平線が見えていたはずなのに……どうなっているんだろう。
「お母さん! さっきまで何も無かったですよね!?」
「うん? 何を言っているんだ? 私たちは目の前に見えてきた街に向かって真っすぐに歩いてきて、今ここに居るんじゃないか」
 僕の記憶が少しだけ無くなったのかな。お母さんがそう言うのならそうなんだろう。気にすることはない。
 しかし、本当に久しぶりに街、と言う所に来た。
 この人通り、この音。懐かしい……
「じゃあ、はぐれないように手を繋ごうか」
 お母さんが手を差し出してきたので、僕はそれに応えるようにして手を出し、握る。
 他人から見れば仲の良い親子だろう。そう思われてもいい。だって、本当に仲が良いんだから。
 人混みの中を通って、お母さんが向かっている目的地まで歩く。
「どこに行くんですか?」
「ノアの服を見に行くの。カッコイイ服が欲しいでしょ? せっかく来たんだから、忘れないようにまず最初にそれをしないとね」
 いや……別にカッコイイ服が欲しいとは言った覚えがないのだけど……
 まあいいか。お母さんが喜んでいるんだし、それでいい。
 お母さんに手を引っ張られながら目的の服屋に向かう。その途中、僕と同じぐらいの年頃の子供たちがいた。彼らは僕を見ると笑っていた。何でだろう……
 気にしないまま進み、一つのお店にやって来た。
「ここが、私のお気に入りの店! さあ、入ろう!」
 一体どういうお店なんだろう。どういう種類の服を売っているんだろう。
 その答えは入ってみればわかる。そう言うかのようにお母さんがこっちを向いてウインクをし、僕と一緒にお店の中に入った。
 お店の中は……正直、僕にはわからないものばかりだった。
 小さい子供用の服もあれば、大きな大人の服もある。男性用、女性用もある。何でもあるけど、そのセンスは僕にはわからないものばかりだ。
「さあ、ノア! どの服がいい?」
 どの服……と言われても、僕には全然わからない。何がかっこよくて、何が悪いのか知らないのだ。
 適当な返事をすると、お母さんがお店の人らしき人と何か話している。
どうやら僕のことに関しての話だ。お店の人の視線が僕に移った。
「息子さんにはこのような服がお似合いだと思います」
 お店の人が飾られた服を持ち、僕たちに見せる。
 黒の服。その服の名前がどんなのかは知らない。でも、それはなんだかアベルさんを思わせる。
「ノアはこういう服がいいんでしょ?」
「うーん。見てみると、そんなに興味があるとは言えません」
「気に入らないみたい。他の服は?」
 僕の好みに合わせて、お店の人が次々と服を持ってくる。そのほとんどは僕の好みに合わなかったが、沢山の服の中で一つだけ気になった服があった。
 それは赤の服、ジャケットと呼ばれる上着だった。
 何故かこの色が僕の興味を引いた。魅了された、と言った方が正しいのかもしれない。
 綺麗な色だったので、それを試着と言うものをさせてもらった。
「……うん。中々似合ってるよ」
 鏡を見て自分の姿を確かめる。
 でも、今の服の上からこの赤色のジャケットを着てもイマイチパッとしない。やはり僕には似合わないのかな。
「そのジャケットの下に着る服はこれがよろしいかと」
 お店の人がこのジャケットに似合う服を持って来た。
 僕はそれを持って試着室と言う個室に入り、それに着替える。
 商品なので汚す、傷つけることはしないと言われているので、慎重に着ていると結構時間がかかった。心配したお母さんがカーテンを開けるまで。
「良いじゃん。カッコイイよ。具体的に言うと、アベルの十倍はカッコイイ」
「アベルさんがどれぐらいのカッコよさなのかはわかりませんけど、嬉しいです。……でも」
「お金のことなら気にしない気にしない。こう見えても私は結構お金持ってるんだよ? せっかくだし、着たままお会計しよう。出来る?」
 お母さんは懐からお財布を取り出すと、お札らしき紙を数枚取り出して、お店の人に渡した。「お釣りはいらない」と。
 最初から着ていた服は紙袋を貰ったので、その中に入れて運ぶ。
 次はどこに行くんだろうか。どこでもいいけど、楽しみだ。
「ふむ。第一目的は達成した。でも、次の目的を決めていなかったのが、私の失態だ。どうしようか……」
「お母さんの服はダメなんですか?」
「ん? いや、ダメだね。第一、私は服にこだわりがないから買っても安い奴しか買わない。今街の人間たちを見てみな。変に高級な服を着てる奴がゴロゴロいるけど、高いからって言ってもカッコイイ、綺麗だとは言えない。よって、私は我が道を行く」
 高いものはそれなりの物だから高いのではないのか。商品と言うのは難しいものだ。
 目的地を見失った僕たちはただ街の中を歩いている。どこへ行くと言う訳でもなく、ただブラブラと……
「面白そうなお店はないねぇ~」
「あのキラキラしたお店はどうですか?」
「あれはダメ。あれはクラブって言って大人の遊び場みたいなお店。子供のノアにはまだ早い。大人になっても行ってほしくないけど」
「何でですか?」
「大人って言うのは無意味にカッコつけたがってお酒を飲むんだよ。お酒にはアルコールと言う成分が入っていて、これは少量程度なら体に良いけど、大量に取り過ぎると脳が麻痺して何をするかわからない。お店で暴れたり、人に暴力を振るったりするんだ。私はノアにそんなことをしてほしくない。だから、行かないでね」
 お酒、アルコール。うん、これは絶対に飲まないと決めておこう。お母さんの期待を裏切るような真似はしたくない。
「あのお店は何ですか?」
 一つのお店を指さす。そこもさっきと同じようにキラキラしたお店だった。だけど、何だか雰囲気が違う。
「あー……忘れなさい」
 忘れたくても忘れられるような印象じゃない。でも、ここには来ないようにしよう。
「うーん。少し早いけどお昼ご飯食べる?」
「え? もうそんな時間ですか?」
 家を出たのは朝のはずだ。ここに来てからそんなに時間は経っていないと思う。
 だけど、僕が時間の感覚を忘れているだけで、実際には物凄く時間が経っていたんだろう。
「ノアにとって、初めての外食。記念になるね。どこか、美味しいお店はないかな。……お肉食べたい?」
「どんなお肉ですか?」
「いつも食べているようなお肉じゃなくて、もっと大きいの。分厚くて、食べ応えのあるお肉だよ。ステーキって言うんだけど、それが良い?」
「食べてみたいです」
「よし来た。ではそこに向かって出発!」
 手は繋いでいないけど、お母さんと並んで歩く。さっきより人が少なくなっているので迷子になる心配はない。安心して歩ける。
 ……それにしても、街には色んな人がいるな。
 ただの通行人に、建物の間の狭くて暗い道に座り込んでいる人、それに小さい子供から大きな子供まで。今の子供たちは学校は休みなのかな。
「お、ここだここ。ここが一番良いと私の勘が言っている」
 勘を頼りにここまで来たのか……。相変わらずお母さんは凄いと感心させられてしまう。
 店の中に入ると、とても良い匂いが漂って来た。その匂いを嗅いだらお腹が「ぐう」と鳴ってしまった。恥ずかしい。
 空いている席に座り、お肉の種類が書かれたメニューと呼んでいる紙を見る。
 しかし、見ただけではどれが美味しいのか、全くわからない。お母さんに聞いてみよう。
「どれが美味しいんですか?」
「ん? 多分、どれでも美味しいと思うよ。せっかくだから一番高いのを選ぼうか」
「でも、それじゃあ……」
「だ~か~ら」
 頭を軽く叩かれる。
「子供がお金の心配をするんじゃないの。それはもう少し大きくなってから考えなさい。ノアは子供らしさが足りていない。もっと無邪気になってくれないと」
 子供らしさってどんなものなんだ?
 やれやれ、と肩を竦めたお母さんはお店の人を呼んで、メニューに書いてある一番高い値段のお肉を二人分注文した。
「ま、今の子供は子供らしくないけどね」
「? どういう意味ですか?」
「そのままの意味だよ。なんて言うのかね、子供は大人の真似をしたがる。それは当然だ。だけど、悪い大人の真似をするもんじゃない。悪い大人の真似をすれば、自分の将来を潰すことになる。歩いている時、他の子供たちを見たでしょ? その時に何か口にくわえていなかった?」
 ちょっと前の記憶を思い出して、映像を頭の中に浮かべる。
 確か……白い棒のようなものをくわえていたような……
「……あ!」
 そうだ、あれはアベルさんが吸っている煙草だ。
「そう、あれは煙草。国によって煙草を吸い始める歳は違うけど、本当は子供が吸って良い物じゃない。あれは子供の成長に悪影響を与える代物だ。大人も子供がそんなものを吸っていたら注意すればいいんだけど、下手に注意すると問題になる。だから手出しができずに、悪い真似をしている子供は子供の範囲を超えていく。所謂不良と言う奴だ。子供らしくない」
 なんで大人の人は注意をしないんだ? ダメなものはダメって言えばいいのに……
「私は話したっけ。麻薬って奴」
 初めて聞く言葉だ。首を横に振って「いいえ」と答える。
「麻薬は脳に作用する成分。外的要因で脳を一時的に麻痺させ、体を気持ちよくさせるものだ。もちろん、それは脳が勘違いしているだけで、実際には気持ちよくない。でも、麻薬を使った人たちはその気持ちよさを一度でも味わってしまうと、さらなる気持ちよさ、快楽を求める。そうして無限にループしていき、最後は破滅。終わりだ。この麻薬と呼ばれるものは国が全面的に禁止している」
「……それが、煙草と何の関係が?」
「ただ単に、煙草も麻薬当然の物だってこと。使い過ぎると体を壊して人生を壊すことになる。でも、麻薬と煙草の違いは国が認めているかどうかってことだ。煙草は国が正式に認めた合法麻薬。……私としては煙草なんてものはこの世界から消してほしいところだ」
 だからアベルさんが煙草を吸っていると、お母さんは険しい表情で怒るのか。
 自分の体を壊してでも、快楽を得る麻薬。それがこの世界の闇。それが、人を不幸にするもの。……平和と幸せには程遠いな。
「人生を壊してでもただ一時の快楽を得ようとするその考えは理解出来ないね。生きていれば、人生が続いていればそれ以上に良いことなんて山ほど起きる。私は破滅した人間を大勢見てきたし、幸せになった人間も大勢見てきた。だから私は人生と言うのがいかに素晴らしいものかを理解出来る。……と、長話をしていたら待望のステーキがやって来たようだ」
 いい匂いをさせながら、目の前に大きなお肉が乗ったお皿が置かれる。まだジュウジュウと音を立てている。今食べたら間違いなく舌を火傷するな。
「料理って言うのはなんでも出来立てで食べるのが一番だよ。舌を火傷してでもそれ以上の美味しさを味わえる。滅多に食べられないからよく味わうんだよ」
 湯気が出てお肉の汁が音を立てて跳ねているステーキを一緒に運ばれてきたナイフとフォークを使って上手に一口サイズに切る。そして、それをゆっくりと口に運ぶ。
「――ッ!?」
 とてつもなく美味しい。でも熱い! それでも美味しい。
 口の中で熱を逃がしながらお肉を噛む。弾力があって、それが一層美味しく感じさせる。
「気に入ったみたいだね。では私も」
 お母さんもステーキを一口サイズに切って、上品に食べる。大きな口を開けて食べた僕とは大違いだ。流石大人の女性だ。
「……」
 お母さんが険しい顔をして口を動かすのを止めた。
「……どうしたんですか?」
 マズかったのだろうか。こんなに美味しいと思うのは僕だけなのかな。
「……熱い」
 どうやら熱々のお肉を口に入れたことで舌を火傷してしまい、口を動かすことが出来ないようだ。面白い反応をしてくれる。
 口をゆっくりと動かして熱いステーキを噛んでいるけど、お母さんの顔は険しいままだ。美味しいのか美味しくないのかわからない顔だけど、本人は美味しそうだと感じている……はず。
 僕は舌が熱に慣れてきたので、ドンドン口に入れる。その度にステーキの美味しさを味わえるので幸せだ。
 幸せな時間ほどあっという間に過ぎていく。僕の分のステーキはもうなくなってしまった。残念だ……
「ノア。私の分、半分食べる?」
「え? でも、お母さんは……」
「いやさ、正直に言うと……おもい……」
 おもい? 想い? 重い? どっちだろう。
「美味しいんだよ。とても美味しいんだけど、脂が多すぎて胃がもたれる……だからお願い、半分食べて……」
 ああ、そっちの『重い』か。一瞬、どっちの意味か、真剣に考えてしまった。
 お母さんのお願いを聞いて、僕はあと少しだけステーキの美味しさを味わえる権利を貰った。本当に嬉しい。
 お母さんの分、三分の一と僕の分のステーキを合わせて大量のお肉を食べてしまったので、僕のお腹がポッコリと出ている。食べ過ぎだ。
 お会計を済ませて、お店を出る。まだお昼になったばかりなので、通行人の多さは変わっていない。
「さ~て。これからどこに行きますか、ノアさん?」
「他に楽しいところはないですか?」
「そうだねぇ。ネットカフェは大きな声で話せないし、漫画喫茶も……」
 ネットカフェ? 漫画喫茶? 興味を惹かれる名前ではあるけど、ちょっと行きたくない……
「……あ! ノア、携帯欲しい?」
「携帯って……アベルさんが持ってる奴ですか?」
「まあそうだけど、似たようなものかな。タブレットって言う奴でね。これさえあれば漫画に小説、辞書まで入る便利なものだよ。持っておいて損はないと思うけど」
「そうですね。あれば便利ですね。辞書の代わりになればお母さんの間違いを指摘出来ますし」
「うっ……痛いところを突くね。じゃ、それを買いに行こう」
 今日はお金を払ってばかりだな。お母さんのお金はいくらぐらいあるのだろうか。
 沢山持っているのなら貧しい人に寄付をすればいいと思うのは僕の偽善かな。
 もし、この世界の人たちがお金に困らない生活になれば……あの他の奴隷たちも違った道を歩めたのかもしれないな。
 何も言わず、ただただお母さんの後を付いて行く。お母さんは時々、僕がちゃんと後ろに付いてきているか確認しながら前を進む。
 そのまま無言の時間が続き、ただ歩くだけの時間が流れ、そのタブレットと言うものが置いてあるお店にやって来た。
 お店の中に入ると、アベルさんが持っているような携帯が沢山置いてあった。どれが良いのかさっぱりわからない。
「どれが良いんですか?」
「それはお店の人に聞かないとわからないね」
 こんな薄い物を持っても簡単に壊れそうで怖いと思う。それに、辞書なら辞書の本をめくればすぐにその単語の意味がわかる。わざわざ高いお金を出して買う必要もないと思うんだけど、お母さんは一度決めたら曲げない人だからなぁ。説得するのは無理か。
「すいませーん」
 お母さんがお店の人を呼んで交渉し始めた。
「一番高性能の奴はどれですか? ネットはしない方向で」
「ネットに繋がないんですか? それはどうして……?」
 お店の人が意外だと言う顔をしてお母さんに聞いてくる。
「教育上の方針で」
「なるほど。では、こちらのがオススメですよ」
 僕は理解が出来ない言葉をべらべらと言われ続けて頭がパンクしそうになった。

「君に私を○○してほしい」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「現代ドラマ」の人気作品

コメント

コメントを書く