全力!野球道
今日から高校球児
今日から私立光学園高校に通う高校生、若松聖司。
彼は自分の夢を叶える為に光学園に入学した。
その経緯は後々話す事にする。
若松は迷っていた。
入学式が行われる体育館を見つけられずにいた。
「やべぇ…試験の時教室しか行ってないから、体育館の場所全然わからん…」
若松は通りがかった女子生徒に声を掛けた。
「あの~すいませ…」
「きゃっ!な、何で男の人が!?」
そう言って走り去ってしまった。
他の女子生徒も、若松を物珍しそうに見ていた。
若松がどうしようか迷っていると、若松の横を男子生徒が通り過ぎていった。
「ちょ、ちょっと!」
「…俺ですか?」
「そうそう!君、体育館の場所知ってる?」
「はぁ?今から行く場所やのに知らん訳ないじゃないですか…」
「一緒に行ってもええかな?」
「いや、ま~ええけど…」
「よっしゃ!ほな行こう!」
若松と男子生徒は体育館に向かって歩き出した。
「俺、若松聖司!君は?」
「俺は安田太一朗。よろしく、若松君。」
「聖司でええよ!な~太一朗は何で光学園に入ったん?」
「俺は安田財閥の御曹司で、理事長の源田綾さんの経営術を学んでこいって父さんが…」
「えっ…太一朗って安田財閥の社長の息子なん!?」
「あんまり言いたくないんやけど、後々学校経営もしていくからその勉強の為に…」
「そうか、綾さんに…」
「ん?何や、君は源田先生を知ってるんか?」
「知ってるって言うか、この学校に入るきっかけをもらったって言うか…」
「どうゆう事?」
「実は俺な…」
若松がまだ何処の高校に通うか決めていなかった中3の秋。
街を走っていると、荷物を沢山持って佇んでいる中年女性がいた。
疲れた表情をしていたので、若松は声を掛けた。
「おばちゃん、大丈夫?」
「えっ?あ~大丈夫やで。ありがとう☆」
「荷物めっちゃあるやん。よかったら運ぶの手伝うで☆」
「う~ん…」
「別に盗ったりせえへんで?おばちゃん、困ってるみたいやったから…」
「いや、別にそんなん思ってないけどね。何か…悪いし…」
「トレーニング終わって帰るだけやったから。気にせんでええよ!」
「そう…じゃ~お願いしようかな☆」
「よっしゃ、ほな行きましょう!」
若松は荷物を大半持って歩き出した。
しばらく歩くと、中年女性は大きな建物の中に入っていった。
グラウンドや廊下は女子生徒で溢れかえっていた。
「ここって…学校やんな?」
「そうやで。光学園って言う女子校なんやけど…知らん?」
「俺、ずっと野球やってたからあんま女子校とか知らんねんな…」
「へぇ…野球を…ここやで。中でお茶でも飲んでいって☆」
「理事長…室…」
若松は理事長室に案内されて中に入った。
中はとても綺麗にされていて、思ったよりも広かった。
「さ~座って!今コーヒーでも持ってきてもらうから☆」
「は、はい…失礼します…」
「どうしたん?急に敬語なって…(笑)」
「いや、理事長先生やと知ったら急に緊張してもうて…」
「別にうちの生徒じゃないから、そんな気遣わんでもいいのに…」
「はは…(笑)」
「そう言えば自己紹介してなかったね。私は源田綾。」
「あっ、若松聖司です!中3です。」
「へぇ~まだ中学生やったんや…高校は何処行くか決めてんの?」
「一応大和館高校に誘われてますけど…」
「大和館って野球強いとこなんちゃうん?若松君って野球上手いんやね☆」
「いや、俺はついでって言うか…行こうかどうか迷ってますし…」
「えっ?どうゆう事?」
「実は俺…」
コーヒーが運ばれてきて、一息ついて若松は言った。
「俺は野球部のない高校に行って、一から野球部作って甲子園に行くのが夢なんです!」
「へぇ…そうなんや…」
「ま~色んな人に現実味ないって、反対されてるんですけどね…」
「若松君…」
「はい?」
「あなたは運があるわ!」
「えっ…どうゆう事ですか?」
「うちの学校来年共学になるの。勿論野球部はないし、どれくらい人来るかはわかれへんけど…」
「マジっスか!?」
「良い夢じゃない☆どうするか決めるのは若松君やけど、まだ他に学校見つけてないんやったら…」
「行きます!」
「そう!じゃ~これパンフレット☆」
「ありがとうございます!」
「ちゃんと勉強せんとアカンで。うちに入れるって決まった訳じゃないんやから…」
「あっ…そうですよね…」
「頑張ってね☆応援してるわ!」
「はい、頑張ります!」
若松は光学園のパンフレットを抱えて、学校を後にした。
そして若松は光学園を受験し、見事合格。
現在に至る。
「…いや、やっぱまた今度言うわ!」
「何でなよ、俺も言うたんやから君も言えよ。」
「絶対言うから!ほら、もう体育館着いたし☆」
若松と安田は体育館に着き、中に入った。
「え~っと、俺の席は…」
「じゃ~俺こっちやから…」
「おう、ほなまた!」
若松は自分の名前を見つけ、席に座った。
暫くして入学式が始まった。
そして終わった。
若松はいつの間にか寝ていて、安田に起こされた。
「ん…お~太一朗…」
「君、入学式で寝るなんて大した度胸やな…源田先生がずっと君の方見てたけど…」
「ヤバ…寝てんのバレたかな…」
「顔知ってるんやからバレるやろ…じゃ~俺行くから…」
「お~ありがとう…そう言えば太一朗って何コースなん?」
「俺は特進コースやけど…」
「えっ!?特進ってめっちゃ賢いコースやん!」
「てか座ってる場所見たら大体わかるやろ?君は文理コース。それじゃ~…」
光学園には5つのコースがあり、文理コース、特進コース、スポーツコース、教育・福祉コース、芸術コース。
更にH組、K組、R組の3クラスに分かれる。
クラス編成は成績順や選択科目によって行われる。
若松は文理コースのR組。
クラスに男子はおらず、若松はこの状況が苦痛だった。
放課後、若松は理事長室を訪ねた。
光学園に合格したら、理事長室に来るように言われていたのだ。
「失礼します!」
「あら、若松君。よく眠れたかしら?」
「す、すいません…」
「合格したようで何よりです。それで野球部の事なんやけど…」
「は、はい!」
「職員会議で部活の話が出た時に反対意見が多くて…何とかある条件付きで許可されるようになったんやけど…」
「条件って?」
「男子生徒の全員入部と顧問、全員揃える事が出来たら、練習場所と部室を用意しましょう。」
「…」
「ゴメンなさい…私も立場上これくらいしか出来なくて…」
「充分です!ありがとうございます!」
「若松君、頑張ってね…陰ながら応援してるわ☆」
「はい!あっ、でも今日から名乗ってもいいですよね?」
「えっ?」
「俺は高校球児…って!」
「ふふ…(笑)勿論!」
「それじゃ~失礼します!」
若松の過酷な試練が始まった。
だが同時に、夢への第一歩を踏み出した。
高校球児としての物語のスタートである。
彼は自分の夢を叶える為に光学園に入学した。
その経緯は後々話す事にする。
若松は迷っていた。
入学式が行われる体育館を見つけられずにいた。
「やべぇ…試験の時教室しか行ってないから、体育館の場所全然わからん…」
若松は通りがかった女子生徒に声を掛けた。
「あの~すいませ…」
「きゃっ!な、何で男の人が!?」
そう言って走り去ってしまった。
他の女子生徒も、若松を物珍しそうに見ていた。
若松がどうしようか迷っていると、若松の横を男子生徒が通り過ぎていった。
「ちょ、ちょっと!」
「…俺ですか?」
「そうそう!君、体育館の場所知ってる?」
「はぁ?今から行く場所やのに知らん訳ないじゃないですか…」
「一緒に行ってもええかな?」
「いや、ま~ええけど…」
「よっしゃ!ほな行こう!」
若松と男子生徒は体育館に向かって歩き出した。
「俺、若松聖司!君は?」
「俺は安田太一朗。よろしく、若松君。」
「聖司でええよ!な~太一朗は何で光学園に入ったん?」
「俺は安田財閥の御曹司で、理事長の源田綾さんの経営術を学んでこいって父さんが…」
「えっ…太一朗って安田財閥の社長の息子なん!?」
「あんまり言いたくないんやけど、後々学校経営もしていくからその勉強の為に…」
「そうか、綾さんに…」
「ん?何や、君は源田先生を知ってるんか?」
「知ってるって言うか、この学校に入るきっかけをもらったって言うか…」
「どうゆう事?」
「実は俺な…」
若松がまだ何処の高校に通うか決めていなかった中3の秋。
街を走っていると、荷物を沢山持って佇んでいる中年女性がいた。
疲れた表情をしていたので、若松は声を掛けた。
「おばちゃん、大丈夫?」
「えっ?あ~大丈夫やで。ありがとう☆」
「荷物めっちゃあるやん。よかったら運ぶの手伝うで☆」
「う~ん…」
「別に盗ったりせえへんで?おばちゃん、困ってるみたいやったから…」
「いや、別にそんなん思ってないけどね。何か…悪いし…」
「トレーニング終わって帰るだけやったから。気にせんでええよ!」
「そう…じゃ~お願いしようかな☆」
「よっしゃ、ほな行きましょう!」
若松は荷物を大半持って歩き出した。
しばらく歩くと、中年女性は大きな建物の中に入っていった。
グラウンドや廊下は女子生徒で溢れかえっていた。
「ここって…学校やんな?」
「そうやで。光学園って言う女子校なんやけど…知らん?」
「俺、ずっと野球やってたからあんま女子校とか知らんねんな…」
「へぇ…野球を…ここやで。中でお茶でも飲んでいって☆」
「理事長…室…」
若松は理事長室に案内されて中に入った。
中はとても綺麗にされていて、思ったよりも広かった。
「さ~座って!今コーヒーでも持ってきてもらうから☆」
「は、はい…失礼します…」
「どうしたん?急に敬語なって…(笑)」
「いや、理事長先生やと知ったら急に緊張してもうて…」
「別にうちの生徒じゃないから、そんな気遣わんでもいいのに…」
「はは…(笑)」
「そう言えば自己紹介してなかったね。私は源田綾。」
「あっ、若松聖司です!中3です。」
「へぇ~まだ中学生やったんや…高校は何処行くか決めてんの?」
「一応大和館高校に誘われてますけど…」
「大和館って野球強いとこなんちゃうん?若松君って野球上手いんやね☆」
「いや、俺はついでって言うか…行こうかどうか迷ってますし…」
「えっ?どうゆう事?」
「実は俺…」
コーヒーが運ばれてきて、一息ついて若松は言った。
「俺は野球部のない高校に行って、一から野球部作って甲子園に行くのが夢なんです!」
「へぇ…そうなんや…」
「ま~色んな人に現実味ないって、反対されてるんですけどね…」
「若松君…」
「はい?」
「あなたは運があるわ!」
「えっ…どうゆう事ですか?」
「うちの学校来年共学になるの。勿論野球部はないし、どれくらい人来るかはわかれへんけど…」
「マジっスか!?」
「良い夢じゃない☆どうするか決めるのは若松君やけど、まだ他に学校見つけてないんやったら…」
「行きます!」
「そう!じゃ~これパンフレット☆」
「ありがとうございます!」
「ちゃんと勉強せんとアカンで。うちに入れるって決まった訳じゃないんやから…」
「あっ…そうですよね…」
「頑張ってね☆応援してるわ!」
「はい、頑張ります!」
若松は光学園のパンフレットを抱えて、学校を後にした。
そして若松は光学園を受験し、見事合格。
現在に至る。
「…いや、やっぱまた今度言うわ!」
「何でなよ、俺も言うたんやから君も言えよ。」
「絶対言うから!ほら、もう体育館着いたし☆」
若松と安田は体育館に着き、中に入った。
「え~っと、俺の席は…」
「じゃ~俺こっちやから…」
「おう、ほなまた!」
若松は自分の名前を見つけ、席に座った。
暫くして入学式が始まった。
そして終わった。
若松はいつの間にか寝ていて、安田に起こされた。
「ん…お~太一朗…」
「君、入学式で寝るなんて大した度胸やな…源田先生がずっと君の方見てたけど…」
「ヤバ…寝てんのバレたかな…」
「顔知ってるんやからバレるやろ…じゃ~俺行くから…」
「お~ありがとう…そう言えば太一朗って何コースなん?」
「俺は特進コースやけど…」
「えっ!?特進ってめっちゃ賢いコースやん!」
「てか座ってる場所見たら大体わかるやろ?君は文理コース。それじゃ~…」
光学園には5つのコースがあり、文理コース、特進コース、スポーツコース、教育・福祉コース、芸術コース。
更にH組、K組、R組の3クラスに分かれる。
クラス編成は成績順や選択科目によって行われる。
若松は文理コースのR組。
クラスに男子はおらず、若松はこの状況が苦痛だった。
放課後、若松は理事長室を訪ねた。
光学園に合格したら、理事長室に来るように言われていたのだ。
「失礼します!」
「あら、若松君。よく眠れたかしら?」
「す、すいません…」
「合格したようで何よりです。それで野球部の事なんやけど…」
「は、はい!」
「職員会議で部活の話が出た時に反対意見が多くて…何とかある条件付きで許可されるようになったんやけど…」
「条件って?」
「男子生徒の全員入部と顧問、全員揃える事が出来たら、練習場所と部室を用意しましょう。」
「…」
「ゴメンなさい…私も立場上これくらいしか出来なくて…」
「充分です!ありがとうございます!」
「若松君、頑張ってね…陰ながら応援してるわ☆」
「はい!あっ、でも今日から名乗ってもいいですよね?」
「えっ?」
「俺は高校球児…って!」
「ふふ…(笑)勿論!」
「それじゃ~失礼します!」
若松の過酷な試練が始まった。
だが同時に、夢への第一歩を踏み出した。
高校球児としての物語のスタートである。
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