英雄様の非日常《エクストラオーディナリー》 旧)異世界から帰ってきた英雄

大橋 祐

第35話 フラワー

 自分には何も出来ない。
 無力さを痛感した愛月は何故か空を見上げた。
 そう。
 なんとなく見上げた。

 ドカーンと。

 山の上空で花火が光輝いた。

「え?」

 今日、この辺りで花火大会の予定などない。
 しかも、山の方からだ。

 一体何故?

 疑問は尽きない。
 だけど、行ってみる価値はあるかもしれない。

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 同時刻。
 外をずっと走って探すイムも上空で咲いた花火を見た。
 色も黄色だけと単調な花火だった。

「今のは?」

 ただ。
 そんなことよりも気になったことがある。

 魔力だ。

 魔力を感じたのだ。
 あの花火は魔力で出来た花火だったのだ。

「一体誰が」

 疑問を持った少女達はその場所に走りだした。

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 唐突だが。
 魔力という不可思議な力がある。
 別名、劣化神力・・・・
 そう、その力は遠く。
 遠い昔。
 まだ、地球オリジナルが創り出される前。
 一つの世界が存在した。
 今の地球の元となる世界。
 そこの神が創りだしたとされる。

 そして、この魔力の別名と生い立ちはーー


 ーー今の世界では神でさえも知らない。

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 そして、白い世界。
 天界という場所に一人の神の力を持った男がいた。

 陣野 蒼月。

 その男は少女達を待っていた。

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