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英雄様の非日常《エクストラオーディナリー》 旧)異世界から帰ってきた英雄

大橋 祐

第28話 ナニモノ

 ドアが開いた瞬間。
 二つのメロンが降ってきた。

「ひっさしぶり〜! のんちゃーん」

 蒼月はそのメロンの感触で一瞬で分かった。

「桃姉重い……」

「あー! 女の子に重いって言った!」

 少女というには大きすぎる胸に歳。
 少女というのに相応しいその童顔。
 相対する要素をもってしてもどちらかに傾いている完璧なこの女は名を
 玖珂 桃くが ももという。

「桃姉、大学卒業できるの?」

 玖珂は蒼月の親戚でよく玖珂の神社で遊んでいた。

「バカにしないで、これでも次席で入学してるし」

 そう呟いた後、少し蒼月を睨んでから。

「違う違う。今日は帰ってきたのんちゃんのために来たんだよ」

「俺?」

「そう、おばさんと愛月ちゃん達は先にレストラン行ってて」

 陣野家が部屋から出て行った。

「ねえ、のんちゃん」

「ん? 俺達はいかないのか?」

「貴方は本当にのんちゃんなの?」

 不意に周りの空気の温度が下がった。

 
 ヒュッと


 風を切り、飛んで来たおふだを蒼月はギリギリで避けた。

 目の前には見たことも無い顔で佇む玖珂の姿がある。

「なんだよ桃姉!」

 ゆるりと玖珂の姿がブレた。

 手にはさっき投げたものと同じお札

 直線的に投げられたお札を避けるのは容易いが、問題は何故玖珂がそんなことをしたのか。

「返して……」

 小さな声が聞こえた。

「のんちゃんを返して!」

「どうしたんだよ桃姉! 俺は俺だよ!」

「喋らないで!」

「落ち着けよ!」

「のんちゃんの格好で喋るなぁっ!」

 お札から霊力が放出し、巨大な力が部屋を包み込んだ。

(桃姉が巫女なのは知ってたけど、これはかなりまずいな)

 渦巻く霊力の中。
 この状況を理解している者は誰一人としていなかった。
 

 

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