英雄様の非日常《エクストラオーディナリー》 旧)異世界から帰ってきた英雄

大橋 祐

異世界編エピローグ「月夜」

 間に合って良かった。
 今の俺の心にはその安堵だけがある。

 それでも疑問に思った。
 何故愛月が神力なんて使っていたのか?

 いや、まあ、大体の想像はつくが念のためな。

「なんか、力が欲しいかって聞かれたから」

「欲しいって言っちゃったのか」

「うん」

「んで、愛月を依り代にしてる神様は誰ですか?」

(誰かに呼ばれてやって来る! 呼ばれなくても突撃しちゃう、天照ちゃんと対を成す(タブン)月の女神さまツクヨミちゃん! サ・ン・ジョ・ウ!)

「月詠か……」

(アレー? お兄さん反応悪い感じ?)

 めんどくさいのが来やがった。
 てか、さっさと俺の正体に気づけよ!
 曲がりなりにも神だろ。

(んー、お兄さん、、、どっかでみたかも?)

「お兄ちゃん? 知り合いなの?」

「知らない。そんな奴は知らない」

 俺は話を逸らすために半壊した城に目を向ける。

「しっかし、あの龍。派手にやったなぁー」

「あっ! イムさん」

 そう言って倒れてるイムの方へと愛月は走っていった。

「おい、月詠、おまえ愛月に怪我でもさせてみろ。○してやるからな」

(分かってるよー、魔法神さま後輩くん?)

 チッ、気づいてやがったか。

(いや、気づかない方がどうかと思うよ?)

「お兄ちゃーん、早く早く。イムさん助けて」

 あんな龍程度じゃ、自然回復で十分じゃねぇのか?
 ま、いっかな。

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 そんなこんなで一ヶ月が過ぎた。
 異世界観光を楽しんでた愛月は可愛かった。

 俺? 俺は城の再建をしていたのさ。

 龍についてだが、千年前の神龍クラス。らしい。
 まあ、ここ数千年は現れないので安心したけど。

 日本に帰るときは知り合いの神様に頼んで異世界の時間軸をずらしてもらったので、帰っても何ら変わりはない。
 簡単に言うと映画の青ダヌキがタイムマシンを使えば出発した時間に帰れるから大丈夫と言っているのと同じ事だ。


 なんか忘れてる気がするけどいいか。

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「異世界人様を連れて帰れなかったんだけどどうしよう」





アツキ「なんでこんな遅れたんだーっ!!!」 

大橋「深い訳がありまして」

アツキ「なんだ?」

大橋「繋げ方が思いつかんかった」

 アツキの鳩尾! きゅうしょに あたった!

アツキ「では次回? 新たな物語が始まるそうです」

大橋「日常編……開始」ガクッ

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