第8話圧倒的な力を人は理不尽と呼ぶ

はい、前回のステータスを見ないとわからないかもですね。

「プルちゃんこれどんな感じ？」

「えっ？いやっこれは何というか」

「？」

プルは困惑している。
それもそのはずステータスの魔法関係が圧倒的に超人レベルなのだ。さらに言えば魔法神の偏愛などと言うスキルまであるからなのだ。

「まあ異世界人は強いと言う事にします」

「はあ？」

ガサガサ

「そこに何かいます」

「えっ？」

「GUUUUUU　︎」

愛月達の目の前に現れたのは、大きな犬だった。

「あれは、ウルフです」

「ウルフ？」

「はいまあ簡単に倒せますよ」

そう言ったプルは少し跳躍した後、拳をウルフの顔面に叩きつけた。

バギバギィ　︎

という音とともにウルフは絶命した。

「すごい」

「あははぁそんな事ないですよ」

「魔法…使えるかな？」

「さあ？私達獣人は、近接物理が主体なのであまり」

「「「GUUUUUU」」」

そして唸り声とともにウルフが数匹走ってきた。

「大変です！ウルフの群れが来ました」

「群れ！？」

「はい！　一匹なら簡単ですが増えると厄介です。私じゃ勝てませんので逃げましょう！」

「！」

「どうしたんですか？」

「なんかいけるかも」

「？」

愛月は自分の体の感覚がおかしくなっている事に気づいたおかしいとは、何かが自分の体を巡っているようなそのような状態を彼女は感じていた。

(魔法はイメージっ！)

【風魔法・初級を取得しました】
【風魔法・中級を取得しました】
【風魔法・上級を取得しました】

【初級・中級・上級を統合します】

【風魔法・応用を取得しました】

愛月の脳内にグー○ルのような音声が流れてきた。

(いける)

『《切断風ウィンドカッター》』

愛月の周囲の風の動きが変わり、やがて視認不可能な風の刃となる。
風の刃は真っ直ぐ向かってくるウルフ達に射出され

ズバァズバァズバァ

全員がどこかしらの部位を切られて絶命した。

「すごい」

プルがそう口にした。

「すごいですよあの短時間であれほどの魔法を使うなんてやっぱり異世界人はすごいですよ」

「ああうん」
(でもなんでいきなり使えるようになったんだろ？)

愛月のそんな思考を壊してしまう出来事が起こる。

「嘘っ！？」

「あれは」

「「「「GYAAAAGUGYAAA」」」

少女達の遥か頭上つまりは空に
漆黒の翼を広げ、
大きな頭部で声を震わせながら、
それはRPGの序盤では、まずでてこないであろう存在が。
こちらをのぞきこむ無数の個体達が。
そいつらをわかりやすく言えと言われたのならば
ほとんどの人間はこう答えるだろう
そいつの事を

「ドラゴン」と

ファンタジー世界では、欠かせない奴らが群れを成して少女達に目をつけた瞬間だった。