異世界の領主も楽じゃない〜うちのメイドは毒舌だけど最強です〜

長人ケッショウ

返答は決戦で

「あぁーやばい、もう吐きそう、俺こういうのは昔からだめなのに……いや、でも俺元々だめだめだから大丈夫……あぁーでも、やっぱり帰りたい……」

「何をおっしゃっているんですか、気持ち悪い」

「いや、シンプルに口悪っ!」

「さすが師匠です。僕も見習わなきゃ」

「ごめん、これ以上リルみたいなのが増えるのは本当に勘弁してください」

「頑張ってくださいねシオン」

「はい!」

「話を聞いてもらえない、俺一応領主なのに、てか、お前らは緊張してなさすぎだろ!」

「ただ会場の下見に行くだけですよ」

「いや、でもだなー」

「小言を挟んでないでせかせか歩いて下さい、ハル様の速度に合わせると日が暮れてしまいますから」

「んな訳あるか!」

レトロな様な、和風なの様な建造物が並び
様々な種族が溢れかえる皇都の街は初めて来た時より賑やかで、華やかだった

宿に到着した後、俺とシオンは部屋でリルを待っていた
部屋の中を見て回っている最中、リルも部屋に到着し、闘技場を見たことのないシオンの為に会場の下見する事に
馬車で移動も出来たが、街並みを見たいとシオンの頼みにより、徒歩で向かう事になった

「にしても、本当に異世界に来たんだなぁ……」

「何か言いましたか?」

「いや、独り言だよ」

「……気持ち悪い」

「だから、何でだよ!」


初めての皇都街にキラキラ目を光らるシオン
その隣で姉の様に微笑みながら皇都街の案内をするリル
まるで本当の姉妹の様な2人は見ていて微笑ましかった




「わぁー、おっきいですね師匠!」

「シオン、あんまりはしゃいでは迷惑になりますからほどほどにしなさい」

「はい、わかりました師匠」

宿を出て数分後闘技場に到着した
これで訪れるのは2回目になるが、やっぱり慣れない
始めて来た時より闘技場はやけに静かだった
あの時は、何も分からずリルに言われるまま行動していたが、改めて見回すと日本ではあり得ない光景に少し感動する


「あっれーー?何でハル様がここにいらっしゃるんですかー?」

……何でいんだよ、お前

ピンクの髪を元気に揺らし俺の周りをグルグルと回る少女

「……久しぶりだな、アリア」

「はい!お久しぶりぶりでーす!」

あざとくウィンクしながら敬礼してくるアリアは何故かリルやシオンと同じ様なメイド服を着ていた
少し違うのは2人よりはるかに丈が短い
なにそれ、新しいコスプレですか

「……」

「うーーーーーん」


俺の周りを回りながらしばらく体を眺めてくる
なに、ハル怖い

「ハル様、変わりましたね」

「え……」

いつもの元気いっぱいの笑顔ではなく、柔らかに微笑みながら変化を告げてくる
その笑顔は彼女の優しさを表している様だった
ちょっとだけドキッと来たなぁ……

「おーい、アリア、上が読んでたぞ」

「はーい、すぐ行きます。それではハル様また明日」

「お、おう」

また元気よく走り去っていく彼女を見送り
リルとシオンがいた方を見るともう居なかった
これ迷子じゃね……やばくね

「どうしよう、あ!アリアに聞けばってもういないんだった……」

1人迷ってあたふたしていたその時だった

「これはこれは、かの有名な無能領主ではありませんか」

その聞き覚えのあるねっとりとした口調は聞くだけで寒気がする
肩まで伸びた銀髪を揺らしと細く鋭い眼光、人を小馬鹿にした様な笑みの男

「あー!お前は…………テナント!」

「ティンデッヒだ。人の名前も覚えられないなんて、バカを通り越して無能だな」

「な、何だと!」

「おー怖い怖い、まるで怒った駄犬の様だ」

「言わせておけば、色々言いやがって明日覚えてろよ!」

「はっ、ははははは!」

「……」

「お前、俺に勝てるとでも思ってるのか、これはまた滑稽な事で」

「……」

「いいか、駄犬がいくら足掻いたって獅子には勝てないんだよ」

「……」

「何も言い返せないのか、ほらなやっぱり無能だな」

「……負け獅子の遠吠えかよ」

「ふん、嫌味もそれ程度か」

「駄犬でも隙さえあれば喉元噛みちぎる事を忘れんなよ」

「その隙があれー」

「ある」

「ーーーーっ!」

「必ずだ……」

「……ふん、まぁ最期の晩餐を楽しむ事だな」

薄気味の悪い顔を歪め嘲笑し、去っていく

……また、喧嘩売っちまった……リルには黙っとこ……

ーそして反撃の朝を迎える

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