異世界の領主も楽じゃない〜うちのメイドは毒舌だけど最強です〜

長人ケッショウ

思いもしない来客

やばい、やばい、やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい!
今、リルはなんて言った
お金が無い。そんな絶望的な状況どうしろってんだよ
こんなのスライム討伐より無理ゲーじゃねぇか!

「……じゃあ、今までどうやって生活してきたんだ?」

「正確には雇う資金が足りないだけで、生活は領民も我々も安定しております」

「……なるほど、とりあえずだけどゲームに参加可能なのって今誰がいるんだ?」

「私とハル様のみです……」

「え、待って俺も戦うの?」

「はい」

あの戦いに俺が参戦………………いや、無理だろ
考えただけで身体中の鳥肌が全開するわ

「ダメ元で聞くけど、俺は不参加じゃー」

「ダメですね」

「はい、きた、即答!ですよね!もう清々しいくらいにわかってました!」

「ハル様失礼ですが、おっしゃってる事があのクズ野郎様と同じですよ」

「わかってる、わかってるけど……俺多分最弱だぜ」

「私が指導致します」

「え、リルって戦えるの?」

「これでも私は元……そう、元騎士見習いでしたから」

「そ、そうなの!」

「はい、中級魔法なら大体使えます」

「主人よりハイスペックなメイドって……てかもう領主いらねえじゃんか!」

「そうですね」

「いや、そこは否定して、てか即答するやめろ」

「これはついつい本音が漏れてしまいました」

「本音怖っ、もう、メイド恐怖症なりそう」

「さて、茶番はそれぐらいにしてあと1人どうしましょうか」

「茶番て……確かに困りもんだな……」


リル曰く領土戦争のルールでは、サードゲームは3人出場しなければならない
リルを含めてあと2人……いや、1人か……

思考を巡りに巡らせて、何かいい方法が何か必死に考える
高額の利子を覚悟で他の領主に金銭面を助けてもらう
領民から了承を得て1人戦士を出してもらう
……誰かを誘拐して戦士を出場させる
どの作戦も、裏目に出そうでなかなか行動出来ない
特に一番最後の案なんてただの犯罪だし

悩み疲れて頭がクラクラする
容量の少ない頭を乱暴に掻いていると優しい紅茶の香りが漂ってきた

「リラックス効果のある葉を使用した紅茶です」

口が悪くてもメイドはメイド、リルが試行錯誤している俺に気を使ってくれた

「あぁ、ありがー」

感謝の言葉を伝える最中、ガシャンと窓の割れる音が屋敷に響く

「な、なんだ」

「……わかりません。ですが、良い報告とはならないでしょう」

「それって……どういう事」

「誰かが屋敷に侵入してきたという事です」

そう言うとリルは静かに両手に少し大きめの黒いダガーナイフを構え部屋のドアを睨む

廊下の方からブーツが擦れる音が聞こえる
音が近づいて来る度にリルの視線がさらに鋭くなり、まるで蛇に睨まれたカエルになった気分だ

俺どうなっちゃうんだよ…………

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