異世界の領主も楽じゃない〜うちのメイドは毒舌だけど最強です〜

長人ケッショウ

失敗は成功の元だよね……

「……ハル様、貴方はご自分が何をしでかしたかお分かりですか」

「本当にすいませんでした!」

リルの冷たい視線が痛く、言葉交じりに感じ取れる怒りが床に額をつけ礼儀正しく膝を曲げ土下座していてもビシビシ伝わってくる

遡ること数時間前




人間を人間と認識せず自分にとって都合のいい道具として扱う領主に憤慨し、呆気なく勝負を挑んでしまった

そして今、この件を後ろから見ていたリルにかれこれ3時間近く正座で説教をされている

「……はぁ、今後どうするおつもりですか」

「いや……その、考えておりません」

「……まず、領土戦争のルールから学びますか?」

リルが冷たい口調からいつもの口調へ変わった
思わず顔が緩んでしまい、リルが冷ややかな視線を向けて来る
立ち上がり精一杯の誠意が伝わるように深々と頭を下げて

「お、お願いします!」

「はい、ハル様のご指示とあらば」




「ーとなります、理解できましたか?」

「つまりは、領土戦争は今予選を開始中で、本戦に残れるのは100人いる領主の内たったの15人のみ
さらにゲームにはファーストゲーム、セカンドゲーム、サードゲームの3つが存在し、ファーストなら1対1、セカンドなら2対2、サードなら3対3で勝ちが多い方の勝ち、もしも勝ちが同等だった場合延長戦でもう一試合行う」

「はい、そしてハル様は現在予選最下位です」

「で、あのクソ領主が挑んできたのがサードゲーム」

「はい、その通りです」

「じゃあ、3試合中2回勝てば勝ちというわけか」

「ですね」

「じゃあ、頑張れば勝てるじゃないか!」

「…………」

「……どうした」

「申し上げにくいのですが、我々の領土に勝ちはほぼ無いかと……」

「え!な、なんでだよ!だって、勝てばいいんだろ」

「心して聞いてください」

「え、あぁ……」

深く深呼吸して息を整えるリルを見て気が気でなく
冷や汗が頬を伝って落ちる

「我々の領土は……人手が足りて無いんです」

「……なんだ、そんなことか。それなら集めればいいじゃんか」

「雇う事も出来なくは無いですが」

「お金を払って雇うのか?」

「はい」

「それでもいいんじゃないか」

「……お金が無いんです」

「…………えぇぇぇぇぇ!」

異世界にきて早速無理ゲー開始

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