異世界の領主も楽じゃない〜うちのメイドは毒舌だけど最強です〜

長人ケッショウ

俺一応ご主人なんだよね……

「何をそんなに驚いているのですか?」
不思議そうな顔でこちらを見ているメイド

「え、いや、ご主人って……そうか!」
昨夜のことを思い出して、一人納得する

昨夜、異世界に行けるという噂に興味を持ち試した
そして、成功して今異世界にいる……

「やっばいな……」
顔が不意ににやけてしまう、メイドがそれに冷ややかな視線を向けてくる

「まぁ、おかしいのはいつもの事なので心配しなくてもよろしいですね。とりあえず、汗を流してきてください」

メイドはため息混じりに毒をはく

「あ、はい……えーと、名前何でしたっけ?」
「誰のですか?」
「いや、あなたですけど……」
「はぁ、何をふざけているのですか?ふざけるのは、顔だけにして下さい」
「……」
「え、まさか本当に覚えていないのですか?」
「そのー、何というか……はい」
「……本当に大丈夫ですか?」

メイドの澄ました顔が不安の色を浮かべる
が、少し考え直ぐに状況を理解し一人納得する

「……私はリル・マクリルですよ」
「リルさん……」

名前を呼ぶとリルはまるで汚物を見るかの様な眼差しで見てきた

「リルさん、いや、えーと……リルさん……」
「あの……リ、マクリルさん」
「ご主人様、”さん“ずけはおやめください、気持ち悪いです。いつもの様にリルとお呼びください」
「あ、はい……」
「本当に覚えて無いみたいですね……とりあえず汗を流してきて下さい、話はそれからしましょう」

ベッドから出てリルに案内されて浴室に来た
浴槽は旅館にある温泉くらい大きく、ワクワクしてついついはしゃいで泳いでしまった

風呂から上がると、新しい洋服が丁寧に畳まれて籠の中に置いてあったので着替えて浴室を後にした

リビングに案内され、テーブルに用意されていた高級ホテルで出される様な朝食を食べ、一息つく
「どこまで、覚えているのですか?」
唐突にリルが質問して来た
「な、何がですか?」
「ハル様の身の回りの事についてです」
「え、あ、えーと……ほとんど、覚えてないです……」
「なるほど……では、説明いたします」
「あ、はい……」

それからリルから、この国について色々教えてもらった
……時々彼女の吐く毒が心に刺さりまくった

ここはアイテール皇国といい
領主?と呼ばれる人が百人ほど存在し、
この国は領主たちの中から最も領地を持っている領主がアイテール皇王、いわゆる王様となるとらしい
また、この国では領主同士の領地の奪い合いが容認されており、領主たちの合意により領地戦争が勃発している
戦争に負けた領主は勝った領主の奴隷になるか、死ぬかを選ぶ。

そして俺はその領主の一人となってしまっていた……

「異世界の領主も楽じゃない〜うちのメイドは毒舌だけど最強です〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く