火炎幻術 焔時空

時宮時空

第六話 逆逆転

 車がある建物の前で止まった。モダンな家なのだがどこか異様な雰囲気を放っていた。
 夢香は無理やり車から降ろされた。もう、夜の10時くらいになるのかな?
そんなことを考えていたが少し助かる自信があった。―親の通報だ

「おい、こいつの携帯のメッセ見てみようぜ?」
助手席にいた男がいった。
―だめ!
 叫ぼうにも怖くて叫べない。さっきまでは言えたのに。

「ホォホォ、パスワードか。」
助手席に居た男が言った後、家の中へ連れられた。
運転席に居たと思われる男が夢香の髪を強引に引っ張っていく。

―やめて!
 声にだしたつもりだが自分の声が聞こえない。

「お前さん、声は封じてあるんだよ。残念だが叫べない。」
そういって笑みを浮かべた。

「おい、お前こいつどうする?」
助手席男が言う。

「焦るな。雨雲あまくも。こいつは火煉さんに届けないとな。今はここで閉じ込めておくだけだ。」
助手席に居た男の名前は雨雲らしい。

「分かったよ龍牙りゅうが。監禁だけじゃ物足りん。なんかほかにもさ」

「黙れ。携帯の確認からだ。」
龍牙と呼ばれる男がくい気味に言う。
 リビングにあるイスに夢香は座らされた。

「おぉい、パスワード教えろよぉ?」
雨雲が言う。龍牙が夢香の首元に注射をする。

「教えない!」
声が出た。出ないと思っていたのに出たため夢香は驚いてしまった。
すると龍牙がポケットからナイフを取り出した。
夢香の首筋に当てる。

「おい?本当にいいのか?ここで死ぬか、精神的に死ぬか?」
龍牙が言う。
―どういうこと?精神的に死ぬって...

「クックック、意味を理解できないのか。純粋だなお前は。汚しがいがある。」

「どういうこと!」
夢香は叫んだ。

「聞いて後悔するなよ?過激派の慰み者にするんだよ」
え?嘘でしょ?

「はっはっは!純粋な野郎は本当に汚しがいしかないな!はっはっは!」
部屋中に龍牙の笑い声が響いた。

 駄目だ!デデコミズは謎の胸騒ぎを感じた。デデコミズは急いで着替える。
携帯のクラスグルを確認する。そこには出雲が夢香が攫われたと送られていた。
―くそっ!助けに行かないと!
デデコミズは出雲が言ったことを信じて急いで家を出る。
走る走る走る。とにかく勘で走る。ここら辺かな?で走る。
胸騒ぎがものすごく強まった。そのデデコミズの横には怪しげな建物があった。
―ここから感じる...
デデコミズが窓からそっと覗く。幸いカーテンは開いており中が見える。
その中には―夢香がいた。

―あっていたか!
デデコミズは犯人らしき男にでこを向ける。

―大気中のエネルギーをデコに集中させ、空気を押し出し放つ波動技...
―いけ!デコビーム!


「すいません火煉さん!!」
風間は火煉に通話で謝罪した。

「そうなのね...」
風間は火煉はてっきり怒鳴るかと思ったが「そういうこともある」とやさしい言葉が返ってきた。
なによりも驚いたのは火煉が女であったことだ。だがこれは風間が火煉の声を聞いたときの推測にすぎない。意外と清楚なイメージがとれた。
 ASNに過激派が顔を出した。

<やあみんな。雨雲が夢香を監禁しているらしい。火煉さんに報告したいんだが通話中でできない。まあ欲求不満の野郎は後でおくる位置情報からいきな。雨雲たちがいるさ>

「あら、風間君、一旦切るわね。今から個人チャットであるファイル送るからその指示通りにしてね。そしてミズに逆逆転をしましょう」
そう言って火煉は通話を切った。その後火煉から届いたファイルを開く。

―ほう、そうすればいいのか
風間は指示通りにミズへ逆逆転計画を進める。
 ミズに何も加工をせずに通話をかける。ミズが出る。

<用か?風道。>
その名前で呼ばれるのは嫌だ。

「用しかないさ。まあ今回ミズに多額の金を渡したくてな。やっぱアババー教を管理してくれててありがとうと感謝の意をこめてな。場所は―だ。」

<ほう。そんな簡単なわなにはまるとでも?>

「まあこちらは殺人依頼した証拠を持っている。こないのなら警察に突き出そうか?」

<・・・まあそこへいついけばいい?>
火煉の指示通りだ。ミズのリズムが崩れている。

「今すぐいけ」
そういって切った。ふぅ、第一関門突破。次は金のケースに発信機と盗撮盗聴器をつけるか、なかなか犯罪じゃないか。やってやる。
 風間は準備をすませ場所へ足を運ぶ。緊張で胸が張り裂けそうだ。時刻は12:33。

―だいぶ遅いな...あいつ逃げたか?
風間が待っているとミズが到着した。
 思ったより長身でがたいもいい。

「やあ風道君。君に会えるなんて光栄だ」

「おう、君はミズか?」
風間はストレートに切り出した。

「ああ、そうだ。」

「じゃあこれを」
そう言って風間はケースを渡した。

「中身はどれくらいだ?」
ミズは中身を確認せずに言いながら立ち去ろうとする。

「中身か?5000万円だ。」

「ほう。ありがとう。パスワードを最後に教えてくれ」
やはり見逃してなかったか。このロック付きのケースを指示されて見つかるは、計画済み。最難関はここからだ。

「5237だ。」
ミズは本当のパスワードか確認した後その場を去った。その直後、ケースが爆発した。


――これが後に起こる戦争の引き金になるなんて誰も知る由もなかった――




あとがき
テスト期間なのに小説をかいてます、だめですね(汗)
まあ朝にかいてますんで!
はい今回はデデコミズが技放ちましたね。あの技は友達のを参考にして出しました。
どのような技かも正確に聞きました。はい。
これが逆逆転となるのかどうか!カバー表紙は仮です。できる限り時空の画像にしたいんですがね...
では次回予告!第二章最後です!!どがーんです!!!お楽しみに!!!!

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