火炎幻術 焔時空

時宮時空

第四話 行方

 夢香ちゃんを連れ去りやがって...!!!
 出雲はなぜ前からもっと話してなかったのかと今更ながらに後悔する。

 人は無くなってはじめてわかるのか..そんな、夢香ちゃんがいきなりいなくなるなんて考えたことも無かった...
出雲はどことなく歩き始めた。靴が脱げていたこと、血が出ていたことなどもすべて後悔と喪失感によって消された。

「どうした、出雲?」
聞き覚えのある声―時空だ。

「時空、なんでここに?」
出雲は力なく口にした。

「暇だったから散歩していただけだ。なるべく人が多いところは避けたかったのだが君が馬鹿みたいに走っていたから来ただけだ。」
皮肉を混ぜて言う。

「はは。馬鹿みたいか...そりゃそうだ。―夢香ちゃんが連れ去られたもんな」
出雲はそういった後、力なく下を向いた。

「!?それは本当か?出雲。」

「嘘ついてたらこんなんにまでなってねえだろ。」
出雲は傷だらけの体を見せた。演技でこうまでするのは変人以外ありえない。

「そうか」
時空はそう答えると出雲の肩をとった。出雲は驚きの表情を浮かべたが、何も話はしなかった。
時空は「嫌なことをきいてしまった」と、耳元で囁いた。

 その夜、アババー教信仰者ネットワーク、通称ASNは静まることは無かった。
火煉の登場により、大盛り上がりを見せ、トンケ殺害についての裏をすべて話した。
火煉の案はASNのものが考えていたとおり警察には絶対に言わないことだった。
火煉はASNのコンピューター系担当の風間にミズの携帯端末をハッキングするように言った。
かつこにはボイスチェンジャーを使ってミズと通話をするように言った。

いいわよん、火煉ちゃん。
 すばやい手さばきでボイスチェンジ機能を加えたマイクを出す。
パソコンにつなぎパソコンでミズに電話をかけた。


風間は火煉にミケネコ連合の関連するものをハッキングしろと指示を請け、すぐさま作業にとりかかった。
 パソコンと向き合い、立ち上げるとハッキング用の自作ソフトを立ち上げる。
事前に入手したミケネコ連合の主要パソコンと思われるもののIPアドレスを打ち込む。
すると正確な位置情報とともに乗っ取るためのパスワードが表示された。
 風間は続けて子機のパソコンの情報データベースを見る。ミケネコ連合の情報すべてが手に入った。更にミケネコ連合の者全員の電話番号を入手した。

トンケ様の仇、討ってあげます!
 風間は心に決め、ありとあらゆる情報を引き抜いた。


 火煉はASNにて指示をだした後、コーヒーを飲みながら一息ついていた。
 トンケはASNの存在を知っており、そこにたびたび顔をだしては加護と題して金を渡していた。
 ASNをたちあげたのは火煉と風間。すぐにアババー教信仰者が集まってきた。日に日に増加する一方でリーダーは火煉のまま変わることは無かった。
顔も性別も明かしてない火煉は毎日火煉に従うものを見て満足していた。

しかし、トンケ様を殺したって、叛逆が大きくなりそうね...
 火煉は心の中で思った。トンケの件で騒がしくて仕方がない。ゆっくり休息をとることもできない。
 しかし、トンケが死んだことで金の行き先は火煉になった。火煉はそれが何よりの幸せであった。
 あの事件以来、火煉は行方を暗まし、自分が行った罪とともに生きてきた。
奴のおかげで性別転換をしたため犯人と疑われることなくいるため事件のことはどうでもいいとさえ思っていた。火煉が起こした残虐で、非道な事件。
 金のために闇金経営や麻薬密売など裏でバンバン稼いでいた。いつしか知名度もあがり、裏の世界のもので火煉の名を知らないものなどいないほどにまで力をあげた。
 この国で禁じられている兵器や武器の貿易なども行い財力は並大抵のものではなかった。
そうやって得た腐った金こそが本当の金だとさえ思っていた。
 だが、豪華な家など建てなかった。すべては裏世界のもののために大きな土地を買い、そこに闇金会社や武器売買店、ギャンブルなどさまざまな闇商店街に金を注いだ。
 またしてもそこから金は入る。火煉は生活には苦も何もなかった。トンケが死んだことで更に金が入る。そう思うと体が震える。

神のための金も私がすべて闇の腐ったものにね.....
 火煉はコーヒーを飲み終えた後、ASNに何かを書き残して、パソコンをシャットダウンした。


あとがき
最後まで読んで下さりありがとうございます。
今回はいつもにまして300字ぐらい増やしました。長すぎると読むのも面倒になるかもしれませんがお付き合いいただければと思います。
さて、夢香はどうなったのか、火煉の目論見は、事件とは!?
 お楽しみに~

「火炎幻術 焔時空」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「学園」の人気作品

コメント

コメントを書く