火炎幻術 焔時空

時宮時空

第一章 炎の傷

 主な登場人物
 焔時空 母 父 医者


 -とある病院ー
「大丈夫です、もう少しで産まれます!」

「はぁ、はぁ、はぁ、」
荒い呼吸。

「呼吸を整えて!ゆっくり息を吐いてそして大きくすって!深呼吸です!」
おぎゃー!と元気な泣き声と共に赤ちゃんの頭が出てくる。
何かおかしい。いち早く異変を感じ取った。

「大丈夫なんですか?」
看護婦が小声で聞く。

「気付いたか。残念だが、見せられないかもな...」
数分後

「元気な赤ちゃん産まれましたよ!」
異変に気付かなかった看護婦が言った。

「はあ、はあ、はあ。私の子供...どんな子かしら...」

「一旦、保育器に入れますね...」

「まだ顔を...」
だめだ、もう見せるしかない。目で合図を送る

「イヤァァァァァァー!!!!!!」
やはり。予想通りの反応。
なぜならその産まれてきた子の左目には一筋の傷が。そしてその傷は
ーーー赤く光を放っていたーーー


 母さん、父さん。喧嘩しないで仲良くしてよ...ねぇ、ねぇ、、、
口にすることは出来なかった。

「そんなね、人をだますような職業をして儲けるなんて詐欺と一緒よ!!!しかもちゃんと成り立つわけ?私は信じないよ、そんなものがこの世・・・に存在するなんて!」

「バカを言って!おれは実際に見えるんだ、詐欺なんかではない!なんで信じてくれないんだ..あの時の君は信じてくれたのに..」

「嘘をつくならもっとましなものにしてよ!下手すぎるの嘘が!あの時はね、楽しんで聞いてたけど本気の嘘って何よ!もういいよ。あなたとは今後やっていけない。」

「なんで...おい...」
次に母が放った言葉は、時空を酷く傷つけることとなった。

「時空も..目の傷が赤いし、こんな普通じゃない子なんて嫌よ...」
時空はその場で倒れてしまった。5歳と幼くして意味を理解していた。

「なんて母親だお前は!!!血も涙もねえ奴だな!おれが親権を持つ、おれが時空を育てる。」
母親は家を出て行った。


あとがき
今回は短いですがここまでです。プロローグ的なかんじです。
時空の過去を一部から一章スタートです。第一話からは学園に移ります。
時空の過去は今後をお楽しみに。

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