復讐の命 リキ

ソーニャ

6/限界/


リキが謎の陰に深い催眠術をかけられ、そして次に目覚めるとそこは見たことも無い、だが光景は昔に似ている場所だった。

「…ん…?…あ…?」

意識を取り戻したリキは自分が全く身体を動かすことができない事に気が付いた。

そして、瞬く間に背後からの悪寒に気が付いた。

「き…さま…は…さっき…の…」

リキが、意識を取り戻しながらその背後から前にやって来た、もとい刹那的に立っていた影の真相を目視した。

「…え、?…いや…え?」

リキは戸惑うに戸惑った。その顔の正体は化け物でもなく、少し前に見た、ロジー爺の隣に留まっていたメイド長であったからである。

「私の影は、少しばかり遊戯に目が無い故に、甘い誘惑をするのがとても好きなのです。一時の事ではありましたが最後の遊戯は楽しめましたか?」

メイド長が顔一切変えずに、手を武佐棒に広げると、メイド長の背後からさっきリキを奇襲した影が現れた。

リキは、その影を見ると顔が強張った。

「それは、お前の“所有物”か?それとも“契約者”か?」

そう吐き捨てるが、メイド長は特に返答はしなかった。が、

「質問をします。あなたは、ここに何をしに来たのですか?暗殺ですか?窃盗ですか?まぁ、ナイフと眼鏡があったということは、暗殺でしょうけれど」

はぁ、と何度も処理が面倒くさいと言うような顔を浮かばせ、リキに問いかけてきた。

「…それを言ったらあんたは解放してくれるんか?」

「まず、“私”の傭兵を殺した時点で貴方のような鼠を生かして返すという訳にも行かなくなりました」

(あぁ、“私”のね…。)

「しかし、それはそうとあれではお前がどれだけ強いとしようとも、が弱ければお前はそれほどという存在なんだよ」

「………!!!!」

そして瞬間、束縛している鎖が強くリキを縛った。

「人間に完璧など無いのです。完璧に何もかも行くというのなら、それはもう人間ではないでしょう…!」

メイド長は、教え子たちの侮辱を、そして自分の未熟さをその言葉を作り逃げた。

「そうだ、現に俺もお前も失敗を成している。だがどうだ?失敗を重ねるに連れ、経験を得た、技術を得た、センスを磨いた、思考が変わっただろ?

 だが、お前は失敗してどうだ?それを他の言葉で置き換え、完璧など存在しなかったとたかがそれだけのことで弟子があんなに屑になったのじゃねえのか。ただ、自分の理念を変えることができない拷問耄碌もうろくメイドさんよ?」

突如、彼女の手から黒い霧が現れ鎌を造り出し、リキの左右腕、左右太ももに15の切り傷が付けられた。

「ぐ…ぁ…」

リキは、いつも味わっていた痛みの記憶が脳裏に映し出されながら少し苦痛を口にこぼした。

「あなたに…私の一つでも記憶に残っている事があるならば何か物事一つ言える立場でありましょうが…あなたは…私の…何を知っているというのですか…!!」

メイド長の背後にいた影がリキに向けて首をつかみ、そして絞めた。

リキは苦しそうだが…不意に笑みをこぼした。

「あぁ、その通りだよメイド長、俺はあんたの武勇伝なんか聞いちゃいない。聞きたくもない。だがな、苦しみの後にやってくる復讐は…とても怖いぞ?」

そして、今までリキを束縛していた鎖が突如として分裂し、影を光によってかき消した。

その光景を間近に見たメイド長は恐慌し、すぐにリキの近くから後退した。

「何をしたのです…!?それは普通の鎖ではなく、霊力を使い、強化したものです…!」

「あぁ、霊力か…そんなもの俺にとっては関係ねぇよっ!!」

鎖の呪縛から解放されたリキの手に破壊された鎖が集合し、そして白く光り、小さなダガーと成した。

「それは…錬金術っっっ!!!!」

そして、リキはメイド長に向けて一気に詰めより…

「これで…終わりだ!」

リキはそう言い、右手に持つダガーをメイド長の心臓に突き刺した。

「がッ…ぐ…ガハッ!」

メイド長はその場に倒れ、口から溜まった鮮血が吐かれた。

「人間はな、たった一回の行動だけで他人を殺せるんだ。そんなに…酷く、脆い生物なんだ…」

必死にまだ生きようとしているメイド長に、その言を残し、そしてまだ持つダガーで安らかに眠らさそうとした。が、

「ま、ま…て…」

必死に何かを訴えようとするメイド長は目は虚ろながらも、強い意志があった。

「この…ペンダ…ント……と……い……しょ…」

メイド長の手から出された金に包まれたペンダントが、リキに託された。

「…分かった」

メイド長から託されたペンダントを胸に起き、そして、リキは手に持つダガーを力強く胸に振り下ろした。

ぐしゃりと骨を貫通し、心臓を切り裂きそして、ペンダントを破砕はさいした。




「…結局最後には、そうなんだよな…誰だって…」

リキは悔しい顔を浮かべながら、ペンダントに入っていた一つの写真を一瞥した。

(こんなに笑ってんのに、暗殺…ね…)

そこには中心にいる家主と周りで一緒に笑っているバリー達と他6人の男と、そして…笑っているメイド長が写っていた。

リキはもう何も見ず、次のタゲに切り替えた。

(終わらせよう、いち早くこの仕事を…)

そして、また一つ一つ足を前に踏み出したリキだった。

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