復讐の命 リキ

ソーニャ

0/逆襲/

いつもと同じ暮らしはもう飽きたから刺激が欲しいと思った。

しかし、そんなことは杞憂であった。

元より、刺激を求めたいという概念が間違っていたのだ。

その“刺激”がある世界の民のことについて考えた事はないだろうか。

そこは残虐で堕落した残忍な場所である。

そこにいる者はこう言った。

『何故、こんな世界に生まれてきてしまったのだろう。この世に誕生して幸を得られるものは“上”の者だけだろう…あぁ、もしも“上”の者になれたら今にこんな所なんて…』

この者はその世界に居た者であり、最も不幸かつ理不尽な階級である。

それは肉奴隷よりも酷いものであり、上の者には絶対服従かつ逆らう者は獄門の刑と課される。

そんな世界にもしも生まれてしまったら?

自分が奇跡的にも恵まれた所で育つのであればそれ以上に裕福なものはないだろう。

だが、この世に生まれてしまった一人の男はそれにならなかった。

そんな男が生まれして10年後には奴隷の一員になると聞かされた時、一目散に思いついたのは“それ”からの逃亡であった。

だが、実際には独りで何とかなるはずもない周りの同胞達に協力を頼みこんで、厳密かつ完全なる逃亡計画を練り上げた。

そしてそれは成功した。だがその者が“それ”から出た途端に後ろからサイレンと共に同胞たちの叫びないし悲鳴が絶え間なく耳に入ってきた。

殺された同胞は数人ではなく、数十を超えるものだった。

その者は自分だけ助かった事に関して憎悪を覚えた、悲観した、泣きじゃくった。

その者は一切仲間に頼らず、犠牲にせず自身の身を、他の者を救うことができるまでに鍛錬を続けた。

苦しい、死にたいなんて事は無数に至るほどに思った。だがここで自分が途絶してしまったら必ず後悔すると明白に記されていたのでそんなことを考える度に前の仲間を思い出し、勇気として受け入れられた。

鍛錬して5年、その者はまた“それ”に現れることになる。

かつての使命をやり遂げるために…


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