世界がゲーム仕様になりました
vs赤毛の熊②
とにかく鼻を潰して逃げる!そのために確認しなきゃいけない事がある。
「雅人、受け切れるか?」
「無理。でも、受け流すくらいなら何とか」
「十分だ。で、攻撃の要は君に任せたい。俺が奴の近くに行けば俺の匂いのする方に攻撃してくる筈だ。それを雅人が受け流す。上手く受け流せたら君が鼻を潰してくれ」
「加耶!ファイアボール!顔面!それが合図だ」
「「了解!」」
「加耶が打ったら後衛組は全員逃げろ!絶対に俺たちも追いつく!カウント、3、2、1、ゴー!」
加耶の詠唱速度に合わせた指示とカウントで最短時間で行動を始める。
ファイアボールが奴の顔面に当たった。恐らく自身から立ち昇る焦げ臭さで、近くに行くまで俺を見失う筈だ。
と、言いつつもう奴まで5メートルしかない。
3メートル、2メートル、気付かれた!
攻撃動作に入ったところで、雅人と前後交代。
奴の腕が振り下ろされ、雅人が地面に斜めに突き立てた槍の柄を滑っていく。
そのまま先程のように地面に達し派手に破片を撒き散らす。
その瞬間
「やあああぁ!」
鼻への斬撃。でも、
「浅い!いや、硬い」
なら
「持っていけ、クソ野郎!」
俺が自分の剣を鼻に深く突き刺した。同時に
パキンッ
半ばから折れた。
ごめんな。雑に使って。
手元に残った刀身が半分になった剣を鞘に納めながら謝る。
「逃げるぞ!!走れ!!」
俺たちは、反転して逃げ出した。
まだそう時間が経ってないとはいえ、後衛組に追いつくのは暫くかかる、筈だった。
「何で、何でまだ逃げてないんだよ!!」
「おいおい、何やってる!?」
「な、何で!?」
俺たちからの批判には加耶が答えた。
「この子達3人が腰抜けて走れないって!」
例の3人組の事だ。
前衛3人からすれば、いい迷惑だ。
勘弁しろよ、クソが!
ドゴォ!!
は?
ほんの数十センチ後ろから、轟音。
俺たちにその巨躯の影を落とすのは、赤毛の熊。
「振り向くな!全力で走れ!!」
鼻は確かに潰した!目も絶対見えてない!いや、もしかしたら右目が辛うじて見えてるか?いや、いや、ないだろう。
「まさか、耳?音か?」
ふざけんな、ふざけんな!逃げようがないじゃないか!
ドゴォ!
再び、轟音。心なしかさっきより小さいか?
まあ何れにせよ食らえば死ぬことに変わりはない。
戦うか?勝てないのに?いや、勝てる可能性は出てきてる。本当に?
ドゴォ
轟音。ではないな。明らかに威力が落ちてる。
コンクリはまだ砕けてるが、破片は飛んで来ない。
砕けてると言うより、割れてるだけ?
チラッと振り向いてみる。
「距離が、離れ、てる」
ていうか、息切れしてる。
・・・そうか、鼻を潰したから息が。
「加耶!顔面、いや、口、狙って、水!」
「わ、分かった!」
走り続けること数秒、頭上を水球が通り過ぎた。
バシャッ
水の当たった音と同時に立ち止まり、振り返る。
予想通り、水が気管に入って苦しそうにしている。
「雅人、やるぞ」
「おう!」
「加耶!奴の息が整わないよう定期的にさっきの頼む!白亜はいつでも治療出来るように構えててくれ!」
「「了解!」」
さあ、ここからが本番だ!
「雅人、受け切れるか?」
「無理。でも、受け流すくらいなら何とか」
「十分だ。で、攻撃の要は君に任せたい。俺が奴の近くに行けば俺の匂いのする方に攻撃してくる筈だ。それを雅人が受け流す。上手く受け流せたら君が鼻を潰してくれ」
「加耶!ファイアボール!顔面!それが合図だ」
「「了解!」」
「加耶が打ったら後衛組は全員逃げろ!絶対に俺たちも追いつく!カウント、3、2、1、ゴー!」
加耶の詠唱速度に合わせた指示とカウントで最短時間で行動を始める。
ファイアボールが奴の顔面に当たった。恐らく自身から立ち昇る焦げ臭さで、近くに行くまで俺を見失う筈だ。
と、言いつつもう奴まで5メートルしかない。
3メートル、2メートル、気付かれた!
攻撃動作に入ったところで、雅人と前後交代。
奴の腕が振り下ろされ、雅人が地面に斜めに突き立てた槍の柄を滑っていく。
そのまま先程のように地面に達し派手に破片を撒き散らす。
その瞬間
「やあああぁ!」
鼻への斬撃。でも、
「浅い!いや、硬い」
なら
「持っていけ、クソ野郎!」
俺が自分の剣を鼻に深く突き刺した。同時に
パキンッ
半ばから折れた。
ごめんな。雑に使って。
手元に残った刀身が半分になった剣を鞘に納めながら謝る。
「逃げるぞ!!走れ!!」
俺たちは、反転して逃げ出した。
まだそう時間が経ってないとはいえ、後衛組に追いつくのは暫くかかる、筈だった。
「何で、何でまだ逃げてないんだよ!!」
「おいおい、何やってる!?」
「な、何で!?」
俺たちからの批判には加耶が答えた。
「この子達3人が腰抜けて走れないって!」
例の3人組の事だ。
前衛3人からすれば、いい迷惑だ。
勘弁しろよ、クソが!
ドゴォ!!
は?
ほんの数十センチ後ろから、轟音。
俺たちにその巨躯の影を落とすのは、赤毛の熊。
「振り向くな!全力で走れ!!」
鼻は確かに潰した!目も絶対見えてない!いや、もしかしたら右目が辛うじて見えてるか?いや、いや、ないだろう。
「まさか、耳?音か?」
ふざけんな、ふざけんな!逃げようがないじゃないか!
ドゴォ!
再び、轟音。心なしかさっきより小さいか?
まあ何れにせよ食らえば死ぬことに変わりはない。
戦うか?勝てないのに?いや、勝てる可能性は出てきてる。本当に?
ドゴォ
轟音。ではないな。明らかに威力が落ちてる。
コンクリはまだ砕けてるが、破片は飛んで来ない。
砕けてると言うより、割れてるだけ?
チラッと振り向いてみる。
「距離が、離れ、てる」
ていうか、息切れしてる。
・・・そうか、鼻を潰したから息が。
「加耶!顔面、いや、口、狙って、水!」
「わ、分かった!」
走り続けること数秒、頭上を水球が通り過ぎた。
バシャッ
水の当たった音と同時に立ち止まり、振り返る。
予想通り、水が気管に入って苦しそうにしている。
「雅人、やるぞ」
「おう!」
「加耶!奴の息が整わないよう定期的にさっきの頼む!白亜はいつでも治療出来るように構えててくれ!」
「「了解!」」
さあ、ここからが本番だ!
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