世界がゲーム仕様になりました
勧誘5
とりあえず結論は言った。満足だ。
よし、雅人と加耶連れてここから立ち去ろう。雅人はさっき見かけたんだけど、華耶はどこだ?
あ、いた。ていうか、女子は女子で取っ組み合いしてたんだな。怖。
「なんで?」
「え?何が?」
「なんで私を勧誘しないの?」
「だから、俺の求めるヒーラーは捨て駒だから・・・」
「だったら、私でもいいよね?私をその捨て駒のヒーラーにすればいいんじゃないの?なのに、なんで私を勧誘しないの?」
うわぁ、聞いて欲しくないこと聞かれた〜。言いたくなかったから言わずにスルーしてたのに。
でもまあ、聞かれた以上は言うしかないよな。
ていうか言わないと許してくれそうにない。単純に疑問に思ってるだけのようで何故か怒ってるみたいだ。
ほんと、なんでなんだか。
「ねえ、なんで?言えないの?」
マジなんで怒ってんの?
もうヤケだ、本人に言うのは恥ずかしいから嫌だったけど、とっとと言って終わらせよう。
「言うから怒るなよ。はぁ、俺が君を勧誘しないのは、君がいい子だからだよ。あ、バカにしてるわけじゃないからな?人間って生き物は、大部分の奴が裏を持ってるもんなんだ。で、裏がない人間には大きく3つの種類がある。1つ目は善人、2つ目は悪人、3つ目は天然。それで、君は裏がない人間で、善人に当てはまる。俺はそんな善人を捨て駒になんてしたくないんだよ。善人を捨て駒にできるなら、雅人や加耶も殺せるってことになるからな」
ここまで聞いて、だいたい納得してくれたみたいだ。謎の怒りが収まってるのが見て取れる。
どうやら面倒ごとは避けられたみたいだ。
「まあ結局何が言いたいのかっていうと、俺は君を殺したくない。かといって守りたい訳でもない。でも、君が仲間になれば、君のことも守りたくなる可能性がある。俺が命をかけて守れるのは2人が限度いっぱいだ。俺は、これ以上大切な人を増やしたくない。だから勧誘しない。・・・これで満足か?」
「うん、ありがとう」
気のせいか?顔がちょっとだけ赤い気が・・・。
まあとにかく話は終わった。今度こそ立ち去ろう。
俺は雅人と加耶をゴタゴタの中から引っ張り出して事情を説明した。
2人は納得した顔をした後、まるで予想していたかのような笑みを浮かべて、彼女に謝ってくるって言って2人して行ってしまった。
しばらく話をしてすぐに戻ってきた。
なぜか笑顔だが、どんな感情が込められているのかはわからない。
というよりいくつか混ざり合っているようで、読み取るに読み取れない。
「おかえり。それじゃ、今日はヒーラーを諦めて外に行こうか」
「ちょっと待って。結衣がどんな選択するのか見届けたいの。ダメ?」
正直、めんどくさいな。あの子がどんな選択をしたとしても、俺には関係ないことだ。
けど、加耶はあの子と友達だから気になるんだろう。
だったら取れる選択肢は1つだ。
「分かった。しばらく待とう」
それが合図だったかのように、雅人が椅子を黒板に向けて投げた。
まるで、俺がやったかのように。
つまり、ケンカが収まり、ブタどもがこっちに注目するってことだ。
もちろん、『またお前か』的な意味を込めた目線を俺に視線を集める副作用付きで。
「ブタども、俺じゃない。こいつ」
当然、雅人に視線を集めさせるがな。
何度も言うが、俺は面倒ごとが嫌いなんだ。
「確かにやったのはオレだけど、用があるのは君らがご執心の彼女だ」
だったら紛らわしいやり方するなよ!!
そもそも、何であの子のために雅人があんなことやったんだよ。
わかんねぇ事だらけだな、全く。
グタグタ考えてる間に全員が彼女の方を向いたらしい。
今はただ、彼女からどんな言葉が出てくるのかみんなが待ってる。
もちろん、俺たちも待ってる。
そして、とうとう彼女が話し始めた。
「えっと、その、ごめんなさい。私は勧誘してくれたどのパーティにも入りません。でも、誘ってくれてありがとう」
え?ちょっと待て。バカなの?あの子実はバカだったの?
ありえないだろ。これだけ勧誘されて、有望そうなのも転がってるのに、全部蹴ったなんて、正気じゃない。
・・・だが、どうやら正気らしい。ブタどもが説得してるが聞いちゃいない。
せいぜい頑張れブタども、じゃなきゃお前らがご執心のあの子は死ぬぞ。
混乱が一周回って冷静になってきた頃、彼女の選択を最後まで見届けたことにようやく気付いた。
だが、2人はまだ終わってないとばかりに動こうとしない。
大方、2人は優しいから彼女の心配でもしてるんだろう。
2人の意志を尊重してやりたいのはやまやまだけど、流石に時間がない。
今日中に例え数匹でもいいから何かを狩らないと今日の宿を借りる金も、飯を食う金もない。
日本円が今の世界の通貨に変わるのは知っているが、できれば今日はそれに頼りたくない。
先のことを考えていたら、彼女が近づいてきた。
まだブタどもの説得は続いているようだが、堂々と無視してこちらまで来たらしい。
ブタどもが少し離れてブツブツ文句を言っている。
「君、何やってんの?まだあいつらとの話し終わってないだろ?そもそも、なんで断ったんだよ?」
「どうしても、入りたいパーティを見つけたから」
意味がわからない。どうしても入りたいパーティがあるなら、そこの勧誘を了承すればいい。なのに、この子は全部断ってるんだぞ?矛盾してる。
「分からないな。そんなパーティがあるなら、そこの勧誘を断らなければ良かったじゃないか」
「それは無理だよ。だって、そもそも勧誘してくれなかったもん」
そんなパーティがいたのかよ。
それならこんなとこでぐだぐだやってないでそのパーティを追いかければいいのに。
やっぱり、言ってることと行動が一致してない。
「だから、自分からお願いすることにしたの。私を、黒鉄くん達のパーティに入れて下さい!」
「・・・は?」
…………………………………………………………………
どうも、作者です!気まぐれで↑みたいな境界作って作者欄入れていこうと思います。
興味ない方はスルーしてもらって構いません。
気まぐれなんで作者欄があることの方が少ないと思います。
さて、今回の"勧誘"は1〜5のちょっと長めの物語にしてみました!
こんな感じの長めの物語をたまに入れていこうと思います!嫌だったらコメントで言ってください。速攻やめます!!
ちなみに、この"勧誘"はする側ではなくされる側です。予想された方も多いと思いますが、楽しんでいただけたら幸いです!
それでは、今後ともよろしくお願いします!
よし、雅人と加耶連れてここから立ち去ろう。雅人はさっき見かけたんだけど、華耶はどこだ?
あ、いた。ていうか、女子は女子で取っ組み合いしてたんだな。怖。
「なんで?」
「え?何が?」
「なんで私を勧誘しないの?」
「だから、俺の求めるヒーラーは捨て駒だから・・・」
「だったら、私でもいいよね?私をその捨て駒のヒーラーにすればいいんじゃないの?なのに、なんで私を勧誘しないの?」
うわぁ、聞いて欲しくないこと聞かれた〜。言いたくなかったから言わずにスルーしてたのに。
でもまあ、聞かれた以上は言うしかないよな。
ていうか言わないと許してくれそうにない。単純に疑問に思ってるだけのようで何故か怒ってるみたいだ。
ほんと、なんでなんだか。
「ねえ、なんで?言えないの?」
マジなんで怒ってんの?
もうヤケだ、本人に言うのは恥ずかしいから嫌だったけど、とっとと言って終わらせよう。
「言うから怒るなよ。はぁ、俺が君を勧誘しないのは、君がいい子だからだよ。あ、バカにしてるわけじゃないからな?人間って生き物は、大部分の奴が裏を持ってるもんなんだ。で、裏がない人間には大きく3つの種類がある。1つ目は善人、2つ目は悪人、3つ目は天然。それで、君は裏がない人間で、善人に当てはまる。俺はそんな善人を捨て駒になんてしたくないんだよ。善人を捨て駒にできるなら、雅人や加耶も殺せるってことになるからな」
ここまで聞いて、だいたい納得してくれたみたいだ。謎の怒りが収まってるのが見て取れる。
どうやら面倒ごとは避けられたみたいだ。
「まあ結局何が言いたいのかっていうと、俺は君を殺したくない。かといって守りたい訳でもない。でも、君が仲間になれば、君のことも守りたくなる可能性がある。俺が命をかけて守れるのは2人が限度いっぱいだ。俺は、これ以上大切な人を増やしたくない。だから勧誘しない。・・・これで満足か?」
「うん、ありがとう」
気のせいか?顔がちょっとだけ赤い気が・・・。
まあとにかく話は終わった。今度こそ立ち去ろう。
俺は雅人と加耶をゴタゴタの中から引っ張り出して事情を説明した。
2人は納得した顔をした後、まるで予想していたかのような笑みを浮かべて、彼女に謝ってくるって言って2人して行ってしまった。
しばらく話をしてすぐに戻ってきた。
なぜか笑顔だが、どんな感情が込められているのかはわからない。
というよりいくつか混ざり合っているようで、読み取るに読み取れない。
「おかえり。それじゃ、今日はヒーラーを諦めて外に行こうか」
「ちょっと待って。結衣がどんな選択するのか見届けたいの。ダメ?」
正直、めんどくさいな。あの子がどんな選択をしたとしても、俺には関係ないことだ。
けど、加耶はあの子と友達だから気になるんだろう。
だったら取れる選択肢は1つだ。
「分かった。しばらく待とう」
それが合図だったかのように、雅人が椅子を黒板に向けて投げた。
まるで、俺がやったかのように。
つまり、ケンカが収まり、ブタどもがこっちに注目するってことだ。
もちろん、『またお前か』的な意味を込めた目線を俺に視線を集める副作用付きで。
「ブタども、俺じゃない。こいつ」
当然、雅人に視線を集めさせるがな。
何度も言うが、俺は面倒ごとが嫌いなんだ。
「確かにやったのはオレだけど、用があるのは君らがご執心の彼女だ」
だったら紛らわしいやり方するなよ!!
そもそも、何であの子のために雅人があんなことやったんだよ。
わかんねぇ事だらけだな、全く。
グタグタ考えてる間に全員が彼女の方を向いたらしい。
今はただ、彼女からどんな言葉が出てくるのかみんなが待ってる。
もちろん、俺たちも待ってる。
そして、とうとう彼女が話し始めた。
「えっと、その、ごめんなさい。私は勧誘してくれたどのパーティにも入りません。でも、誘ってくれてありがとう」
え?ちょっと待て。バカなの?あの子実はバカだったの?
ありえないだろ。これだけ勧誘されて、有望そうなのも転がってるのに、全部蹴ったなんて、正気じゃない。
・・・だが、どうやら正気らしい。ブタどもが説得してるが聞いちゃいない。
せいぜい頑張れブタども、じゃなきゃお前らがご執心のあの子は死ぬぞ。
混乱が一周回って冷静になってきた頃、彼女の選択を最後まで見届けたことにようやく気付いた。
だが、2人はまだ終わってないとばかりに動こうとしない。
大方、2人は優しいから彼女の心配でもしてるんだろう。
2人の意志を尊重してやりたいのはやまやまだけど、流石に時間がない。
今日中に例え数匹でもいいから何かを狩らないと今日の宿を借りる金も、飯を食う金もない。
日本円が今の世界の通貨に変わるのは知っているが、できれば今日はそれに頼りたくない。
先のことを考えていたら、彼女が近づいてきた。
まだブタどもの説得は続いているようだが、堂々と無視してこちらまで来たらしい。
ブタどもが少し離れてブツブツ文句を言っている。
「君、何やってんの?まだあいつらとの話し終わってないだろ?そもそも、なんで断ったんだよ?」
「どうしても、入りたいパーティを見つけたから」
意味がわからない。どうしても入りたいパーティがあるなら、そこの勧誘を了承すればいい。なのに、この子は全部断ってるんだぞ?矛盾してる。
「分からないな。そんなパーティがあるなら、そこの勧誘を断らなければ良かったじゃないか」
「それは無理だよ。だって、そもそも勧誘してくれなかったもん」
そんなパーティがいたのかよ。
それならこんなとこでぐだぐだやってないでそのパーティを追いかければいいのに。
やっぱり、言ってることと行動が一致してない。
「だから、自分からお願いすることにしたの。私を、黒鉄くん達のパーティに入れて下さい!」
「・・・は?」
…………………………………………………………………
どうも、作者です!気まぐれで↑みたいな境界作って作者欄入れていこうと思います。
興味ない方はスルーしてもらって構いません。
気まぐれなんで作者欄があることの方が少ないと思います。
さて、今回の"勧誘"は1〜5のちょっと長めの物語にしてみました!
こんな感じの長めの物語をたまに入れていこうと思います!嫌だったらコメントで言ってください。速攻やめます!!
ちなみに、この"勧誘"はする側ではなくされる側です。予想された方も多いと思いますが、楽しんでいただけたら幸いです!
それでは、今後ともよろしくお願いします!
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