ボクの完璧美少女な弟子は変態すぎて手に負えません(笑)
下ネタばかりですね(話)
結局その日は映画を見ただけで、特に何事もなく日も暮れていき、二人とも笑顔のまま喫茶店を出ていく後ろ姿を見ているだけであった。
会計時、美智子さんと目があったような気がしたが、多分気のせいだろう。だって美智子さんはボクのことなんか知るわけもないだろうし。
ボクと瑞希さんは尾行をやめ、溶けた氷のせいですっかり薄くなった飲み物をすする。
今日あった出来事を踏まえ、ボクは明るめに話を切り出す。
「でも、よかったじゃないですか。美智子さんは別にお父さんを騙してるんじゃなくて」
「うん、そうだね。なんか私が色々と考えすぎちゃってただけみたいだね」
「ボク、明日にでも美智子さんとお父さんに謝ってきます」
「ハル君ごめんね。私の勘違いのせいで……」
「いえいえ、別に大丈夫ですよ。その代わり瑞希さんも今日は家に帰ってくださいね」
「うん、わかった。じゃあほんとに今日はありがとね」
そう言って瑞希さんは席から立ち上がり、伝票を手にしてレジへと向かう。
「いやっ、瑞希さん。ここはボクが払いますよ」
「でも、今日は私のために来てもらったんだし」
レジの前で伝票を引っ張りあってるボクらに、シズネがイラつきを抑えるような口調で「分割会計でよろしかったでしょうかー」と言ってきたので、ボクは妥協して提案に応じる。
先に会計をしている瑞希さんの後ろで財布を開いて見ると、中には野口君や樋口さんはおらず、福沢君一人しかいなかった。
この福沢君は年始にお年玉としておばあちゃんからもらって、今の今まで使わずにとっておいたものなのだが、まあ今月はお小遣いも新刊ラノベに消えてしまったんだし、使ってしまうのも仕方のないことあろう。
「すみません。ちょっと大きくなっちゃうんですけど」
「お、大きく!?」
一応の断り文句を口にすると、なぜかシズネはボクの股間のあたりをジッと凝視してくる。
……こいつは一体何が大きくなると思っているんだろうか。いや、わかっているのだがここはあえて言及しないでおこう。
「シズネはいつからここでバイトしてるんだ?」
「んー、まだ入って一ヶ月くらいかな」
仕事中ではあるが暇そうにしていたので、レジ前でシズネに雑談を持ちかける。
実はボクも喫茶店でのバイト経験があり、最初の頃のあたふたした自分を思い出しながら話を続ける。
「へー、そうなんだ。やっぱりホールはキツいか?」
「えっ!?…………ま、まぁ、まだ初めてだからキツいと思うけど」
ボクがなんとなくで聞いた質問に、シズネは頬を真っ赤に染めてギリギリ聞き取れる程度の小さな声で答える。
「そうだよな。最初はキツいよなー。でもだんだんと慣れて来るよ」
「そ、それって、ど、ど、どういうこと?」
適当にバイトの経験上でのアドバイスをすると、なぜかシズネはボクの表情を伺いながら意味を訊いてくる。
「そりゃ、やってたらそのうち慣れてくるでしょ」
「ヤってたら慣れるって、それはつまり……」
「? つまり?」
「晴人くんは、あたしを誘惑しているのかな?」
「なんでいきなり話がそんな脈絡が不明の終着点に行き着くのさ!?」
なんだか途中から話が噛み合っていない気は薄々していたのだが、あまりにも奇想天外な発言に、ボクは思わず声を大にしてツッコんだ。
「だって、晴人くんがあたしの穴を慣れさせるとかなんとかって……」
「ホールを勝手に日本語に訳さないでよ!ボクはそんな意味込めて言ってないからね!?」
「なぁーんだ。やっぱりそうだったんだ」
「わかってたなら、勘違いした風を装わないでよ……」
ボクは、シズネのせいでどっと疲れた体を鞭打ちながら喫茶店を後にした。
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