ボクの完璧美少女な弟子は変態すぎて手に負えません(笑)
学生の本分は勉強ですよね(勉)
学生なのであれば、切っても切り離せない行事。
それは、毎年学期末や休みと休みの中間に存在する、テストである。
「もー飽きた。晴人くん、こんな面倒くさいことをするより、あたしともっと熱中できるいやらしいことをしてみない?」
「結構です。っていうか、赤点とったら留年かもしれなくてやばいから勉強を教えてって自分からせがんできたのに、このだらけ具合はなに?」
時は中間テスト前日、場所はボクの自室で、机を挟んで最近仲良くなったシズネがゴロゴロと寝転びながらボクを誘惑してくる。
ボクが怒りの視線を向けると、シズネは目をそらして、口を尖らしながら言い訳をする。
「だってこんなのどうせ社会に出たら、全く役に立たないんだし」
「ったく、これだから今時の若者は……」
「まぁ、晴人くんも同い年だけどね」
軽く手を上げながら首を振るボクに、シズネが冷静に返す。
「とりあえず、わからないところがあったら、ボクの知識が及ぶ範囲だけでも教えてあげるから集中して勉強しなよ」
「はーい」
数分後、部屋の中にはノートに何かを書き込む音しか聞こえない静寂に、ボクは一抹の不信感を覚え、シズネの方を見てみる。
「…………」
「中間テストに保健体育はでないぞ」
黙々と勉強していた保健の教科書とノートを取り上げ、代わりに明日の一時間目の科目の数学の教科書を置く。
「えー、だってあたし保健以外の教科なんてわかりっこないし」
「これなんか簡単だぞ。地区Aから地区Bの面積の比を答えよって問題」
駄々をこねるシズネに、今回のテストで割と比較的簡単な数学の問題を出してみる。
「晴人くんは地区Bが大きいと思う?」
「まぁ、そうだろうな」
教科書の問題の図を見る限りだと、地区Bの方が大きいんじゃないだろうかと思う。まぁ、実際解いて見ないとわからないのだが。
「へぇー、あたしってそう見られてるんだね」
「ちょっと待って、どう言うこと?」
急に話の脈略がわからなくなったボクは、理解が追いつかず首を傾げた。
「晴人くんがあたしの乳首は大きそうだって言ったでしょ」
「ボクが聞いたのは乳首の大きさではなく、地区Bの大きさだから!!」
勉強を教えるだけなのに、なんでこんな苦労を強いられているのだろう……。
また数分経つと、シャーペンを机に放り投げ、床に寝転び出すシズネ。
「もうやる気でなーい」
「何言ってんだよ。せめて元素記号だけでも覚えていたら、赤点は免れるかもしれないから一生懸命読んでなよ」
元素記号の並ぶページを開き、シズネに渡してからボクも化学の勉強を始める。
シズネは渋々ボクから教科書を受け取り、そのページを眺めている。
「えぇっと、亜鉛は確かZmだっけか?」
「晴人くん。亜鉛はZnだよ」
頭を抱えて悩んでいると、シズネが教科書を見ないで答える。
「あぁ、確かにそうだったね。っていうかもう全部覚えたの?」
「ふっふっふ。これには覚え方があるんだよ!」
「あー、あの『水兵リーベボクの船』とか言う?」
「いやいや、そんな古典的なものではなく、もっと覚えやすいものだよ」
胸を張り、鼻を鳴らしながら自信満々に答えるシズネに、興味本位で聞いてみる。
「へー、それは今回のテストの役に立つな。ボクにも是非教えてよ」
「ふっふーん。いいでしょう、あたしが考えた覚え方はこれっ!」
と、言って見せてきたノートには丸っこい文字でこう書かれていた。
『H He Li Be BC NO F Ne Na Mg Al Si P S Cl Ar K Ca Sc Ti V Cr Mn Fe Co Ni Cu Zn Ga Ge As Se Br Kr
エッチ 変態 リッチな ベットで ボク のに フェ○をして ねぶって 嬲って もぐもぐ あぁ 射○ ピン ○ロで 狂って 喘いで 黒い カリ 少し ち びった 黒い まん○は 鉄の味 コン○ーム 握って 咥えて 絶頂感 我慢の 限界 あぬす せっ○す ブラジャー くり○りす』
これを見た瞬間、ボクはノートを破りながら叫んだ。
「こんなの覚えてたまるかぁぁああぁあぁーーー!!」
「あぁっ、あたしの最高傑作がぁー!」
シズネが文句を言ってきたが、ノートは問答無用でビリビリに破いてやった。
次の日の化学のテストだけが、いつも以上に良かったことは言うまでもない。
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