ボクの完璧美少女な弟子は変態すぎて手に負えません(笑)

花水木

決着ですぞ(引)


 時刻は、もう日も落ちてきた夕暮れ時。ボクの家の中では二人の女の子が、片方は柔和にもう片方は膨れっ面でにらみ合っていた。
 その二人の間に挟まれたボクは、この膠着状態から早く脱しようと口を開く。

「一回整理するけど、今は瑞希さんが一勝、シズネも一勝ですからね」

 ボクが一応審判らしく今までの戦績を説明していると、瑞希さんは不思議そうに小首を傾げる。

「生理って男の子にもあるものなの?」

「瑞希さん。そっちの生理ではなく、整理整頓の方の整理です……」

「そ、そっか……」

 ボクがいつも通り呆れながら間違いを指摘すると、瑞希さんは顔を赤らめ俯く。



「っていうか、この勝負いつまでするの?」

 ボクは、さっき自分で作ったいたぶっかけうどんをすすっているシズネに尋ねる。

「それはもちろん、晴人くんがあたしを弟子と認めてくれるまで!」

 シズネの覇気に押され、ボクはある提案を口にだす。

「な、ならこの二人での勝負は引き分けとして、ボクの問題に答えられたら弟子にしてあげるよ」

「本当に!?晴人くんのことならなんでも答えられるよ!体重でも、身長でも、今日履いてるパンツの色でも!」

「おい、最後のおかしいだろ、なんでそんなことまで知ってんだ!」

 ボクの怒りを受け流し、シズネは興味津々といった態度で聞いてくる。

「まぁ、そんなことより問題ってなんなの?」

「そんなことよりってお前……。問題はなー、えっと」

 段々と勝負が面倒くさくなってきて、ボクがシズネに問題を出すことになってしまったけど、いったいどうしようか?

 確か瑞希さんは、ボクに保健の授業では教えてくれないことを教わるために、弟子入りしたんだっけ。
 考え直したらすごい理由だと思うけど、そんなことより今は問題だ。よし、コレに倣ってそっち系統の問題を出すことにしよう。

「じゃ、じゃあ子供を作るには、いったいどうしたらいいでしょうか?」

 ボクが悩んだ末に際どい問題を出すと、さっきまで赤くなっていた瑞希さんが元気よく手をあげる。

「あっ、ハル君!それなら私もわかるよ、一組の男女が仲良く暮らしてたら、コウノトリさんが運んできてくれるんでしょ?」

「はい。正解です。そうですよね、瑞希さんは清らかでいいですねー」

 と、ボクが瑞希さんの並外れた性知識の偏り具合と、清純さに笑みをこぼしていると、シズネが真顔で睨めつけてくる。

「あたしも答えていいかな?」

「あ、はい。瑞希さんは耳塞いでてください」

 シズネの真剣な表情を見て、何かを悟ったボクは、穢れを知らない瑞希さんを守ろうと、聞かないようにお願いする。

「うん。わかった」

「じゃあ、どうぞ」

「まず一組の男女がーーー」



 それから数時間、ボクはシズネの身振り手振りの付いた性行為講義を延々と聞かされ、その間瑞希さんはいつの間にか帰ってきた彩奈から料理を教わっていた。

「ーーーということで、赤ちゃんは誕生するのです」

 シズネの話が一区切りついたところで、ボクは頭を押さえながら渋々言う。

「はぁ、もう分かったよ君をボクの弟子にしてあげよう」

「いぇーい、やったー!」

 こうしてまた一人、ボクに変態な弟子ができました。

 

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