チート・ご都合主義いらないけどハーレムいります

平涼

番外編6 レイロード・マリー喧嘩

 さてどうするか。困った事になった。

 「ねえ!良いじゃない!私にアランを紹介してよ!」

 事の始まりは何か。

 簡単だ。レイシア、ジルドが生まれ、アランに見に来いよ。っというと来ると言ったので、それをマリーとシアに報告。

 すると、マリーが剣聖アランの名に食いつき、その人に私を修行するように言ってくれと言ってきてこの有様だ。

 「だからな、無理だって」

 「なんでお願いする前に無理だって分かるのよ!」

 さっきからこれのエンドレス。

 マリーの気持ちも分かる。多分俺と同じく強くなりたいのだろう。

 だけど何か複雑だ。

 分かるだろうか。ハーレムを作ったクズな俺だが、彼女が他の男の所に行くと言われたら嫌な気持ちが。

 「アランだって忙しいんだ」

 「だから!それを友達のあなたが何とかしてよって言ってるのよ!」

 「無理だって!」

 「理由を説明しなさいよ!」

 まさかこんな事で喧嘩になるとは思わなかった。

 確かに理由はない。だけど行ってほしくない。

 だからといって俺が毎回マリーとアランの修行を見に行くのもおかしな話だ。

 どうする。どうやったらマリーは納得するんだ。

 マリーは先程からきちんとした説明がないから怒っている。

 ならきちんとした説明があれば満足するのだ。

 ......思い付きません。

 どうしよう。誰か分かる人がいるなら教えてください。

 「ほら、説明しなさいよ。きちんとした説明がないのにめんどくさがって言わないだけでしょ!」

 マリーは俺がめんどくさくて言わないのだと思っている。

 違うんだよ!気付かないかな。気付かないですよね。

 「だから!無理な物は無理だ!あいつが忙しいのは俺が一番知ってるんだよ!」

 「あのね!ならなんでジルド達の事を見に来るような時間があるのよ!」

 ド正論です。

 「だったら自分で言えばいいだろ!」

 「これもう何回言ったか分からないけど!無関係の私が言うのもおかしな話だからあなたに先に言って欲しいのよ!けどそれが駄目って言うから説明求めてるのにさっきから無理の一点張りじゃない!」

 またしてもド正論。どうしろと。

 「あのですね、いい加減そのイチャイチャするの止めてもらっていいですか?子供達も起きてしまいますし」

 耐えきれなくなったのかジト目で俺とマリーを見るシア。因みにタマは終始ニヤニヤしながらこちらを見ている。

 「「イチャイチャしてない!」」

 「そのハモるのも余計腹立つんですけど」

 ほんとだよ!けど俺達の場合ほんとに喧嘩しているので別にイチャイチャはしていない。

 ああ、もう何で分からないかな!マリー鈍感すぎるだろ!

 「もうほんとに勘弁してくださいよ。なんで私の前で見せつけてくるんですか」

 「何言ってるのよシアは!悪いのはレイなんだからあなたからも何か言ってよ!」

 「違うだろ!マリーがうるさいからだ!シアからも言ってやってくれ!」

 シアはため息をついて、

 「両方悪いです」

 「「(私)俺は悪くない!」」

 「もう私料理作ってきていいですか?」

 「だめニャ。二人が一生うるさいままニャ」

 シアなら分かってくれる筈だ。

 「なあ、シア。ほんとマリーどうにか説得してくれ」

 「もうお互い素直に言ってください。これ以上見せつけるなら私この家から出て行く程ですよ?」

 シアは先程から若干イライラしている。すまない。俺達が喧嘩をしたばっかりに。

 「けどな、俺は悪くないからな」

 「私も悪くないし」

 俺達は睨み合い、

 「ああ!めんどくさいですね!じゃあ、マリーから!なんでアランさんの所で剣術を学びたいんですか!」

 「.....え?それは....ちょっとここで言うの?」

 若干戸惑いの表情を見せるマリー。なんだ?強くなりたいだけなのになんでそんなにも戸惑う必要があるんだ?

 「あのですね!理由を二人が正直に話さないからこんなめんどくさいことになってるんです!」

 「......だってそれは」

 頬を染めるマリー。なんで染める?

 「ほれ!言ってください!」

 「うう。.....だから」

 それ以降ボソボソと喋って流石の難聴系じゃない俺でも聞こえなかった。

 「何だって?」

 「だから!あんたが私達の為に頑張っているから!私もあなたの力になりたいんじゃない!」

 今度は俺が頬を染める番だ。

 「私も正直に話したんだからあなたも話なさいよ」

 マリーが顔を真っ赤にしながらも聞いてくる。

 ここで悟った。これイチャイチャだわ。

 「......俺は自分勝手だけどマリーが他の男の所で誰かとイチャイチャするのかなと思ったら嫌だからです」

 段々と声が小さくなっていく。けどしょうがない!

 恥ずかしすぎる!ナニコレ!

 「はあ、これで私の気持ち分かってくれましたかね?」

 「「すいません」」

 俺達は二人で互いに謝った。

 マジで何なんだこのいちゃつき。前世の頃の俺が見たらリア充爆発しろとか思ってるよ!

 「.....私はただ強くなりたいだけだからそんな事にはならないから」

 「.....そうか」

 結局アランの所には行くことになったのだった。

 ただ、ある日アランが道端でマリーに出会って一目惚れをしていたがそれは誰にも知られることはなく、アランは失恋した事はまた別のお話。

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