チート・ご都合主義いらないけどハーレムいります

平涼

第三十四話 リリアの決意

 ~リリア視点~

 私がパーティを抜ける宣言をして、先生は驚いた顔をした。

 「......どうして」

 先生はそう呟く。

 けどこれは先生と気持ちが繋がってもう決めた。

 「これは前から思ってたの」

 フラウスとの戦い、盗賊の戦い、アランとの戦い、それを見てきた私は先生と全く釣り合ってない。

 先生にとって私はお荷物だ。

 「先生にとって、私達は邪魔でしかないはずよ」

 私は少しきつい言い方をしていしまう。

 これは先生に分かってもらうためだ。

 「そんな事は......」

 「なら、なんでAランク冒険者にならなかったの?私達の事を思ってでしょ?」

 私は、先生が否定する前に言う。

 先生は口を塞ぐ。

 私は前からそんな気はしていたがやっぱりそうなのだろう。

 「私はこれまで、先生に頼って、守ってられてばっかりだった。もうそれは嫌なの。私は先生と一緒に戦える対等な存在になりたいの」

 私は先生に頼ってばっかりだ。

 要は、私は先生に依存しているようなものだ。

 「けど......」

 先生はやっぱり嫌なのかもしれない。

 「私が何で先生の事をもう家庭教師じゃないのに、先生って呼ぶか分かる?」

 先生は首を横に振る。

 「先生より私が劣っているからよ。だからいつか対等の存在になって先生の名前を呼べる存在になって帰ってくるわ」

 私は変わりたい。

 弱い自分を、守って貰う自分を。

 今度は頼るんじゃなくて私が頼られたい。

 「.....分かった」

 先生は何とか折れてくれた。

 「けど大丈夫なのか?エルフは人間を恨んでるんだろ?そんな所に行って、平気なのか?」

 そこはちゃんと考えている。

 「その為にセシリアを連れて行くのよ。それに私一人だと、エルフの森にいけないだろうし」

 私の言葉にセシリアは前に出た。

 「安心しろ。リリアをちゃんと送り届ける」

 「分かりました」

 先生は頷く。

 「私とセシリアはこれから強くなるわ。だから先生も私をがっかりさせないようにしてよね」

 私はここに強くなると宣言した。

 「分かってるよ。俺も強くなるから、リリアも頑張れ」

 先生に言われ、余計やる気が出てくる。

 私はふと思いだし、先生に言った。

 「そういえば、セシリアを第二の彼女にしてもいいわよ」

 私の言葉に二人は驚いた。

 「リリア、何言ってるんだ?セシリアさんが俺の事を好きなわけないだろ」

 「そそそうだぞ。何を言ってるんだ。リリアは」

 セシリアは顔を真っ赤にして、テンパって否定する。

 「セシリア、バレバレだから。ねえタマ?」

 「逆にあれで分かってないご主人様が凄いニャー」

 私もそう思う。

 先生はちょっと鈍感すぎる。

 セシリアは殆ど先生の方をじっと見ている。

 あれで気付かないわけがないと思ったけどまさか本当に気付いていないとは。

 「セシリアも本当の事を言いなさいよ。当分会えないんだから」

 セシリアは顔を真っ赤にして俯いている。

 心を決めたのだろう。セシリアは顔を上げた。


 ~レイロード視点~

 「私もレイの事が好きだ」

 セシリアさんは顔を真っ赤にしながらもちゃんと言ってきた。

 まさか、本当に好きだったなんて。いやいや、考えても見てくれ。全然分からない。

 今まで全く気付かなかった。

 俺はどう返事をするべきだろうか。

 正直に言えば、俺はセシリアさんの事は好きだ。

 俺に大事な事を教えてくれたし何度も助けてくれて優しい人だ。

 けどこれで、オッケーをしてもいいんだろうか。

 それはリリアに失礼じゃないのか。

 俺が考えていると、

 「先生。私がいいんだから、先生の気持ちを言ってあげたらいいわ。けど、一番最初の彼女は私だけどね」

 リリアが俺の気持ちを分かったように、言ってきた。

 「俺もセシリアさんの事が好きです。付き合いましょう」

 俺はそう言った。

 「エルフだが、よろしく頼む」

 セシリアさんは普段通りにしているつもりかもしれないが、耳まで真っ赤なので、照れてるのが丸分かりだ。

 「俺はエルフは綺麗な種族だと思っているので、気にしませんよ」

 覚悟は決まった。

 これからどうなるかは分からないけど、この二人の事をどちらも愛そうと決めた。

 ただ、余計に二人と離れたくなくなってしまった。

 それを見越してかリリアが言った。

 「話も終わったし、私達も行くわ。最後に、ここで、皆の目標を達成するとここで誓いあいましょう」

 俺達は拳を作り中心に合わせ、目標を言い合った。

 「面白い人生をこれからも進んでいくニャー」

 「エルフの復興を」

 「先生と対等になる」

 「世界最強になる」

 俺達はここに宣言した。

 それからはセシリアさんとリリアが旅の準備をし、別れの時だ。

 「セシリアさん。俺達と旅して人族のイメージはどうなりましたか?」

 セシリアさんは笑顔で答えた。

 「大分変ったよ。あの森の村長もそうだが、人族にもエルフを嫌ってない人達はいるんだ。これからは、そんな人達の為にもエルフの復興を目指すことにするよ」

 「そうですか。それは良かったです」

 セシリアさんは何故か顔を赤らめ、

 「今度会った時からは敬語じゃなくて、普通に接しってくれないか?」

 「セシリアさんがそれでよければそれでいいですよ」

 何故、それで顔を赤くするのか俺には分からないが、まぁ、気にすることもないだろう。

 次にリリアがやって来た。

 「先生。タマにも注意しておいたけど、あんまり彼女増やさないでよ。私だって何人も増えて欲しくないからね」

 リリアはそう注意するが俺ってそんなに信用が無いのだろうか。

 「俺ってそんなにも信用が無いのか」

 「当たり前じゃない。色んな女と話してばっかりいるんだから」

 .......そう言われてみたら、俺は女性とばかり話しているような。

 「だから、先生をとられないように」

 リリアはそこで言葉を止め、俺にキスをしてきた。

 「私が先に頂くわ」

 リリアはウインクしながら言った。あざといけど良いと思ってしまった。

 「な!」

 セシリアさんが驚いた声を上げる。

 俺は今顔が真っ赤な気がする。

 それを見て、セシリアさんは俺の方に近づいた。

 「私もしていいか?」

 セシリアさんはそう聞いてくる。

 俺は頷く事しか出来なかった。

 セシリアさんは勇気が出なかったのか頬にキスをして去って行った。

 「先生。帰ってきたらそれ以上の事もしましょう」

 リリアはとんでもない事を言い、セシリアさんと何処かにに行ってしまった。

 .....だから、離れたくなくなるような事を言うなよ。

 俺とタマはそれから宿に戻り、これからの方針について考える。

 「お金。殆ど必要なくなったな」

 「そうだニャー。元々、ご主人様とリリアとセシリアの学費のお金だもんニャー」

 そうなのだ。俺がお金を貯めていた理由は皆で学校に通おうと思っていたからだ。

 この国には俺が行こうと思っていた魔法学校があるのだ。

 それはまだタマにしか言ってなかった為、二人は知らない。

 このお金をどうするべきか。

 まぁ、お金はいくらあっても困らないし、置いておこう。

 「なぁ、タマ。親父を探すか、学校に通うかどちらがいいと思う?」

 「ご主人様の好きにするといいニャー」

 タマは毎回こうだ。

 絶対に俺の意見にしか乗らない。

 どうするべきだろうか。はっきり言ってどちらでもいい。家族も皆元気に暮らしているならそれで構わないしな。

 俺は迷ったが、

 「なら、一年間ここでAクラスとして冒険者をやってお父さんの存在が見つからなかったら、学校に行くって感じで行こうと思うんだがどうだ?」

 「それでいいと思うニャー」

 俺達の今後の方針が決まった。

 第二章 少年編 終了

 第三章 魔法学校編 開始

コメント

  • シオン♪

    素晴らしい!!

    0
  • 清水 裕斗

    強くなってもどるとか!!
    胸熱で、、、うるってくるぅ。゚(゚´Д`゚)゚。

    3
  • ショウ

    ね、ネタバレ~(最後の二行)

    0
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