チート・ご都合主義いらないけどハーレムいります

平涼

第十二話 面接

 俺は面接に行く途中考えていた。

 何で他の人は落ちたのだろう。俺が五歳になるまで、約二年はあったはずだ。

 その間誰も受かってないのは流石におかしいと思う。

 もしかしたら、俺の為に全員不採用にしているかなとは思ったが、違うと思う。

 村長なら、五歳の俺なんかより大人に孫をみてもらう方がいいはずだ。

 まだ、面接をクリアして、教え方に問題があるから辞めさせられたという方が納得できる。

 多分面接で何かあるのだろうと結論付けたら丁度村長の家についた。

 家の目の前には村長自ら出迎えてくれた。

 「おお。レイ君来てくれたか。助かるよ。君が受かることを心から祈っているよ」

 それから時間があった為村長と話をして時間を潰した。

 話していく内に、本当に面接で誰も受かってない事が分かった。

 実は村長の孫が何か問題があって途中で誰か止めているのかと思ったけどそれも違うらしい。

 面接は孫の娘が自らやるらしい。

 それで、誰も受からなくて困っていた。と村長は言っていた。

 「もう、君で受からなければ学校まで待つしかないかもしれん」

 と苦笑いで言われた。

 俺はそれから孫がいるという部屋に連れて行かれた。

 俺はその部屋に入るとそこには美少女がいた。

 容姿は完璧。髪は茶髪の少し薄い肌色のような髪をした女の子だった。髪はツインテールだ。

 何だこの完璧超人のような奴は。

 村長が、

 「リリア、連れてきたぞ」

 そう言うと、リリアという女の子は、

 「じゃあおじいちゃんは出て行って。今から面接するんだから」

 と言い村長を押しながら、ドアの向こうに連れて行こうとする。

 だが、

 「だが。わしもレイ君の面接を見届けたいんだが」

 そう言うとリリアと言われた少女は、

 「おじいちゃんは面接しないんだから、駄目よ」

 と言い、村長をドアの向こうに連れて行った。

 リリアは次に俺の方を向いて、

 「あなたがレイね。よろしくね」

 と笑顔で言った。

 それから俺は2つあるソファーの反対側に座った。

 リリアは明るく、

 「じゃあ、今から面接するわね。まぁ。面接と言っても私と軽くお話するだけよ」

 とウインクしながら言ってきた。

 綺麗な女の子なのでその仕草が余計に可愛く見える。

 「......はぁ。そうですか」

 としか答えられなかった。

 ただ、何か違和感がある。なんだろう。何かわからないけど何か懐かしい感じがする。

 それから、本当に面接という名のお喋りが始まった。

 「改めて自己紹介するわね。私はリリアよ。八歳のこの村の村長の孫よ」

 「僕の名前はレイロードです。五歳です。今回はよろしくお願いします」

 頭を下げているとリリアはクスクスと笑い、

 「そんな硬くならなくていいのに。あなたが私を助けてくれた人でしょ?助けてくれた恩人に敬語なんて申し訳ないわ」

 正直この言葉が一番助かる。俺この世界の警護がどんなのか知らないんだよな。

 「はあ、そうか。ならお言葉に甘えて。いやー。敬語ってかたっ苦しくてなんか嫌になるな」

 「ええ。ほんとよ。私が村長の孫だって言うだけで敬語を使う人だっているの。信じられる?」

 と笑いながら言ってきた。

 それからも色んな話をして時間が過ぎた。

 「あら。もうこんな時間なのね。話すのが面白くてつい時間が経つのを忘れてたわ」

 と笑顔で言ってきた。

 俺も長い時間話すことで、やっと違和感の正体が掴めてスッキリした。

 「なら最後に私に聞きたいこととか言いたいことある?」

 多分、これが面接の合否を決めるためのものなんだろう。

 「何でも聞いていいのか?」

 リリアは笑顔で、

 「もちろんよ。その変わりエッチなことは駄目よ?」

 とからかっているような笑顔で言ってきた。

 俺は今までの違和感について聞いた。

 「なんで、お前性格偽ってんの?」

 すると今まで終始笑顔だったリリアの顔が凍り付いた。

 今までの顔が嘘のように変わり冷たい表情で聞いた。

 「なんで分かったの?私これでも自信あったんだけど」

 切り替え速すぎだろ。

 「お前と話している最中違和感だらけだったからな」

 そうなのだ。こいつと話していると違和感しかなかった。

 その正体はこいつはあざとい性格を偽ってやっていたのだ。

 この性格については高校時代にいた覚えがあるのだ。

 何処の学校にも一人はいると思う。

 だからこういうあざとい性格の奴には本当に気を付けなければならない。

 危うく告って振られることになるのだ。

 ......別に俺の事ではないからな!

 それはさておき、正直に言うと世の中にこんな子はいない。

 可愛くて、明るくて、話しやすくてちょっと天然が入ってるような性格の女の子はこの世に一人もいないだろう。

 リリアはちょっとショックを受けたようだ。

 「あんた以外に見破られたことないんだけど」

 「それはご愁傷様としか言いようがないな。それで俺の面接の合否は?」

 ちょっとからかうような感じで言ってやると、リリアは立ち上がって、

 「......合格よ」

 と複雑そうな顔をして言った。

  俺は立ち上がり、

 「なら、これからよろしくな。リリア」

 「じゃあよろしく頼むわ。先生」

 俺らは強く握手した。

 ......痛い。

 これからリリアとの家庭教師生活が始まる。

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