Smile again ~また逢えるなら、その笑顔をもう一度~

たいちょー

4.

約二時間前

――退屈……。
西村陽子は、机に頬杖を突きながら、窓から青空を見ていた。
このところ、特に面白い話題も無い。部活も今は特段やる事も無く、みんな停滞モードで、活動日である水曜日に毎週集まってはいるものの、練習もこれっぽっちとしていない。特段不満な訳では無いのだが、それでも怠け過ぎはいけないのではないかと思う。
まぁ、必死に打ち込む事が目の前に無くなって、勉強すら中途半端にやっている自分だからこその不満なのかもしれないが。
「……それでさー、タイヘイのその時の顔が、マジで面白くってさぁー」
「えー、ホントにー?……」
ふと、後ろの席に座る、授業を聞かずに雑談に耽っている女子二人の会話が、ぼんやりと耳に入った。多分、男子の話をしているのだろう。
――そういえば……。恋愛なんて、あれっきり一つもしてないなぁ。
西村には、小学生時代。想いを寄せていた人物がいた。とても優しい性格で、自分にもとても優しくしてくれた。挙句には自分の為に成してくれた事もある。彼には、感謝してもし切れない。彼との思い出は、今では掛け替えの無いものとなった。
だがしかし、それ以来というものの、恋愛という恋愛にこれっぽっちも興味が湧かなくなってしまった。誰かを見たところで、どうしても彼と比べてしまうのだ。理想が高いのかもしれないが、一向に興味を持つ人物を見つけることが出来ない。気がつけば、中学、高校と。これまでずっと、異性とはほとんど縁の無い生活を送ってきている。
だからと言って、中途半端な恋愛は嫌だ。一ヶ月やそこらですぐに別れてしまうような、簡単に崩れ去ってしまう恋愛はしたくない。だから、余計に慎重になってしまう。その無限ループだ。傍から見れば、ただの意気地無しだとか、勇気が無いだけだとか。そんな風に思われてしまうのかもしれない。この泥沼を、いつになったら脱せるのか。自分では想像すら出来ない。もしかしたら、「あの彼女」のように二十歳を過ぎても、一向に彼氏が出来ないだなんて事も、大いにあり得るだろう。
キーンコーンカーンコーン………。
授業終了のチャイムが鳴り響く。学級委員長の号令で、起立礼を終わらせると、西村は机に突っ伏した。
「はぁ」
ため息を吐く。どうにも、心が疲れているようだ。最近は、色々厄介事が多かったからだろう。特に今日なんかは……。
「陽子!何ボーっとしてんの!これからお楽しみがあるっていうのに!」
「痛っ……」
声がしたと同時に、誰かに背中を叩かれた。誰だかはすぐに分かる。香苗かなえだ。
「お楽しみって……。別に私は、香苗に付いていくだけだし……」
「やだなぁもう。偶々サイン会の券が当たって、それが私達の手元にやってくるだなんて。相当な幸運なんだぞぉ?そんなに嫌そうな顔しないの!」
彼女が窓側の壁に寄り掛かる。西村より少し背が高く、スッとしたボディ。髪を後ろに束ねたポニーテールに、恵まれた可愛らしい容姿。どれを取っても、彼女は西村より遥かにランクは上だろう。だが、何と言っても彼女最大のダメージポイントは、性格だ。超大雑把でマイペースかつ、超楽観的で、誰にでもフレンドリーに話し掛ける。怖いものは無いのかと疑うほど、相手が誰だろうと関係無くグイグイ向かってくる彼女の調子は、何となく長く一緒にいると疲れるというのも冗談では無い。
「幸運だけど、ある意味幸運では無いんだよなぁ……」
「えー。何でよ、そんなに面倒くさいの?」
「まぁ……」
いつだったろうか。数ヶ月前、香苗に「ロイドのサイン会、一緒に行こ!」としつこく頼まれて、しぶしぶペアチケットの抽選に、二人揃ってそれぞれ応募をしたのだ。結果、幸運なのか不運なのか。何故か本望の香苗ではなく、自分のほうが当選し、ペアチケットをゲットしてしまった、という流れで今に至る。
「陽子だって、ロイドの事は別に嫌いじゃないんでしょ?」
「まぁ、そうだけど……。でもサインを貰ったり、直接会ったところで、何も生まれないでしょ?相手だってただの人間な訳だし。付き合うだとか、そんな訳じゃあるまいしさ」
「まーたそうやって、物事に意味を求める……。意味の無い楽しみだって、必要だよ?」
「それはそうかも、しれないけれど……。っていうか、それより香苗。お店のほうは、大丈夫なの?」
彼女に問う。香苗の実家は、自営業のスイーツカフェだ。駅から徒歩数分程の場所で経営しており、雑誌のスイーツ店特集にも何度か、掲載された事もあるのだとか。去年で創業十年目で、十周年の感謝セール中には、何度も彼女のご両親にお世話になったりしている。
「あぁ、大丈夫大丈夫!一日くらいサボったところで、腕が落ちる事は無いんだから心配無い!」
当然の如く、このルックスを持つ彼女だ。彼女目当てで通う常連も多いらしく、親しみやすい彼女の性格に、惹かれている男性客も少なくないだろう。偶に遊びに行くと、他高校や中学生、大学生らしき人物まで、若い男性客も、女性客に紛れてちらほらと見かけるほどだ。
「でも、その分上がらないでしょ?」
「まーそうだけど。一日サボったら、二日分頑張ればいいの!ね?」
「え、あ、うん、そうだね……」
彼女が可愛らしくウィンクする。仕草だけ見れば、男の子は確実に落ちる事は間違いない。
彼女は、お店の跡継ぎとして、放課後に帰ると毎日家の手伝いをしている。その為、接客やレジ打ち、スイーツ作りだってなかなかのものだ。彼女のお父さんは、まだまだ三流だとも言っているが、自分は彼女の腕を陰ながら認めている。
「っていうか香苗。ちゃんとペアチケット、持ってきてる?」
「んー?大丈夫だよぅ、しっかり、ここに収めてあるよ!」
彼女はそう言うと、スカートのポケットから彼女お気に入りの水色の財布を取り出し、中からあの時自分が手渡した、ペアチケットを「ほら!」と、こちらに見せた。
「そう、ならいいんだけど」
「でも元々陽子のだからなぁ、今もう渡しておこうか?」
「いや、いい。入る時に、渡してよ」
「そう?」
自分の事は、自分が一番分かっている。あまりこのチケットを重要視していない自分よりも、きっと香苗が持っていたほうが、万が一の事がないだろうと、その時から予め、香苗に渡してあった。
「……あ、先生来ちゃった。じゃ、後でね!」
教室のドアが開き、担任教師が入ってきた事に気が付くと、香苗はさっさと自分の席へと戻ってしまった。そのまま生徒全員が席に着くと、帰りのホームルームがスタートする。
――はぁ。……本当は早く帰りたいだなんて言っても、香苗は許してくれないよなぁ……。
何やら先生が話しているが、一向に言葉が耳へと入ってこない。というよりも、どうせ聞いたところで他愛もない話だ。聞いたところで同じだろう。帰りのホームルームが終わるまで、西村は頬杖を突きながら、ボーっと窓の外を見ていた。

「もう、ちょっとはさっさと歩く!夢のステージが待ってるんだよ!?」
「あーはい。そうだねー」
昇降口でのんびりローファーを履いていると、香苗に叫ばれてしまった。正直、そんなに急がなくたって、サイン会まで二時間弱もあるのだ。急いでバスで向かったところで、着いてから一時間程の猶予は余裕である。まぁ、道路が混んでいなければの話だが。
「もう、陽子ってホントにゆるだるだよねぇ。昔からなの?」
ようやく香苗の元へと歩き着くと、彼女が問うた。
「昔からっていうか……。うーん、小学生の時はもう少しマジメにやってたような気もするけど……中学でこっちに越して来てから、なんかやる気というやる気は無くなったよね。何でだろ」
彼女とは中学生の時からの友人だが、確かに言われてみれば、いつからこんな適当な生活になってしまったのだろうか。自分でも少し不思議だ。昔はもう少し、マジメに生きていたような気がする。
「えぇー。確かに陽子は、中学の頃からその調子だけどさぁ。何々?反抗期がきっかけとか?」
「いや……私、反抗期ってほとんど無かったんだよね。親に反抗したところで、無駄じゃない?どうせ勝てないんだし」
「あははっ、なんだか陽子らしいや。私なんて、中学生の時は毎日ケンカばっかりだったよ!『スポンジの焼き方加減が甘い!』ってパパに何度も怒られて、挙句には『うっさいんだよこの変態親父!』って叫んで、一日公園で寝た日もあったからなぁ。夏休みだったけ」
「嘘、そんな事あったの?」
「そうなんだよね。特に私の場合は、他の家庭と違って自営業だから。怒られる頻度も多かったと思うよ。その度に、練習サボって部屋に閉じこもってたり、家出したりしてたよ。今じゃ、いい思い出だね」
へへっと彼女が笑みを浮かべる。彼女の苦労話を聞いて、なんとなく羨ましいと思ってしまう自分が心の片隅にはいた。
「ふぅん……。そっか」
「ん?……お、噂をすれば。もしもし、パパ?」
ふと、香苗はブレザーの中からスマートフォンを取り出すと、耳に当てて話し始めた。どうやら、お父さんからの電話らしい。
――……っていうか、これからサボる予定なら電話に出ないほうがよかったんじゃ……。
忠告をしたくても、既に時遅し。お父さんと話し続ける彼女と共に、黙々とバス停へと向かっていた。
「……え!?ホントに?」
突然、彼女が驚いた様子で声を荒げる。隣を歩いていた自分も、その声量にビックリして体を仰け反らせてしまった。その様子に気づいた香苗が、苦笑いを浮かべながら左手だけでジェスチャーで謝る。
しばらくして、お父さんとの電話をようやくし終わるや、唐突に香苗が「よーっし!」と両手でガッツポーズをしてみせた。全く状況が掴めずに、西村はすかさず彼女に問う。
「どうしたの?嬉しそうだね」
「んふふー、実はね?……急遽予定が変わって、ロイドの人達がサイン会の後、ウチのお店で完全クローズドでお誕生日会をするんだって!しかも、カメラも入るみたい。ウチの店が、テレビに映るんだって!」
唐突に、小声で耳打ちをされた。その声は、声量の割にかなり興奮気味だ。
「え、ホント?へぇ、よかったじゃない」
「だから陽子。後は、任せた!」
「……へ?」
スカートのポケットから財布を取り出すと、彼女は西村の手を引いて、自分の手の平に何かを握らせた。……何となく、嫌な予感がする。
「これって……券、だよね?」
「うん!陽子のペアチケット。本当は行きたいけど、私そっちの手伝いに行かなきゃ!まぁ、誰か他の人誘って行って来なよ!私、急いで帰らなきゃ!」
「え、えぇ!?ちょ、ちょっと待ってよ!?私は……」
「それじゃあね!陽子!また来週!」
「ちょ、ちょっと!香苗ぇ!!」
彼女の名前を叫んだものの、香苗はそのまま歩いてきた方向とは逆方向へ、一人で走って帰ってしまった。追いかけようにも、そんな気も湧かず。突然の独り身に、ただただ彼女の後姿を呆然と見つめているだけだった。
――どうしよう……この券。今更、誘う友達なんていないし……。っていうか、チケットの転売とかそういう類ってダメなんじゃなかったっけ?あ、いや。元々私のだから、私はいいのか。
握らされた券を見る。元々帰りたいという気持ちが強かったのに、突然一人分の券が空き家になってしまった事によって、勿体無いという感情さえも湧いてくる。
そもそも、百五十組限定の抽選にせっかく自分が当たったのに、こんな風に簡単に棒に振ってしまう香苗もどうかと思うが。一ヶ月前、当選した事を彼女に報告すると、泣きながら自分に抱き着いて喜んでいたくせに。あの日の事を、もう当人は忘れてしまったのだろうか。
ともあれ、行くにしたってペアチケットだ。自分一人で行ったって、結局は一枚無駄になる。
数分間、電柱の傍でボーっと立ち尽くした挙句に、ようやく自身の中で結論付いた。あまり乗り気じゃないが、まぁ妥当な結論だと思う。
――仕方ない……行くか。
「はぁ」っと一息吐くと、改めて西村は独り身で、バス停へと向かった。

バスに乗り込み約三十分。目的地のデパートへと着いた。ここへはよく、学校帰りや休日に、友人と遊びに来るのだが、一人で来たのは初めてだ。一人だと、こんなにも気が重くなるのかと、少しだけショックを受けた。
バスを降りて、スマートフォンを取り出す。時間はまだ、開始まで五十分程余裕があった。少し、中を適当に歩こう。一緒に降りてきた、同じ女子高生達であろう人混みに混じりながら、西村は店内へと入った。
――それにしても……どこを歩こうかなぁ。
歩くのは構わない。ただ、完全に無計画だから困ったものだ。特に欲しいモノなんて無いし、自分は他の女性のように、物々を見て楽しいとは思えない。何かの購入理由が無いと、特別店に入ろうだなんて思わない。この意識を、変えたほうがいいのかもしれないと、何度も思ってはいるものの、結局は放棄しっぱなしである。
適当に一階部分を歩き始める。心做こころなしか、女性客が多い気がする。まぁ今日に限っては、当然と言えば当然かもしれない。だが、偶にちらほらと見える男女のカップルが視界に入ると、少しだけチクリと心が痛むような感覚が走った。
――はぁ。こんな時に、彼氏がいればいいんだろうけど……。まぁ、好きな人さえいないんだけどね。
「あ、そうそう!ねぇねぇ知ってる?アキラがさ、ミホの事が好きなんだって!」
「ん……」
すれ違った女子高生の二人組の会話が左耳を通り抜ける。
「えー!マジ?それ、どこ情報?……」
顔だけ振り向いて、彼女達の会話に耳を傾ける。が、結局はそれ以上は聞き取れずに、遠ざかってしまった。
――噂、か。
陰口。噂話。どうしてこのようなものが生まれてしまうのだろうか。決してあるはずもない噂話に尾ひれ背びれが付き、全く違う嘘が真実となった事例は今までいくつあるのだろう。そのような被害に遭った人々は、どんな心境で生きていったんだろう。今自分は、そんな被害を受けた人々の話を、一つでも多く聞いてみたかった。
『西村さんって、健二けんじと付き合ってるらしいよ?』
いつからだろうか。気がつけば、学年中にその噂が広がってしまっている。それほどまでに、彼の知名度が異様に高いという証拠だ。ある意味称えてもいいのだろうが、自分の場合は真逆だ。西村達にそんな事実は全くないし、西村も彼にそのような心情は抱いていない。それ以上に、彼と話したのは、あの時の一度だけだ。それ以来は、一言も、一文字すらも対話していない。
一体、誰がどこで、どのように話を流したのか。考えるだけで腹が立つ。近年は怒る事さえ面倒に感じてしまってはいるが、この件だけは全く別だ。
――まぁ……どうしようもないのも事実かもしれないんだけど……。
どんなに腹立たせても、行きつく先はそこだ。自分にはどうしようもない。誰がどうしようと、それ以上の影響力がある噂が流れない限り、噂という煙は消える事は無いのだ。要するに、自分が彼と付き合っているという噂は、それほどまでに学年中でショッキングかつホットな話題なのだろう。これほどまでに迷惑なものは無い。今日だって、一体何度茶化されたものか。
――本当に、彼氏が出来ちゃえば早い話なんだけどね……。まぁ、私には無理かぁ……。
そもそも論、自分の血縁者に似たような人物がいる事自体問題だ。自分も同じ血を継いでいるし、母や祖母だってきっと、苦労したに違いない。今度、気が向いたときに聞いてみようか。
「あーあ……」
そんな重い話を考えていたせいか、なんだか嫌気が差し出した。ちょうど見つけた、エスカレーター前のベンチにヘタレ込むように座る。特に深く考える事無くボーっと、天井を眺めた。
「……会いたいなぁ」
無意識にポツリと口からこぼれ出る。とっさに誰かに聞こえてないか心配したが、恐らくエスカレーターやアナウンスの音で到底聞こえていないだろう。そう自分に言い聞かせると、壁に寄り掛かって、ぼんやりと向かいのエスカレーターを見つめた。
向かいは、地下一階から上がってくるエスカレーターのようだ。下から、ちらほらと他の客達が上ってくる。偶に一瞬目が合ってしまうものの、すぐさまその視線は逸らされる。その繰り返しだ。
――……あれ?
ふと、エスカレーターから、スマートフォンを見つめながら上ってきた、一人の制服姿の青年を見つけた。その姿を見た瞬間、なんとなく、彼に既視感を覚える。彼はこちらには気づいていないようで、そのまま西村から見て左側にある入り口のほうまで歩いて行くと、付近の店内マップの前で立ち止まった。
――え、え、え?嘘、だよね?そんな訳、無いよね?
ここで、その話が本当だったら、本当に笑い話などでは無い。寧ろ、運命的と言っても過言ではないだろう。自然と足は立ち上がると、恐る恐る一歩一歩、彼の元へと近づいていった。
段々と、彼の顔が鮮明に見えてくる。それに比例して、徐々に西村の中では、確信という言葉が成立していった。
寝癖なのか、癖毛なのか。ちょくちょく髪がハネている髪型が印象的で、彫りが深く、ハーフにも間違われるであろう容姿だ。
ただ、西村の記憶だと、どこか少し自信が無さ気で、おどおどした雰囲気が彼の第一印象だったのだが、今目の前にいる彼からは、何かに吹っ切れたような感じで、少し陰気な雰囲気が見て取れる。容貌も爽やかな感じであった昔と違って、だいぶ適当さが目に見えた。
彼の真横に立つ。まだ、彼は気づいていないらしい。言葉を発すのに少し恐怖を覚えたが、ここまで来てしまったら、声を掛けなくてどうする。自分にムチを打つと、西村は一つ、彼に向かって声を掛けた。
「あの……」
弱々しい、震えた声が口から出た。彼がこちらに気づき、視線をこちらへと向ける。彼と目が合った。その瞬間、体中に電気が走るかのような、懐かしい感覚を覚えた。
一瞬の間。その一瞬が、とても長く感じられた。彼は少し顔をしかめると、その口をようやく開いた。
「え……もしかして……西村?」
自分の名を呼ばれる。その瞬間、何と表現すればいいか分からないほどの喜びが、体の中を巡った。こんなにも嬉しいという感情が湧いたのは、一体いつ以来だろう。
彼の名は、真田さなだ裕人ひろと。自分にとって、唯一無二の友人であり、大切な想い人である。
「あぁー!やっぱり!ヒロ君だよね?嬉しい、覚えててくれたんだぁ!」
「おぉ、久々だな。元気だったか?」
「うん!おかげさまでね!」
「そうか。よかった、安心したよ」
彼は、あの日あの時と変わらない、可愛さが残る笑顔で微笑んだ。

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