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思い描いて異世界創作

水島コウヤ

1話「印」

『どすーん』
空から落ちていく一人の青年とそれを見て腹を抑えながら笑っている美少女が落ちた先はまっさらな野原の中。
青年の恐怖からの叫び声とともに落ちた衝撃で鳴り響いたごうおんは障害物がないためか遠くの方まで連鎖しているのが聞こえる。
そして先に人形の穴ができた地面からまるで生き返ったゾンビの様に這い上がってきたのは青年、主人公である加藤心也だった。

「はぁー死ぬかと思った~」

隣にもう一つ空いていた穴を気にすることもせず確認した自分自身の生存確認が終わるとそれに気づいた。

「ってあれあまり痛くない」
「当たり前じゃない…っっ」

すると思ったより痛かったのか穴から同じく這い上がってきた美少女、シスカが頭を抑えながら俺の呟いた質問に答えてくる。

「頭の横を見てみて、何かゲージと呼ばれるHPメーターがあるはずよ、そしてそれが全く減ってないはず」
「っっ!?」

言われた通りシスカ側を見てみる、とそこにはゲームでよく見るようなその『ゲージ』があった。
しかも本当に全然減っていない。

「ほんとだ、どういう事なんだ?」

穴から出ながら汚れた服をぱんぱんと叩き落としながら俺と同じような行動をとっているシスカに質問を続ける。

「これはね、ゲージといって自分の体力が簡単に分かるものなの、ほらゲームでもよくあるじゃないそんなの。」
「はぁ」

そんな事はゲームをたしなんでいた俺からすればとっくにきずいている。
それよりなぜそんなのがあるのかとか、何であんな高さから落ちても怪我一つせず助かったのとか、そんな事を聞いているのに俺の説明不足のせいか?それともこいつの脳のせいか?そんな事は聞かないうにしておこう。
すると俺は顔にすぐ出るのだろうか、『あっ』と気がついたかのように…

「当たり前じゃないここは異世界よ、あなたがいた普通の世界とは全然違うの、だいたい異世界っていったらこんなのが普通じゃないの?何馬鹿なの?もしかしてえーと加藤君?心也?は異世界何て信じてないからそんなの知っても何の得にもならないとか思ってたの?」

こいつはまじでぶん殴りたい、俺はただあまり興味が無かったってだけだ、しかも馬鹿じゃないしここが普通の世界じゃない事くらい頭のゲージを見れば分かるし。
って地味に君から呼び捨てにすんな。

「おい、この頭いかれ女、俺は馬鹿じゃないしかも俺が聞きたかったのは何であの高さから落ちても怪我一つもしてないのかってことだ」

ゲージの件は抜かして言う。

「何よこの普通の中の普通の中の中のふちゅうやろう、あと何度言わせんの異世界だから普通の世界と違ってHPがあるから痛みは軽減されるに決まってるじゃない、何よ分かった」
「何がふちゅうだ、普通と中を変に合わせるな何か赤ちゃんですかじゃなくてでちゅかー」

その俺の言葉に思わず言いすぎたと自分でも思うくらいだったくらいの言葉にもう思いっきり泣きそうな顔をしている、目の前の女を更に睨みつける。

「ぐすっぐすっわーーーーーだめよもう私の精神的ダメージは0よこれ以上いじめないで」
「んっ分かった分かった悪かった」

想像もしなかった反応に流石に驚き、悪いと思った。
でもこいつ泣きながらでもぽこぽこと叩いてくる姿はみっともなくともやっぱり罪悪感が出る程だ。

「ぐすっぐすっ…っっ」

まだ泣き止まないシスカを差し置いて先程説明してもらったことを聞き直す。

「何かじゃあどんなに殴られても蹴られても刺されようだって、痛みはほぼ軽減されHPだけ減るってことか?」
「ぐすっえっええそうよ」
「すげえーな」

隣で泣いているのはやっぱりほおって置いて一人でこの優越感に浸ってしまっている。
そして両手を見ながら感心していると手の甲に描かれているある模様があることに気がつく。
だから結局の所こいつに聞くしかない訳だ。

「なぁシスカ、この手の模様何だ?」

その差し出した手を見て手で涙を拭きながら、それでも答えてくれる。

「そ…それは異世界の神様的存在の人にしか出来ない模様でいわば印みたいなものね」
「印…」

そしてまた手の模様を見るていると、シスカの手にも同じような模様があることに気がついた。

「じゃあ何でお前にもあるんだ?」
「あーこれは神の印」
「それは俺何じゃないのか?」
「心也のはこの世界の創造神の印、私のこの世界の神様の印、それぞれ違うのほら」

そう言って自分の手の甲を俺の顔に近ずけてくる。
すると確かにそれは少し違った。
よく見るとシスカの手の印は俺のと違い丸い円型の中に意味のわからない古代文字みたいなものが書いてある綺麗な青色だった。
ちなみに俺のは六角形の赤色、これはシスカと同じで意味のわからない文字が書かれている。

「ほんとだへぇ神の印かぁでもこれ何が出来るんだ?」

その質問に何いってんのという顔でこちらを向いて言う。

「何もできないわよ、だってただの印だからね」

俺はその話を隣に丁度あった椅子に腰掛けながら感心しながら、凄いなと思いながら聞いてい…って何でこんな所に椅子がぁ~?
さっきまで無かっただろ。
えっなんですか確かに何かに座りたいかとは少し思いましたけどまさかあったなんて…ってか無かった。

「シスカ何だこれ」

驚く程にはっとした呟きを隣であぐらをかいている少女に投げかける。

「それはあなたの創造神としての能力よ」
「はぁ?」

いらだちや焦りを混ぜてるわけでもない、かといって疑問だけが残っているわけでもない。
ただ不思議でそして想像と違った事に少し動揺しているだけ。

「でも建築士ぽいって作るんじゃないのか?」
「はぁ何言ってるの?もしかして心也、”想像神”を創造神って勘違いしてない?」
「えっ!!」

どうやら俺は変な勘違いをしていたらしい。
シスカは地面に座ったまま地面からこちらを見上げ明らかに馬鹿にしているだろうニヤケ顔で今にも吹きそうだった。

「ぶはっ面白い本当にこんな文字で勘違いする人っているんだーぷははははぁぁぁーー」

いやもうすでに吹いている。
こいつをどうにかしてもう一度泣かせたい、俺の心が叫びたがっている、いや決してどっかの青春ラブコメの話をしている訳ではなくて。
そしてよくよく考えてみると、俺は想像神つまり想像しただけで作れるらしいんだな。
この時点で決意した。

「よし帰ろう」
「えっ何で何で?」

その決意に流石にシスカも動揺が止まらないらしい。
その証拠にさっきまで転げ笑っていたあほずらがその言葉によって比喩を使うと目が点だ。

「だから俺は自分の手で創りたいんだ、だから想像するだけでものを創れなんて以ての外だ」
「でも創れることには変わりないでしょ、ねーお願いよ私一人でやるなんて大変すぎ」



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