ふたつの世界で展界異世界生活
謎の少女の正体って仲間に!?
【異世界】
少女が言った言葉が頭をよぎる。
「たす……け…て…」
いったいあの少女の身に何があったのだろうか。
そう黙り込んでミアと俺が広いリビングの机で考え事をしている。
お互い向かい合って座っていて、下を向いているため互いの顔が見えなくなっていた。
ひとりで悩んでいてもしょうがないミアともう1度話をしよう、そう思い顔を上げミアの方を確認する。
「なぁミア…………?」
返事が返ってこない、と言うか声を掛けているのにこちらの方すら見ようともしない。
まさかそんなにあの少女の事について悩んでいるなんて、いつもは自己中心的な奴なのだが今日は少し見直してしまう。
そう思い邪魔するのも悪いと思い何か飲み物を取りに行こうと立ち上がったその時、ミアから何か聞こえてくる。
「……ぐぅー…も…もう…食べられないよ〜にひひ」
前言撤回だ。
やっぱりこいつどうしようもないろくでなしだ、必死に考えていると思ったら、寝てるじゃねーか。
イラッとしたので起こすため近くまで近寄る。
近くまで来るとミアの背後に立ちミアの耳元で指を鳴らし『火よ来たれ』という火をだす魔法で火をつけた。
すると、
「あ…あつ…あっ…あっ、ち…あっちちちちちちち」
やがてほんの少し頬に触れた火に気づいたミアは飛び上がりながら椅子から立ち上がる。
それにすかさず、『水よ来たれ』と言いさっきとは違って頭から水を被せてやる。
「大丈夫か〜ミア…良かったな火傷しなくて、感謝しろよ〜」
白々しく棒読み、流石にやりすぎたと思ったが、これくらいしないとこいつは反省はしない。
「何すんのよ、この変態悪魔」
助けてあげたというのにびしょ濡れのミアがそんな事を言う。
「変態悪魔とは何だ俺は火傷しそうになってるのを助けてあげたんだろ?逆に助けてくれてありがとうと感謝すらされるはずだが」
「そんなわけないでしょ、火を出したのも隼人だって知ってるんだから」
「やってませんー」
「やってましたー」
またどうでもいい言い合いが始まってしまう。
そこに終わりを告げるかのようにソフィアが出てきた、隼人・ミア、そんな事してないで早く来てください、女の子の意識が戻りましたよ。
「そうか、じゃあ行こう」
「えっあっ待って」
胸ぐらを掴みながら喧嘩体制に入っていた俺とミアは一事休戦、すぐにあの少女がいる部屋に入った。
するとそこには先程とは違い横になったまま目を開けている少女の姿があった。
とっさに話しかけてみる。
「ねぇ君、大丈夫」
ミアがためらいもなしに少女に尋ねる。
その質問に少女はこくりと頭を上下させている、喋れないのだろうか。
「何で家なんかに来て、しかも助けてって何?」
ミアが少女がそのまま話し続ける。
すると少女は何も言わずにこちらをじっと見つめている。
何だ、とりあえず元気になって良かった。
「………いた……………」
ずっと俺たちを見つめていた少女がいきなり何かを言い出した。
しかしその声はとても小さく俺たちの耳ではとうてい聞き取れない、するとそれが分かったのだろうか今度はもう少し大きな声で言ってくる。
「…お…おな……おなか…すいた……。」
やっと聞こえた、そうか腹が減っているのか。
俺たちは顔を見合わせ小さく頷くと、ソフィアが部屋を出ていった。
そしてその間喋れるようになった少女に話しかけてみる。
「ねぇ君何があったの?いきなり家に来て倒れて、もう私びっくりしちゃったよ」
ミアの質問はまだまずかったのだろうか答えに困っている。
急いで俺が他の質問をしてみる。
「えっと名前は何て言うの?」
今度は俺の質問に少女は少し恥ずかしがりながら、一瞬体が光った。
「……………えっ…ソフィアだけど」
ソフィアが寝ていた。
ってはぁ!?そ、ソフィア、でも今ベットで寝ていたのはあの少女であってなのに何でいきなりソフィアが寝ているんだ、意味がわからない。
一瞬体が光ったと思ったらいきなりソフィアが現れた、それと引き換えに少女は消えた、でもソフィアはさっきまで食べ物を取りにキッチンにいたはず…。
俺の鋭いかんが働く…って事は、二人には何も言わず黙ってキッチンに走り出した。
「えっちょ待って隼人」
「待ってください隼人」
キッチンに着いた、するとそこにはさっきまでソフィアがいたと思われる場所にかがみこみ食い物をむしゃくしゃ食べている先程の少女がいた。
「やっぱり君何でこんな所にいるんだ?」
すると少女はびくっと反応するも、こちらを見ずに食べ続ける。
何だこの女、もう少女などどうでもいい。
「おいお前」
ちょっと怒った言い方をしても見向きもせず食べているのを見て流石に腹が立ってきた俺は近くまで近寄り襟を掴みミアとソフィアがいる部屋に向かった。
するとそこには今日の異世界ニュースの事について話し合っている馬鹿なふたりが何事も無かったかのように座っていた。
「何やってんだこんな時に」
「あれ隼人早かったね、今丁度何やってるのかなーってソフィアと話していたところよ」
「はい」
「嘘つけ」
こんな時でも堂々と嘘をつけるミアをどうかとも思うが、今はそんな事どうでもいい。
キッチンから引っ張ってきた、少女をふたりの前に突き出す。
「えっ何、何か変なことでもする気」
「んな訳ねーだろ」
やっぱりこいつは何かおかしいと俺は思う。
隣で苦笑いしているソフィアも同じことを思っているだろう。
それよりだ、まずはこいつが突然消えた理由と、その他もろもろを説明してもらおうじゃねーか。
そして、椅子に座らせた少女を囲み事情聴取。
「まずはさっきのはなんだ」
「…………………………。」
頑なに話さない気である。
だめだ。
ただの感だがあれは………………
「転移魔法…テレポート」
俺の呟いた一言に先程までは全く動かなかった体がこの時だけびくりと動いた。
やっぱりそうだ。
「転移魔法って何」
言葉そのままの意味が分からないどうしようもない馬鹿が訪ねてくる。
それにソフィアが丁寧に答える。
「転移魔法テレポートと言うのは相手をがいる場所と自分がいる場所を入れ替える魔法、まさしくそのままの意味ですよミア」
「あっそうなんだ」
この馬鹿に丁寧な御説明ありがとうソフィア。
そうソフィアの言うとうりこれは転移魔法、でも転移魔法と言うと一億人に一人の確率でしか取得できない魔法のはず、それをどうしてこんな奴が。
考えていると少女が頷きやっと話し出す。
「そうほのまのうはいゆいづのてんいまぼうてれぼーどでず」
飲み込んでから喋ろ。
魔法、それはレベル事に取得できるこの世界での魔王を倒すゆういつの手段である。
「そう私の魔法ゆういつの転移魔法テレポートです」
まさかこれ程の奴とは、やっぱり馬鹿にできない。
でも何でこんな奴があんな状態で家なんかに、それだけは聞いておかないといけない。
「なぁ何でそんな凄いもん持ってんのにひとりでこんな所にいるんだ」
黙りこむ少女、何か言いづらいことでもあるのだろうか。
流石のミアもこれはまずいのかと分かったのか止めにはいる。
「ま、まぁそれは今置いておいて、こらー人のものを勝手に食べたらだめでしょー。」
だめだこいつあほだ。
片言でわかりやすくて全然フォローになってない、ならこんな時はソフィアに…って
「そそそそうですよ隼人ちちちちゃんとしてくくく下さい」
俺の前にお前がちゃんとせい、てか何でこいつらこんなに動揺してんの?
俺の顔を見たふたりが言いたいことに気がついた様で俺に迫って言ってきた。
「何隼人、こんな一億人に一人の存在のお方にそんな態度とっていいと思ってるの」
「そうですよ隼人このお方は一億人に一人の存在のいわば神的なお方何ですよ」
あーそういう事かどうりでこのふたりが反応する訳だ。
そんな事を思っているとやっと登場してきた少女が椅子に座って目を輝かせながら…
「じゃあ仲間に入れてよ…」
「「「・・・、えー」」」
突然仲間にしてという事のようだ、この事にしては流石に俺も驚きが隠せない。
だって転移魔法が使える人望がいたら他のパーティに羨ましがられるところか、くれくれと金が何もしないで増えていくところか、女子風呂から○○○を盗ん…ごほん、失礼した。
とにかくこの状況は俺にも驚きだ。
って言うか、隣で声も出ないふたりを何とかして。
「えっでも何で俺たちの仲間なんかにあまり強くないしメンバーは馬鹿もいるししかも君みたいのだったら他に欲しいというパーティは少なくないはずだろ」
つい声を張ってしまう。
そうそれくらい大きな事なのだ。
すると少女は微笑みながら言う。
「だって私こんな感じが好きなんだもん」
神様か、さっきまでこいつめっちゃウザかっただろうが、なのにこうやって見るとやっぱり美少女だ、いや女神様に違いないきっと。
黙りこむ俺たちに続けて言ってくる。
「こんなアットホームな感じが好きだし、しかも他のパーティは私がいるだけでお金が貰えるからという馬鹿な理由で私を欲しがるんだもん、そんな所に行きたくないわ」
なんだろうこの人は心が読めるのだろうか、図星すぎて胸が痛い。
しかもさっきより全然喋るし。
それにやっとミアとソフィアが参加する。
「えっそうなのじゃあ仲間になってじゃなくて、仲間にしてあげてもいいわよ、ねぇソフィアさん」
「えっちょえっあっそっそうねミア…さん?」
何でこいつは人を上から見ないと満足しないのだろうか、そしてソフィアも無理して乗らなくていい。
俺はミアの後頭部を手のひらでばしんと大きな音が鳴るくらい叩く。
「いったー何するのよ隼人、そして何でソフィアにはやらないのよ」
「分かってんだったら最初からやるな」
ソフィアは隣で自分も叩かられるのかと思っているのか、おどおどしている。
「大丈夫ソフィアにはやらないから」
「だって仲間になるんだったらもう私の部下みたいなものでしょ」
「んな訳ねーだろ、てか何で部下何だよ」
そんな少女を忘れなている訳では無いが、いつもの言い合いをしていると、今までぼーっと俺たちの会話を聞いていた少女がクスッと笑った。
「やっぱり私はこんな面白い人たちが好き、だからもう一度言う、お願い私をこのパーティに入れて」
三人で顔を見合わせそして意味の分からない頷きを見せる。
「よし、分かった君を仲間にしよう」
俺が代表として言う。
それにミアとソフィアも隣でようこそという顔で笑っている。
「ありがとう、私の名前はシルフィ・エルマントス、よろしくね」
シルフィか、これで俺たちのパーティは四人となったわけだ。
「あぁよろしくなシルフィ」
「よろしくシルフィ」
「よろしくお願いしますシルフィ」
 あれいいように終わってるがシルフィがここに来た理由って何なんだ?
「なぁシルフィ改まって申し訳ないが、お前がここに来た理由って何だ?」
その言葉にみんな思い出したかのようだ。
「そういえばそうね」
「何でなのシルフィ」
それにシルフィは恥ずかしそうに顔を赤くして言う…
「実は…」
「「「えー親と喧嘩して家を出てきた!」」」
だそうだ、やれやれやっぱりまだ子供って事だな。
「仕方ない明日シルフィの親に挨拶も兼ねて家に戻ってみるか、シルフィ」
俺の優しさにシルフィは顔を赤くしながらも大きく頷く。
「うん、ありがとうみんな」
「さぁ今日はシルフィが仲間になったってことで歓迎パーティやりましょう」
「それ良いですね、ね隼人」
「あ、あぁ」
正直俺もテンションが高くなっている?
明日はシルフィの両親への挨拶と訳の分からない謝罪か…、大変そうだがやっぱり仲間が増えたのは嬉しい限り、そう俺たちはみんな浮かれていた。
この後に何が起こるのかも知らずに……。
次回→『挨拶も楽じゃない、それよりソフィア何でお前がここに』
少女が言った言葉が頭をよぎる。
「たす……け…て…」
いったいあの少女の身に何があったのだろうか。
そう黙り込んでミアと俺が広いリビングの机で考え事をしている。
お互い向かい合って座っていて、下を向いているため互いの顔が見えなくなっていた。
ひとりで悩んでいてもしょうがないミアともう1度話をしよう、そう思い顔を上げミアの方を確認する。
「なぁミア…………?」
返事が返ってこない、と言うか声を掛けているのにこちらの方すら見ようともしない。
まさかそんなにあの少女の事について悩んでいるなんて、いつもは自己中心的な奴なのだが今日は少し見直してしまう。
そう思い邪魔するのも悪いと思い何か飲み物を取りに行こうと立ち上がったその時、ミアから何か聞こえてくる。
「……ぐぅー…も…もう…食べられないよ〜にひひ」
前言撤回だ。
やっぱりこいつどうしようもないろくでなしだ、必死に考えていると思ったら、寝てるじゃねーか。
イラッとしたので起こすため近くまで近寄る。
近くまで来るとミアの背後に立ちミアの耳元で指を鳴らし『火よ来たれ』という火をだす魔法で火をつけた。
すると、
「あ…あつ…あっ…あっ、ち…あっちちちちちちち」
やがてほんの少し頬に触れた火に気づいたミアは飛び上がりながら椅子から立ち上がる。
それにすかさず、『水よ来たれ』と言いさっきとは違って頭から水を被せてやる。
「大丈夫か〜ミア…良かったな火傷しなくて、感謝しろよ〜」
白々しく棒読み、流石にやりすぎたと思ったが、これくらいしないとこいつは反省はしない。
「何すんのよ、この変態悪魔」
助けてあげたというのにびしょ濡れのミアがそんな事を言う。
「変態悪魔とは何だ俺は火傷しそうになってるのを助けてあげたんだろ?逆に助けてくれてありがとうと感謝すらされるはずだが」
「そんなわけないでしょ、火を出したのも隼人だって知ってるんだから」
「やってませんー」
「やってましたー」
またどうでもいい言い合いが始まってしまう。
そこに終わりを告げるかのようにソフィアが出てきた、隼人・ミア、そんな事してないで早く来てください、女の子の意識が戻りましたよ。
「そうか、じゃあ行こう」
「えっあっ待って」
胸ぐらを掴みながら喧嘩体制に入っていた俺とミアは一事休戦、すぐにあの少女がいる部屋に入った。
するとそこには先程とは違い横になったまま目を開けている少女の姿があった。
とっさに話しかけてみる。
「ねぇ君、大丈夫」
ミアがためらいもなしに少女に尋ねる。
その質問に少女はこくりと頭を上下させている、喋れないのだろうか。
「何で家なんかに来て、しかも助けてって何?」
ミアが少女がそのまま話し続ける。
すると少女は何も言わずにこちらをじっと見つめている。
何だ、とりあえず元気になって良かった。
「………いた……………」
ずっと俺たちを見つめていた少女がいきなり何かを言い出した。
しかしその声はとても小さく俺たちの耳ではとうてい聞き取れない、するとそれが分かったのだろうか今度はもう少し大きな声で言ってくる。
「…お…おな……おなか…すいた……。」
やっと聞こえた、そうか腹が減っているのか。
俺たちは顔を見合わせ小さく頷くと、ソフィアが部屋を出ていった。
そしてその間喋れるようになった少女に話しかけてみる。
「ねぇ君何があったの?いきなり家に来て倒れて、もう私びっくりしちゃったよ」
ミアの質問はまだまずかったのだろうか答えに困っている。
急いで俺が他の質問をしてみる。
「えっと名前は何て言うの?」
今度は俺の質問に少女は少し恥ずかしがりながら、一瞬体が光った。
「……………えっ…ソフィアだけど」
ソフィアが寝ていた。
ってはぁ!?そ、ソフィア、でも今ベットで寝ていたのはあの少女であってなのに何でいきなりソフィアが寝ているんだ、意味がわからない。
一瞬体が光ったと思ったらいきなりソフィアが現れた、それと引き換えに少女は消えた、でもソフィアはさっきまで食べ物を取りにキッチンにいたはず…。
俺の鋭いかんが働く…って事は、二人には何も言わず黙ってキッチンに走り出した。
「えっちょ待って隼人」
「待ってください隼人」
キッチンに着いた、するとそこにはさっきまでソフィアがいたと思われる場所にかがみこみ食い物をむしゃくしゃ食べている先程の少女がいた。
「やっぱり君何でこんな所にいるんだ?」
すると少女はびくっと反応するも、こちらを見ずに食べ続ける。
何だこの女、もう少女などどうでもいい。
「おいお前」
ちょっと怒った言い方をしても見向きもせず食べているのを見て流石に腹が立ってきた俺は近くまで近寄り襟を掴みミアとソフィアがいる部屋に向かった。
するとそこには今日の異世界ニュースの事について話し合っている馬鹿なふたりが何事も無かったかのように座っていた。
「何やってんだこんな時に」
「あれ隼人早かったね、今丁度何やってるのかなーってソフィアと話していたところよ」
「はい」
「嘘つけ」
こんな時でも堂々と嘘をつけるミアをどうかとも思うが、今はそんな事どうでもいい。
キッチンから引っ張ってきた、少女をふたりの前に突き出す。
「えっ何、何か変なことでもする気」
「んな訳ねーだろ」
やっぱりこいつは何かおかしいと俺は思う。
隣で苦笑いしているソフィアも同じことを思っているだろう。
それよりだ、まずはこいつが突然消えた理由と、その他もろもろを説明してもらおうじゃねーか。
そして、椅子に座らせた少女を囲み事情聴取。
「まずはさっきのはなんだ」
「…………………………。」
頑なに話さない気である。
だめだ。
ただの感だがあれは………………
「転移魔法…テレポート」
俺の呟いた一言に先程までは全く動かなかった体がこの時だけびくりと動いた。
やっぱりそうだ。
「転移魔法って何」
言葉そのままの意味が分からないどうしようもない馬鹿が訪ねてくる。
それにソフィアが丁寧に答える。
「転移魔法テレポートと言うのは相手をがいる場所と自分がいる場所を入れ替える魔法、まさしくそのままの意味ですよミア」
「あっそうなんだ」
この馬鹿に丁寧な御説明ありがとうソフィア。
そうソフィアの言うとうりこれは転移魔法、でも転移魔法と言うと一億人に一人の確率でしか取得できない魔法のはず、それをどうしてこんな奴が。
考えていると少女が頷きやっと話し出す。
「そうほのまのうはいゆいづのてんいまぼうてれぼーどでず」
飲み込んでから喋ろ。
魔法、それはレベル事に取得できるこの世界での魔王を倒すゆういつの手段である。
「そう私の魔法ゆういつの転移魔法テレポートです」
まさかこれ程の奴とは、やっぱり馬鹿にできない。
でも何でこんな奴があんな状態で家なんかに、それだけは聞いておかないといけない。
「なぁ何でそんな凄いもん持ってんのにひとりでこんな所にいるんだ」
黙りこむ少女、何か言いづらいことでもあるのだろうか。
流石のミアもこれはまずいのかと分かったのか止めにはいる。
「ま、まぁそれは今置いておいて、こらー人のものを勝手に食べたらだめでしょー。」
だめだこいつあほだ。
片言でわかりやすくて全然フォローになってない、ならこんな時はソフィアに…って
「そそそそうですよ隼人ちちちちゃんとしてくくく下さい」
俺の前にお前がちゃんとせい、てか何でこいつらこんなに動揺してんの?
俺の顔を見たふたりが言いたいことに気がついた様で俺に迫って言ってきた。
「何隼人、こんな一億人に一人の存在のお方にそんな態度とっていいと思ってるの」
「そうですよ隼人このお方は一億人に一人の存在のいわば神的なお方何ですよ」
あーそういう事かどうりでこのふたりが反応する訳だ。
そんな事を思っているとやっと登場してきた少女が椅子に座って目を輝かせながら…
「じゃあ仲間に入れてよ…」
「「「・・・、えー」」」
突然仲間にしてという事のようだ、この事にしては流石に俺も驚きが隠せない。
だって転移魔法が使える人望がいたら他のパーティに羨ましがられるところか、くれくれと金が何もしないで増えていくところか、女子風呂から○○○を盗ん…ごほん、失礼した。
とにかくこの状況は俺にも驚きだ。
って言うか、隣で声も出ないふたりを何とかして。
「えっでも何で俺たちの仲間なんかにあまり強くないしメンバーは馬鹿もいるししかも君みたいのだったら他に欲しいというパーティは少なくないはずだろ」
つい声を張ってしまう。
そうそれくらい大きな事なのだ。
すると少女は微笑みながら言う。
「だって私こんな感じが好きなんだもん」
神様か、さっきまでこいつめっちゃウザかっただろうが、なのにこうやって見るとやっぱり美少女だ、いや女神様に違いないきっと。
黙りこむ俺たちに続けて言ってくる。
「こんなアットホームな感じが好きだし、しかも他のパーティは私がいるだけでお金が貰えるからという馬鹿な理由で私を欲しがるんだもん、そんな所に行きたくないわ」
なんだろうこの人は心が読めるのだろうか、図星すぎて胸が痛い。
しかもさっきより全然喋るし。
それにやっとミアとソフィアが参加する。
「えっそうなのじゃあ仲間になってじゃなくて、仲間にしてあげてもいいわよ、ねぇソフィアさん」
「えっちょえっあっそっそうねミア…さん?」
何でこいつは人を上から見ないと満足しないのだろうか、そしてソフィアも無理して乗らなくていい。
俺はミアの後頭部を手のひらでばしんと大きな音が鳴るくらい叩く。
「いったー何するのよ隼人、そして何でソフィアにはやらないのよ」
「分かってんだったら最初からやるな」
ソフィアは隣で自分も叩かられるのかと思っているのか、おどおどしている。
「大丈夫ソフィアにはやらないから」
「だって仲間になるんだったらもう私の部下みたいなものでしょ」
「んな訳ねーだろ、てか何で部下何だよ」
そんな少女を忘れなている訳では無いが、いつもの言い合いをしていると、今までぼーっと俺たちの会話を聞いていた少女がクスッと笑った。
「やっぱり私はこんな面白い人たちが好き、だからもう一度言う、お願い私をこのパーティに入れて」
三人で顔を見合わせそして意味の分からない頷きを見せる。
「よし、分かった君を仲間にしよう」
俺が代表として言う。
それにミアとソフィアも隣でようこそという顔で笑っている。
「ありがとう、私の名前はシルフィ・エルマントス、よろしくね」
シルフィか、これで俺たちのパーティは四人となったわけだ。
「あぁよろしくなシルフィ」
「よろしくシルフィ」
「よろしくお願いしますシルフィ」
 あれいいように終わってるがシルフィがここに来た理由って何なんだ?
「なぁシルフィ改まって申し訳ないが、お前がここに来た理由って何だ?」
その言葉にみんな思い出したかのようだ。
「そういえばそうね」
「何でなのシルフィ」
それにシルフィは恥ずかしそうに顔を赤くして言う…
「実は…」
「「「えー親と喧嘩して家を出てきた!」」」
だそうだ、やれやれやっぱりまだ子供って事だな。
「仕方ない明日シルフィの親に挨拶も兼ねて家に戻ってみるか、シルフィ」
俺の優しさにシルフィは顔を赤くしながらも大きく頷く。
「うん、ありがとうみんな」
「さぁ今日はシルフィが仲間になったってことで歓迎パーティやりましょう」
「それ良いですね、ね隼人」
「あ、あぁ」
正直俺もテンションが高くなっている?
明日はシルフィの両親への挨拶と訳の分からない謝罪か…、大変そうだがやっぱり仲間が増えたのは嬉しい限り、そう俺たちはみんな浮かれていた。
この後に何が起こるのかも知らずに……。
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