異世界宿屋の住み込み従業員
202話 「委託」
その日は珍しく朝から宿を訪ねる客の姿があった。
テーブルを囲む客人と宿の従業員の前に置かれたのは前日作ったサツマイモ入りのパン。
「へーこれ新作かーって結構重いなこれ」
客人はオージアスである。加賀に用事があって来たそうだが、新作のパンがあると聞いて気になって仕方がなかったようで聞いて先にそっちを味見してみる事にしたのだ。
「中に芋つまってんだなー……かたい」
「昨日焼いたやつだから……炙るね」
オージサスに渡したパンは先日焼いたもの。冬の乾燥した中で一晩置いたことでかっちかちになってしまっていたようだ。
「うん、噛める……いけるな。って加賀ちゃんそれ何塗ってるの?」
「ばふぁー(バター)」
「え、なにそれずるい」
オージアスに渡すパンをこっそり?頂く加賀。
焼けたパンにバターが染みとても美味しそうに見える。オージアスもバターを付けようと次のパンに手を伸ばそうとするが、すでに食われた後であった。
「まじか……まあ、また今度食わせてくれ。んで本題なんだけど……」
オージアスの話は要約すると加賀の作るものについて興味を示している業者はいる、ただ物を見てからじゃないと判断するのは難しい。なのでサンプルを用意してほしいと要望があった。
加賀にはサンプル用といていくつか業者に委託しても良いものを用意して欲しいと話があった。
「へー、ボクはとしては助かりますけどー……なんでまた急にやる気なったんですかね」
「んー、もともと興味がまったく無かった訳じゃないらしいんだ。ただダンジョン関係の商売が優先だったらしく後回しになってたんだってさ、それに加賀ちゃん国にレシピ渡したろ? それで接触するの躊躇ってたらしい。本当かどうかは知らないけどな」
オージアスの言葉に納得したようなしてないような何とも言えない表情の加賀。周りの人間もそんな感じの表情を浮かべている。
「ん、とりあえずわかりました。情報ありがとうございます」
「ソースはとりあえずお願いすんだろ? あと何ある? カカオ?」
「あー……カカオそうだね。いつもアイネさんにお願いしちゃってるし、分離とか全部やってくれるならお願いしちゃいたい……あれは手軽に使えるように成れば広まりそうだしね」
業者に任せれるなら任せてしまおう、そう考えた加賀はとりあえず手間が掛かるが自分で作らなくても構わないものはとりあえず投げてしまうつもりのようだ。
カカオは加賀が作業するわけではないが、毎度届いたものをアイネが油分と粉に分離しているのでそれなりに手間……はそうでもないが、もっと広まって欲しいと思っているのでこれも候補に入るようだ。
「……分離方法わかるの?」
「…………八木?」
「知らんよ!?」
だが分離方法は二人ともよく知らない様である。
「まあ、とりあえず紙にでも委託したいのは書いておいてくれるか? あとで業者の連中に実物見せて判断して貰おう。 一応念のため聞いておくけど一般に売りに出しちゃって良いんだよな?」
「もちもち。そうじゃないと広まらないしねー」
「分かった、とりあえず日程だけ決めてくるんでな……ほい、これに書いておいてくれ」
分からなければ調べれば良いと言うことで、とりあえず分離方法分からないのは置いておく事にしたようだ。オージアスは加賀に紙束を渡すと宿を出て街中の方へと向かっていった。
テーブルを囲む客人と宿の従業員の前に置かれたのは前日作ったサツマイモ入りのパン。
「へーこれ新作かーって結構重いなこれ」
客人はオージアスである。加賀に用事があって来たそうだが、新作のパンがあると聞いて気になって仕方がなかったようで聞いて先にそっちを味見してみる事にしたのだ。
「中に芋つまってんだなー……かたい」
「昨日焼いたやつだから……炙るね」
オージサスに渡したパンは先日焼いたもの。冬の乾燥した中で一晩置いたことでかっちかちになってしまっていたようだ。
「うん、噛める……いけるな。って加賀ちゃんそれ何塗ってるの?」
「ばふぁー(バター)」
「え、なにそれずるい」
オージアスに渡すパンをこっそり?頂く加賀。
焼けたパンにバターが染みとても美味しそうに見える。オージアスもバターを付けようと次のパンに手を伸ばそうとするが、すでに食われた後であった。
「まじか……まあ、また今度食わせてくれ。んで本題なんだけど……」
オージアスの話は要約すると加賀の作るものについて興味を示している業者はいる、ただ物を見てからじゃないと判断するのは難しい。なのでサンプルを用意してほしいと要望があった。
加賀にはサンプル用といていくつか業者に委託しても良いものを用意して欲しいと話があった。
「へー、ボクはとしては助かりますけどー……なんでまた急にやる気なったんですかね」
「んー、もともと興味がまったく無かった訳じゃないらしいんだ。ただダンジョン関係の商売が優先だったらしく後回しになってたんだってさ、それに加賀ちゃん国にレシピ渡したろ? それで接触するの躊躇ってたらしい。本当かどうかは知らないけどな」
オージアスの言葉に納得したようなしてないような何とも言えない表情の加賀。周りの人間もそんな感じの表情を浮かべている。
「ん、とりあえずわかりました。情報ありがとうございます」
「ソースはとりあえずお願いすんだろ? あと何ある? カカオ?」
「あー……カカオそうだね。いつもアイネさんにお願いしちゃってるし、分離とか全部やってくれるならお願いしちゃいたい……あれは手軽に使えるように成れば広まりそうだしね」
業者に任せれるなら任せてしまおう、そう考えた加賀はとりあえず手間が掛かるが自分で作らなくても構わないものはとりあえず投げてしまうつもりのようだ。
カカオは加賀が作業するわけではないが、毎度届いたものをアイネが油分と粉に分離しているのでそれなりに手間……はそうでもないが、もっと広まって欲しいと思っているのでこれも候補に入るようだ。
「……分離方法わかるの?」
「…………八木?」
「知らんよ!?」
だが分離方法は二人ともよく知らない様である。
「まあ、とりあえず紙にでも委託したいのは書いておいてくれるか? あとで業者の連中に実物見せて判断して貰おう。 一応念のため聞いておくけど一般に売りに出しちゃって良いんだよな?」
「もちもち。そうじゃないと広まらないしねー」
「分かった、とりあえず日程だけ決めてくるんでな……ほい、これに書いておいてくれ」
分からなければ調べれば良いと言うことで、とりあえず分離方法分からないのは置いておく事にしたようだ。オージアスは加賀に紙束を渡すと宿を出て街中の方へと向かっていった。
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