僕は彼女に脅迫されて……る?

ハタケシロ

第15話 大型連休が明けて

色々あったゴールデンウィークも終わり、夏休までの大型連休は無くなってしまった。

最初こそ心休まるゴールデンウィークになるだろうと思っていたけれど、そんなことはまぁないよね!
あの麗華さんが許すわけがない!

まぁ、楽しかったには楽しかったし、怖かったには怖かったし、疲れたには超疲れたんだけど、まぁなによりも無事にゴールデンウィークを過ごせて良かったと僕は思っているよ。

「なぁ太陽知ってるか?って、なんでそんなに疲れた顔してだ?」

「え、そんな疲れた顔してる?」

朝のホームルーム前、まさか偶然カラオケで会うなんて思ってもいなかった太郎に話しかけられた。

「あぁ、なんかあったのか?」

「まぁね」

あったと言われればあったね。朝に。

麗華さんと橘さんにいろいろツッコミを入れて疲れたせいなのかどうやら顔にそれが出ていた見たいだ。

「まぁ、なんでもないよ。で、知ってるってなにが?」

「あぁ。そのことなんだがな?なんか今日転校生が来るらしいぜ」

「転校生?」

「なんでも金持ちらしくてな。しかも福沢って名字らしいんだよ」

福沢と聞いて、僕には1人の顔が思い浮かんだ。
まさか、いや、まさかね。
なんでかは知らないけれど、僕は嫌な予感がしてたまらなかった。

あれでも確か年齢は1個上だったはずだよね?
じゃー関係ないか!



「福沢龍吉だ。よろしく。あ、ちなみにかの福沢諭吉とは何の関係もない」

ちくしょう!
やっぱりこの人だったよ!!
なんでこう僕の嫌な予感ってやつはこうも当たるんだ!

「えーとまぁそうだな」

福沢くんはくるっとあたりを見渡すと、僕と目が合う。
そして、ニヤッとしながら

「とりあえず柳瀬!お前を殺す」

とどこかのロボットアニメの主人公が言いそうなセリフを言い放った。

「え?」

僕も、そしてクラスのみんなもキョトンとしたと思う。
けど、すぐに注目は僕にと集まった。

「お前を殺して華麗を俺のものにするからなっ!」

間髪入れずに福沢くんは、こう宣言した。



「太陽くん大丈夫?」

「あ、うん。大丈夫だよ」

「ご主人様大丈夫ですか?」

「うん。ありがとう。でも、もう大丈夫だよ」

福沢くんから殺す宣言されてからあの後色々あった。
殺すと言ってしまったためか福沢くんはそのまんま担任の先生に生徒指導室へと連行されるということになり、転校初日から授業を受けないという破天荒ぶりを見せつけた。

僕は僕で、ながいゴールデンウィークという休みの間に忘れていた嫉妬心を再び燃やしだしたクラスの男どもに、1時間の体育のドッチボールで集中打を浴びるという不幸に襲われた。

ある程度成長している男子が本気でボールを投げるとすごい痛いんだね!
おかげで僕は命の危険も感じたし、痣ができるしで酷い目にあったよ。

見かねた太郎が、保健室に逃げこめっていってくれたから僕は先生に断って保健室へと避難したんだ。
てもね?太郎。
僕は知ってるんだよ?太郎も僕に思いっきりボールを投げてたことをね。
やられたらやり返すからね?もちろん倍で。

あと、どうでもいい情報なんだけれど、大型連休が終わってからと言うもの橘さんの喋り方が前よりもおしとやかになったんだよね。
なんでもとある教材を参考にして勉強していたらどれもこれもおしとやかに話してたとかで。

ここで少し疑問に思うんだけれど、橘さんは一体何を目指しているのだろう?そして、何を参考にどんな教材を見たんだろう?メイドさんのなんちゃらってタイトルまでは聞いたんだけど、怖いからそれ以上は聞けなかったよね。

「というかなんで2人は僕が保健室に来てたことをしってたの?」

僕が保健室に来た時はこの2人はもちろん居なかった。
なんなら保健の先生すら居なかったから、僕は勝手にベッドで横になることに。
そしたらすぐにこの2人が入ってきて、なんて言えばいいのか膝枕を麗華さんに。
僕のふくらはぎを橘さんが自分の膝にのっけ始めた。

ちなみに、男子と女子で体育をやる場所は別れているからどっちもお互いの状況が分からないはずなんだよね。
なんで僕が保健室に来てることをこの2人はしってるんだろう?

「太陽くん?言わせるつもりなの?」

「そうですよご主人様。まさか言わせる気ですか?」

「あぁ、うん。言えないのなら大丈夫だよ?」

僕はただ普通にどうして知っているのかを聞きたかっただけなんだけれど、どうやらこの質問はこの2人には不躾だったみたいだ。

やれやれ僕は僕自身にがっかりだよ。
自分がされて嫌なことはやらないようにして……なるべくやらないようにしていこうと思っていたのに、まさか言いづらいことを言わせようとするなんてさ。

「まぁでもね?太陽くん。別に言えないことではないのよ?ただ女の子である私が言うのはどうなのかなって思っただけであって」

「そうですよご主人様。別に言えないことではないのですが、女である私が言うにはちょっとってだけであって」

なんだろう。
ここまで言われてしまうと逆に気になってしまってしょうがない。
この福沢くんよりも破天荒な2人が言いづらいというか、女の子が言うのがはばかられる内容ってなんなんだろうってなるよね。

まぁでも無粋な真似は出来ないから聞かないけどさ。

「そんなに聞きたいの?しょうがない太陽くんね」

「そんなに聞きたいのですか?しょうがないご主人様ですね」

そんなに僕は聞きたい顔をしていのだろうか?
いや、してないはずだ。
だって膝枕ⅹ2をされていてガッチガチに緊張していて顔の筋肉が1ミリたりとも動かせないからさ。

そんな僕の疑問を他所に、2人はなんと言いづらいであろう僕が保健室に来ていることを知っている理由を話してくれるという。

麗華さんはそのまんま顔を近付けてきて、橘さんは少し移動して僕の顔の方に自身の顔を近付けてきて、僕の両耳は2人の唇があと数センチで触れるくらいまで近づいたと思う。

そして、こそばゆい声で。甘く蕩けそうな声で、僕の耳が2人の美少女の美声で癒されるように2人は理由を明かしてくれた。

『視姦していたからに決まっているじゃない(ですか)』

……



2人は打ち合わせなんてしてないはずなのに、その声は見事にハモった。

「ちくしょう!!ほんとに言いづらいことだったよ!!」

僕は大きな声でツッコンでしまった。
というかツッコムしかないよねこれは。

「ねぇ!視姦ってどいうことなの!?」

「あら?太陽くん。まさか視姦を知らないわけないわよ ね?太陽くんがたまーに制服の女の子をこれでもかと言うくらい舐めまわすように見ているあれよ?」

「ななな何を言っているのかなー?」

しょうがないじゃない!
だって、男の子なんだもの!

「ご主人様そんなにみたいの?しょ、しょうがないわよね?ご主人様の命令だもんね……。分かったわ今服を脱ぐから待っててね?」

「どうしてそうなるの!!」

今の会話の流れでどうして脱ぐって判断になるの!?
僕にはさっぱりわからないよ!

「ダメよ橘さん。太陽くんの目の保養を補ってあげるのは彼女である私の役目よ?貴方は黙って見ていなさい!今服を脱ぐからっ♩♬♡」

「どうして僕の両サイドにいる女の子たちは服を脱ぐことに躊躇いがないんだ!」

「ちょ、待ちなさい!麗華華麗!ご主人様を喜ばすのは奴隷である私の役目よ!?あなたはすっこんでなさい!」

「橘さん。じゃあ、あなたは本当にこの太陽くんを喜ばせることができると言うの?この逞しい聖剣をあなたは研げるというの?ちなみに私はできるわよ?」

「わ、私だってできるわよ!」

僕の顔の上で頭のおかしなことをいう美少女2人。
なんでこんなにもすごい剣幕で言い合っているのに、内容が下ネタなんだ!

「せんせーサボりに来ましたーって柳瀬太陽と華麗!?」

ここで珍客福沢くんがやってきた。
福沢くんが来てくれたおかげでようやくこの場は

「まぁあいいわ!見てなさい!麗華華麗!ご主人様の逞しい聖剣を私の鞘に収めて見せるからっ!ご、ご主人様失礼しますね?私初めてだからうまく収まらないかもしれないですけど、頑張りましたますから!」

治まるわけがないよね!この状況がさ!

「だめよ橘さん!太陽くんの貞操……どうて」

「言い直さなくていいから!お願いだから生き恥を晒さないで!麗華さん!」

「お、お前ら何やってんだ?」

少し引いた感じで福沢くんはこっちを見ていた。
というか見ていないで助けて欲しい!

「ちょ福沢くん助けて!」

「お前にくん呼びされる覚えはねぇ!俺は年上だぞ?」

「じゃあなんで学年一緒なの?」

「そんなの華麗と同じになりたくて大金叩いてどうにかしてもらったに決まってるだろ?」

これだから金持ちは!そしてドヤ顔がウザいっ!

「でもいいから福沢くん助けて!襲われちゃってるんだ!」

「そりゃあ見たら分かるが……柳瀬太陽。お前を殺ればいいんだな?」

「なんでそうなるの!」

「その方が手っ取り早い。目的も完遂するしな」

「ちょっと福沢くん何をしているの?」

福沢くんが僕のことを本当に殺そうとしたのかは分からないけれど、僕の身体に触れそうになった時、橘さんと小競り合いをしていた麗華さんが凍るようなつめたい声音で福沢くんに言い寄った。

「な、なにってこいつを」

「コイツを……なに?」

「それは……」

つめたい声音で言いよる華麗さんに萎縮している福沢くん。僕も福沢くんの立場で華麗さんにこんなつめたい声音で言われたからオシッコちびっちゃうよ。

「いい?太陽くんに触れていいのは彼女である私と、その太陽くんの奴隷である彼女だけよ?あなたなんかが触れていいわけないじゃない。本当は橘さんにも触れて欲しくないのだけれど、太陽くんの性欲を満たすのが奴隷の役目でもあるあるから仕方なく認めているのよ?まぁ私の方が満たすことができるんだけどね!」

すごくいい笑顔ですごくおかしなことを言ったよ?
麗華さんは。

「分かったら席を外してくれるかしら?あと呼び捨てしないで?太陽くんにプレイ中に言われたいんだから♪」


「言わない!プレイ中とか言わない!」

「す、すまねぇ。ちっ。覚えとけよ柳瀬太陽!近々あるスポーツ大会で俺はお前をボコすからな!」

気まずくなったのか、福沢くんはこの場を逃げるように去っていった。
去っていったのはいいんだけどさ?いいんだけど。

状況が変わってないんだよねこれが。

誰かこの2人を何とかして!



「スポーツ大会かぁどんなものがあるんだろう」

帰り道、僕は福沢くんが保健室から去り際に言っていたスポーツ大会のことを思い出していた。

たしか今月か来月あるんだよね?
期末テストが終わったくらいに。

「夜の部あればいいわね太陽くん!」

「うん。絶対ないと思うよ麗華さん」

「犬の散歩とかあればいいですよねご主人様」

「それはスポーツじゃないよね!」

「皆が見ている中で、ご主人様は私に首輪とリードをつけてグラウンドまたは校舎の中を散歩させて……犬が服を着ているのはおかしいよな?とかいって無理やり私の服を脱がし始めて……ダメよ私。これは奴隷としての私の役目なんだから。ご主人様の命令は絶対なんだから」

「みんなの前では絶対しないし、出来ないからね!?」

「みんなの前では……ということは家ではしたいと?」

「したくないわけないじゃないわけでもないよ!」

もう言ってることがめちゃくちゃだ!
だってしょうがないじゃない。男の子なんだもの!

「そういえばスポーツ大会の前に期末テストがあるわね太陽くん。どうかしら?一緒に性について勉強しない?」

「なんでそんなナチュラルに勉強会をしよう的な感じでおかしなことを言えるの!」

「ご主人様私も勉強したいです!」

「普通の勉強をだよね!?」

「……」

「なんで黙るの!?」

「太陽くんは普通の勉強をしたいの?」

「そりゃあね。頭も良くないしね」

「夜の勉強は金輪際したくないの?」

「……少しはしたいよ」

ずるい!ずるいよ麗華さん!

「じゃあ決まりね!」

「何が!?」

「ご主人様。どうか私の身体を机替わりにして使ってください。邪魔でしたら服は処分するので」

「橘さん!変なこと言わないで!大丈夫だからテーブルでちゃんと勉強するから!」

「粗大ゴミの日はいつだったっけ?」

「捨てないから!テーブル捨てないから!」

「ちなみに私の危険日は」

「言わなくていいから麗華さん!」

「あ、ご主人様私の危険日は」

「橘さんも言わなくていいから!」

「だめよ太陽くん」

急に真面目になる麗華さん。
真剣な表情をする麗華さんを僕は見つめた。

「ちゃんと危険日をしっておかないと子供を作れないじゃない!」

「今の真面目な空気を返して!」

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