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僕は彼女に脅迫されて……る?

ハタケシロ

第10話 奴隷

軽く状況を整理してみよう。
下着姿の女の子1人と、その女の子の前にいる健全な男子高校生1人。そして、その健全な男子高校生の御主人様(彼女)。


うん!これはあれだね!修羅場ってやつだね!

なぜだが分からないけれど、さっきから背中に冷たいものが、もの凄い勢いで流れ落ちてるんだよね。

「怒らないから聞いていい?太陽くん。……その女……」

この世で嘘だと思う言葉ベストスリーに必ず入るであろう怒らないからというフレーズを物凄い笑顔で言う麗華さん。

「誰?」

最後には物凄い怖い顔になって言いました。

ちなみに、お母さんが預かるというのも嘘だと僕は思うよ!
この言葉のせいで何円母さんにお年玉をカツアゲされたか。

「えーと。なんて言えばいいのかな……はは」

今さっき初めてあったばかりの人のことをなんて言ったらいいんだろう?
今さっき初めてあったばかりの人が下着姿になったことはどう説明すればいいんだろう?

麗華さんと会ってからというもの、初めてが多すぎるよ!
こんな初めていらないけど!

「ありのままのことを言えばいいのよ太陽くん。その女がどうやって太陽くんを誘惑してきたのかを……ね?」

怖い!怖いよ!麗華さん!
顔が殺る人の顔になってるよ!
どうする?どうするんだ!僕!
僕の発する言葉によって橘さんの運命が決まってしまう!
こんな大役。小学校の発表会でもやったことないよ!

「えーと。まず、麗華さんは誤解してるよ」

「誤解?なにを?どういう風に?これはどう見ても私の太陽くんが見ず知らずの女に貞操を……ううん。どうて」

「よーし麗華さん。それ以上はやめようか」

何を言っちゃってるのかな?麗華さん。
貞操ならまだしも、どう……なんちゃらは言っちゃダメだと思うよ!うん!
ほらっ!橘さんもどうなんちゃら!?嘘!?見たいな目で見てるし!

「彼女がいるのにどうてい!?今どきの高校生は入学した時から経験済だって聞いてたけど……。良かった未経験は私以外にもいたのね」

君も何を言っちゃってるのかな?
いろいろ!いろいろツッコミたいところがあるんだけど!
え?ていうか橘さんしょ……なんちゃら?

「ちょっとそれ。どういう意味なの?さり気なく処女アピールしているつもり?確かに太陽くんは経験豊富な人よりは経験少なめ、もしくは未経験の人が好みなのだけど」

麗華さん?なんで僕のその、性癖を知ってるのかな?
麗華さんに話したことあったっけ?

「残念ね。私も処女なのよ!」

自信満々に麗華さんは言い放った。
やめて!誰も居ないからいいかもしれないけど!屋上でそんな自信たっぷりに言わないで!

「嘘!?貴方が!?あの麗華華麗が!?」

「そうよ?恐れ入ったかしら?」

「嘘よ!麗華華麗が処女だなんて!」

「本当よ?なんなら確認してみる?ちょっと待っててね。今から太陽くんとS○Xするから♪」

花の女子高生とは、到底思えない会話を2人は繰り広げていた。

そして、なぜだが嬉しそうな麗華さんが上着を脱ぎ捨て、ブラウスを脱ぎ、これまた下着姿で迫ってきた。

「ちょっと!ちょっとストップー!!」

「なに?あっ。ごめんなさい。そうよね?いやよね?」

「いやあの麗華さんとそのやったりやらなかったりが嫌な訳じゃなくてねって何を言ってるんだ!僕は!」

僕だって健全な男子高校生だ。
こんな可愛い麗華さんに迫られりゃそりゃ……って落ち着け僕!今はそういう時じゃない!

「ごめんなさい。私ついつい浮かれちゃって。そうよね。こんな場所が初めてじゃいやよね?分かったわ。太陽くんがしたい所でしましょ♪」

「そういうことでもないよ!麗華さん!!」

だめだ!なぜだがスイッチが入っちゃってるよ!
誰かこの暴走麗華さんを止めて!
じゃないと公開貞操略奪にあっちゃうよ!

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!麗華華麗!」

ここで救いの手。
麗華さんの暴挙を眺めていた橘さんの一言によって麗華さんの動きが止まった。

「なに?邪魔しないでくれる?貴女のために今から私が処女かどうかを確認しようとしてるんじゃない」

「それはそうだけどって違うわよ!麗華華麗!貴女そんな人だったの!?」

「そんな人ってどういうことかしら?」

「だから、人目も気にしないでその……えっちな行動をしようとしてるところよ!」

「えっちって……ふふ。今時反応がウブなのね。可愛いらしいこと」

「ば、ばかにしないでよ!」

「なら、言ってみなさい。私が太陽くんと何をしようとしているのか」

「だから、その…………すよ」

「え?なに?聞こえないわよ?」

「せっ…………すよ!」

「聞こえないー」

「ぐ…ぬぬ。せっ○すよ!!!」

放課後の屋上に花の女子高生から、まず出てはいけない言葉が響き渡った。

「貴女恥ずかしくないの?」

「〜〜っ!麗華華麗に言われたくないわよ!」

「私は恥ずかしくないもの。だって、私は太陽くんと一つになりたいから♪さぁ!太陽くん!こんな女ほおっておいて一つになりましょ!」

「落ち着いて!落ち着いて麗華さん!まずはしっかりと状況の把握を!」

「それも……そうね」

残念そうな顔をしないでよ。



「で、太陽くん。はじめに戻るけど。この女は誰なの?」

「うん。えーとね麗華さん。まず冷静に話すために服を着ようか。あっ橘さんも着ていいよ」

「着ていいのですか?ご主人様」

「うん?うん。……うん?」

はっはっはー。
さぁーて。おっかしいぞー。


屋上の真ん中あたり。
僕たち3人は座りながら状況整理という名の話し合いをしていた。

とりあえず、目のやり場に困っていた僕は女の子である2人に服を着てもらうようにお願いする。
橘さんが何かトンチなことを言ったけど気のせいだよね?うん。気のせいだ。

ともあれ、2人とも服を着てくれた。
美少女である麗華さん。それに、不良っぽい。いや、完全に不良みたいな感じ……あれ?よく見ると髪は染めてあるけどそれ以外は普通のような……。耳に付けてるのもピアスだとおもったらシールみたいのだし。好戦的な目もよく見れば可愛い感じの……まぁ、美少女であることには間違いない橘さん。
2人の下着姿を見続ける勇気は僕にはないよ。

「じゃあ話をするけど。まず僕と橘さんは今日あったばかり。つまりは初対面なんだ」

「初対面?」

「うん。僕のところに手紙が来てねこの屋上に来いってあったから僕は来たんだ。そして、なんて言えばいいのかな?えーと脅迫されたのかな?」

あれは多分脅迫されたと言ってもいいものだと思う。僕的には脅迫なのかどうか良くわかなかったんだけれど。

「脅迫?」

「うん。麗華さんとデートしてた時の写真をね橘さんが撮ってたらしくて」

「写真!?ちょっと!」

写真というフレーズを聞いた途端、麗華さんは噛み付こうとする勢いで橘さんに詰め寄った。

「な、なによ」

「写真は今どこにあるの?」

「ここにあるけど」

「……!これは!」

麗華さんは橘さんから写真を受け取ると、目をキラキラさせながら写真を見つめていた。
そして、

「いくら?」

「いくらって。え?」

「だから値段よ!値段!この写真はいくらなの?」

「何枚かあるうちの一枚だからあげてもいいわよ?」

「本当に!?ありがとう!」

「そ、そんな。お礼なんて別に」

照れながら写真を麗華さんに渡している橘さんは、どことなく普通の女子高生な感じがして、さっきみたいなおかしな行動をとる人には見えなかった。

「で、どうして太陽くんを脅迫したのかしら?」

あらかた写真を堪能?した麗華さんは、緩みっぱなしだった頬をきゅっと戻し、いつもの凛とした表情で橘さんに聞いた。

「柳瀬太陽を脅迫しようとしたわけじゃないわ。本当は柳瀬太陽経由で麗華華麗、貴女を脅迫しようとしたのよ」

「私を?」

「そうよ」

「どうして?」

「貴女ってお金持ちよね?」

「そうだけど……」

「それが理由よ。お金持ちの貴女とその、なに?と、友達になれたりしたら?お金にも困らないし?それに貴女っていわゆるイケてる感じじゃない?そんな貴女と友達になったら?楽しい学校生活が送れるかなーって」

もじもじと、若干照れながら橘さんは理由を語った。
でもこれは。

「結局、橘市さん?それは私と友達になりたいってことなの?」

「ち、違うわよ!私はお金持ちである貴女と友達になりたいのよ!」

「それは結局友達になりたいんじゃ……」

「ぜ、全然違うわよ!お金持ちならほらなに?お金持ちってことだけで敬遠されがちじゃない?それならぼっちである……んん。独りが好きである私とウマが合うんじゃないかと思って!」

なんだろう?
ごまかそうとしているようだけど、全て自分で言っちゃってる感がハンパじゃない。

「橘市さん」

「な、なに?」

「何はどうあれ。貴女は私と友達になりたいのよね?」

「そ、そうよ?」

「でも断るわ!」

「なんでよ!?」

僕も橘さんみたいにツッコミたくなった。
まさか、この流れで友達になるのを断るなんて。

「なんでって、私には太陽くんが居るから」

そう言って、麗華さんは僕の腕に抱きついてくる。
豊満な麗華さんの胸が僕の腕に当たっていて、ドギマギとしちゃう。
麗華さん十中八九わざとやってるよね?
できればもう少し堪能させてもらった後に離れてくれないかな?
これだと全然集中できないよ。

「それはなに?彼氏がいるから友達とは遊んでられないって言うの?」

「そうよ?」

「でも貴女。前園咲月とは友達よね?」

「だって太陽くんの友達なんだもの。私も友達になって当然でしょ?」

「私だって…………よ」

「え?」

「私だって柳瀬太陽の性奴隷よ!」

顔を赤くして、目に涙を浮かべながら橘さんはそう叫んだ。

「うん。橘さん。何を言っているのかな?」

橘さんが奴隷宣言を言い放った瞬間から、麗華さんの力が強まって少し腕が痛いんだよね。
なぜかは分らないんだけど、汗がものすごくでてるんだよね。

「何って。い、言ったじゃない!私のバイトのことを言わない代わりに性奴隷になれって!」

「うん。言ってない!言ってないよね!?本当だから!本当だから信じて麗華さん!腕が折れちゃう!」

ミシミシと腕から聞いたことのない音が聞こえてくる。
もしかしたら、もしかするかもしれない。

「言ってないって……じゃああれは何だったの?強引に服を脱がせたくせに!」

「あれは勝手に橘さんが脱いだだけだよね!?」

「酷い!私は柳瀬太陽に一生服従する意思を固めてたって言うのに!私の気持ちを返して!」

「ねぇ!なんで僕が悪いみたいになってるの!?」

「私だって太陽くんに処女をあげるって決めてるのよ!早く私の処女をもらって!」

「麗華さん!それは今全然関係ないから!便乗しないで!」

どうして僕は女の子2人にツッコミをしているんだろう。
高校入学する前の僕が思っていた状況とはかなり違うから、入学する前の僕にツッコミのスキルを上げておいた方がいいよって助言しておきたい。

「柳瀬太陽!私はもう貴方の下僕であり、奴隷であり、性奴隷なんだからね!取り消しは許さないわよ!」

「強引すぎるよ!それに僕だって麗華さんの下僕……な、なんでもない!」

「わかった?麗華華麗!私は柳瀬太陽の奴隷なの!だから私と友達になりなさい!」

「うっ……確かに太陽くんの奴隷なら友達になっておいた方が」

「おかしいから!いろいろとおかしいから!2人とももうちょっと冷静になって!落ち着こうよ!ね?」



「ご主人様……ご主人様」

身体を揺さぶられ、柔らかな声で僕を起こそうとする人がいる。

「ご主人様起きてください。もうすぐジョギングの時間ですよ」

「……もう朝か」

昨日いろいろあったせいか、夜なかなか寝付けれなかった僕は久しぶりに夜更かしをした。
そのせいか、セットしておいたアラームに気づかなかったらしく、現在進行系で誰かに起こされてるみたいだ。

「クス……ご主人様の寝顔って意外と可愛いんですね。でもそろそろ起きないとダメですよ?あぁごめんなさいご主人様。私あまり慣れてないからどう起こしていいのか分からなくて」

そう言うと、僕を起こしてくれてる人は僕のズボンを思いっきり脱ぎとった。

「なにしてるの!?」

「あ、動かないで。これじゃあご奉仕出来ないじゃない」

「ご奉仕ってなに!?何をしようとしてたの!?」

「それは……分かるでしょ?」

そう言うとなぜかメイド姿だった橘さんは、リボンの結び目を解き、チラチラと胸を……って!

「何をしてるの!?」

「だからご奉仕よ!奴隷である私がご主人様にご奉仕するのは当たり前じゃない?」

「いや、しなくていいから!それに奴隷なんていいって昨日僕言ったよね?!」

「嘘かもしれないじゃない!そう言って私がバイトしてること言いふらすんでしょ!?」

「そんなこと僕はしないよ!」

「いいからパンツも脱ぎなさいよ!ご奉仕出来ないじゃない!や、やったことないから下手かもしれないけど」

「だからやらなくていいって!」

「何をやってるのかしら?」

「お、おはよ麗華さん」

麗華さんだけで手一杯だった僕に、まさかの奴隷が増えてしまった。

とりあえずこの状況をなんとかできる術を誰か教えてください!

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