美しいだけじゃ、ダメなんです。
【第1話】 3姉妹
「ちょっとかなちゃん!!ケンタくんと遊んでたの邪魔したでしょ!!」
「はー?邪魔なんてしてないけど?ケンタくんは私と遊ぶ約束をしてたのよ!!」
大きな家で2人の少女の声が響き渡る。
小学4年生(10歳)の長女、花苗(かなえ)と
 小学2年生(8歳)の次女、千夏(ちなつ)だ。
この2人はお互いに気が強く、メンクイな事からよく恋愛事で衝突する。
「いつもかなちゃんが邪魔ばっかするから、皆いなくなっちゃうんじゃない!!」
「それはなつの魅力が足りてないんじゃない?誰も子供には興味ないのよ」
「自分だって子供じゃない!!!2個しか違わないもん!!」
「そーゆーとこが子供なのよ!!」
父親は海外でも有名な会社の社長、母親は子役からの有名女優な事からとても恵まれた境遇で育ち、欲しいものは買ってもらえ、家には数人ものお手伝いさんがいる。
「あ、あの…お嬢様…」
「「何よ!!」」
「え、いや…あの…喧嘩は…」
「なにあんた!人が話してる時に入ってきちゃダメって習わなかったの?!」
「大人のくせに、そんなこともわかんないの?」
「え…は、はい…申し訳ありません…」
甘やかされて育った気の強いこの2人が喧嘩を始めると誰も手がつけられない。
お手伝いさんももう無理だと顔を渋らせ、それは家だけではなく学校でもそうだ。
この家では始め、両親はお金持ちだけが通う学校に通わせるつもりだったみたいだが庶民的な方が幸せを得れるのではと考えたようで一般の学校に通っている。
しかしそのせいで周りと価値観が合わず、特に先生にすごく反抗をする。
人に指図されたり命令されることが大嫌いなこの2人は学校でも有名の問題児だ。
「ケンタくんだって、かなちゃんがきた時困ってたじゃん!!」
「私にはあんたにひかかって困ってるように見えたけど?」
「そんなことないもん!!!!」 
喧嘩は終わる気配がなく、しばらく言い合いをしていると違うお手伝いさんが迎えに行った末っ子(5歳)の結(つなぐ)が帰ってきた。
「喉乾いた」
「かしこまりました、オレンジジュースをお持ちいたします。」
姉達の喧嘩を気にもしてない末っ子はマイペースにオレンジジュースを飲みながら絵本を読み始めた。
「なぐも言ってやってよ!!またかなちゃんがね!邪魔してきたの!!」
「はー?だから邪魔とかしてないし!!変な言いがかりやめてよ!ケンタくんはあんたのこと嫌いなのよ!!」
「そんなことないもん!!遊ぼって言ってくれたもん!!!」
「私も言われたし!!!」
また喧嘩が悪化し、お手伝いさんが困っているとここで勇者(末っ子)が口を開く。
「どうでもいいけど、宿題したの?」
「「……。」」
「今、宿題の話関係ないじゃん!!!」
「そーよ!!!」
「なぐも、今その話関係ない」
「「……。」」
さっきまで威勢のよかった2人が末っ子の言葉で静かになっていく、それを見てお手伝いさんがザワザワし始める。そう、この2人を止めることが出来るのはおそらく末っ子だけだろう。
子供の時でこれだけ気が強いのに、大人になったらどうなってしまうんだろう…。そうお手伝いさんと学校の先生は思う毎日であった。
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